前口上
読者諸氏よ、ごきげんよう。
崔浩である。
本作は中国文学における大古典
『詩経』に突っ込んでいこうという、
いろいろ順番おかしくねえか作者、
という代物である。
この辺りについて、
少し語らせていただこう。
○詩経とは
孔子が古来より伝わる詩を集成した、
いわば孔先生チョイスによる
古典詩のベストアルバムである。
ここに載る作品たちは、
後世のあらゆるところで引用されておる。
はっきり言って、作品を知らねば
引用に気づかず無意味に字義を拾い、
トンチンカンな解釈をも決めかねぬ、
そういうレベルの文学的「基礎」である。
逆に言えば、中国ネタを決める際には、
この作品群を抑えておくと、
いろいろそれっぽい振る舞いが
できるようになる。
なので、普通に考えたらこれが先だろ、
レベルに順番がおかしいのであるが、
急遽ライブラリにねじ込むこととした。
○詩経の内容
いろいろな解説がなされておる、が、
細かなところはよい。
そんなものは Wikipedia に丸投げである。
ここで我があえて語るべきは、
「詩経と陰謀論はお友達」
という点である。
先にも語りたる通り、
詩経に載る作品群は原則として大古典。
日本でいえば、
わらべ歌のようなものである。
素朴な楽しみであるとか、恋する心、
それらを素朴な言葉で表したもの。
そういったものの集成である。
の、だが。
これも繰り返しとなるが、
孔先生チョイスである。
儒教的にとてもおありがたいのである。
故に、
「孔先生の深淵なる意図が、まさか
素朴な詩の紹介だけなはずがない!」
と、後世の人間たちは
深読みしてゆくようになっていった。
結果「お前は何を言ってるんだ……?」
レベルの超解釈まで登場する始末。
当作は、面白いので
その超解釈を拾っていこう、
というものである。
ただし、そういう偏ったものばかりを
紹介しても仕方がないので、
併せて「素朴な解釈」も紹介する。
どちらをメインにお楽しみいただいても
問題はあるまい。
「面白ければ、それでよい」のである。
この辺りをタイトルで把握できるよう、
各詩は
「詩名(詩のテーマ/超解釈)」
という形式で表記させていただいておる。
では、参ろうか。
○参照元
原文 中國哲學書電子化計劃『詩經』
https://ctext.org/book-of-poetry/lessons-from-the-states/zh
訳文参照
集英社 漢詩大系I・II「詩経」上下巻
なお、今回は訓読を載せぬ。というのも、詩経の場合は下手に訓読をしても、詩が持つリズム感を妨げしかせぬ気がしている。また詩経が編まれたころの漢字の読み方は上古音と呼ばれており、現在の推測再現音を見る感じでは、現代の中国読み、いわゆるピンインよりも日本語の音読み(漢音)のほうが近いのでは、と思われてならぬ。つまり意味を踏まえつつ、漢音で読んでいただくほうが、各詩が読まれた当時のノリはかえって掴みやすいのではないか、と考えている。
その試みのため、各詩にはあえて作者が妄想する音読みをルビとして振った。復元上古音で振ろうかとも一瞬考えたが、それをやると地獄のような勢いで時間が溶けるのでご寛恕願いたい。




