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天司と死神とプレイヤー狩り

「「おおおおおっ!」」

 宝箱の中に入っているモノに2人は歓喜して一つずつ確認して見ていく。


 [エクストラシリーズ]

 初回のみボスを撃破した攻略者が獲得することが出来る装備。エクストラクラス専用装備となる為譲渡不可。


 [天司シリーズ]


 [薄雪乃鎧]

 〈破壊不可〉

 下界乃者が蒼い空に憧れて創り出された鎧。山に咲く花を空にいる住人に見立てて名付けられた。


 [蒼剣]

 〈破壊不可〉

 神が天司に与えた神器として言い伝えられている剣。剣に認めてもらえた者のみ扱うことが出来る。認められなかった者にはただの重りにしかならない。

 武器スキル〈迅剣〉

 戦闘時、攻撃を受ける際に反撃のスピードが上がる


 [死神シリーズ]


 [ハーディス]

 〈破壊不可〉

 冥界から持ち出された衣服。耐性を持っていない者が身に着けると永遠の悪夢に誘われてしまうと言われている。


 [クラウドブーツ]

 [破壊不可]

 とある教団の女性が履いていたブーツ。


 [デスサイス]

 〈破壊不可〉

 崇拝者が死神の鎌を模倣して創ったと言われている鎌。何の素材で創られたのかは不明。

 武器スキル〈死神の円舞曲(ワルツ)

 鎌を振り回すことで刃を生み出し周囲を切り裂く


 専用装備を手に入れたことにより、2人の興奮は最大まで高まっていた。


「お兄早く装備しよ」


「気持ちはものすごーーく分かる!……けどまだダメだ。装備は戻ってからゆっくり見ることにしよう。あっ、でも武器は切り替えてくれ。すぐ使うと思うから」


 ケイの謎発言に首を傾げながらも「……分かった」と、返事をするマイは〈銅の戦斧〉を外して〈デスサイス〉を装備して手に持ってみる。


「……かっこいい。死神っぽい」


「大丈夫、君のクラス死神だから」


 マイのボケにツッコミながらケイも〈銅の剣〉と〈蒼剣〉を入れ替える。


 そのまま光輝く扉に入って隠しダンジョンの前にワープした2人は広場の入口を目指して歩き出す。


 道中にモンスター達が姿を見せるがすぐに茂みの向こうへ逃げて行く。レベル差なのか一向に襲ってくる気配ない。すんなり入口近くまで戻ることができたが、入口の前には2人に声をかけてきた盗賊風の男達が誰かを待っているかのようにウロウロしている。それに気づいたケイはマイを連れて茂みの中へ隠れて様子を伺ってると男達は何やら話している。


「あの2人組戻ってきますかね?」


「さっきの男と女か? 戻ってくるさ。少しでも俺たちの為に経験値を稼いでもらわないと困る」


「でも高ランクのモンスター退治に行くって……」


「嘘に決まってんだろ! あいつらの格好見たら分かるだろ」


 茂みで会話を聞いた2人。

(やっぱりな。あいつらプレイヤー狩りだ……しかも初心者を狩る最悪のヤツ)


(嫌い……どうするお兄?)


(お仕置きだ。ちょっと耳かしてくれ)

 ケイは男達にお仕置きする方法をマイに耳打ちをする。一瞬驚いた顔をするがすぐに親指を立てて賛同した。準備が出来た2人は茂みから立ち上がり男達がいる方へとゆっくり歩く。


「おっ! お兄さん達おかえりなさい。高ランクのモンスターはどうでしたか?」


「どうも。お陰様でどうにか討伐できました。これから広場で休憩しようと思って戻ってきました」


「ねぇ疲れたから早く行こうお兄」

 嘘の会話を続けて牽制し合っているケイと男に割り込んでマイは、ケイの腕を引っ張って入口へと行こうとするが男達は入口の前に立って邪魔に入る。


「あのー……退いてくれません?」


「……お兄さん達って初心者でしょ? ここ通りたかったら言うこと聞いて欲しいなぁ……俺たちの経験値になってくれないかな?」


「ま、まさかプレイヤー狩りですか!? 下がれマイ!」


「うん!」(手下は4人っと……)

 嘘がバレて焦っているフリをするケイの指示にしたがってマイはケイの後ろに隠れた。ニヤニヤと笑う男達は一斉に武器を構えて襲い掛かるが、ケイもまたニヤリと笑った。


 アクション〈天司の翼〉発動


 ケイは背中の翼を羽ばたかせて男達目掛けて突風を巻き起こしてフワリと空中へ羽ばたく。盗賊風の男と手下達は風圧によって前に進むことができない。


「なっ……どうなってる!?」

 男は武器を振り回すが空中で浮遊しているケイに当たるはずがない。

「チッ! 男は後回しだ。女の方を……女はどこだ?」

 マイがいたはずの場所に剣を差しむけるがそこには誰もいない。次の瞬間、男の手下達がバタバタと倒れていくことに気づいた時、背後から鎌の刃が首元に構えられる。


 〈狂人×5〉発動

 アクション〈影移動〉発動


「……そこにいない。あなたの手下も」


「その通り……よっと! さぁ、残ったのはお前だけ。どうする?」


「や、止めてくれ! アイテムなら全部やる……所持金も!」


「んー……考えてもいい。俺の質問に答えられたらな……今まで初心者が「止めて」と言った時、あんたはどうした? 倒さなかった?」

 地面に降りたケイの問いに黙り込んで答えられない男に笑顔で手を振る。


「あんたの答えが俺たちの答えだ。じゃあな」

「……じゃあね」

 プレイヤー狩りを返り討ちにした2人の画面にはP V P勝利と表示された後に選択肢が現れた。


『倒したプレイヤーの所持金、経験値を奪いますか? はい いいえ』


「「いらない一択」」


 いいえを押して2人は広場へと入って行った。

 害悪プレイヤー認定されていた男達が倒されたことによって、W W Oの掲示板では少し話題となった。


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