一話
「おはよー!!」
本日も良き快晴。体調もバッチリ!
何事もない平穏な日常が始まる!と思い私は思い人の彼女、河合姫ちゃんに挨拶をした瞬間、急激に体調が悪化し、そのまま死んだ。
その死に様はまさに理不尽。
名医も防ぎ用がない、まさに神の裁きと言わんばかり。
まぁ本当に神のせいだったんだけど……
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「いや本当にごめんなさい」
「へ?」
目が覚めたとき、開口一番に言われたのは謝罪。そして何故か私は黒装束の女の人の前に立たされていた。
「あれ、え?ここ、どこ?」
確か、私は姫ちゃんと一緒に学校に向かってたはず。
なんでこんな何もない変な場所で変な人と向かい合っているの?
「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」
黒一色の衣装に包まれた女の人は困惑した私を他所にひたすら地面に向かって謝罪を繰り返している。
「あ、あのぉーあなたは?」
「違うんです、私はあなたを殺すつもりはなかったんです。手違いなんです。本当に、本当に、ごめんなさい、お願いですから私を怒らないでください…」
「あの、何を言ってるのか全然分からないんですけど」
「……私は死神です」
「し、死神!?」
な、何を言ってるんだこの人。てかよく見ると可愛いなこの人。え、まって、めっちゃ可愛くない、さっきまで俯いてたからよく顔が見えなかったけど、すっごい美形!
「あ、あの、実は私間違えてあなたを殺しちゃったんです…許してくれますか?」
と言い目を潤ませながら見つめてくる。
「か、かわいい……」
「?……許してくださいますか?」
「は、はいぃ」
そんな可愛く頼まれた許しちゃう!!って何を?許す?
「本当ですか!!!あなた神ですか!!?」
「い、いやぁ!神様だなんて!って、照れるぅ」
「じゃあ!あなたの願いを一つだけ叶えてあげます!さぁさぁ!なんでも言ってください!」
「な、なんでも!?じゃ、じゃあ、あなたと、き、キスがー」
モジモジさせながら私は自分の欲望を口にしようとした瞬間、目の前の女の人はいきなり私から目を背き、独り何かを言い始める。
「あ!先輩!聞いてください!実は私が間違えて殺しちゃった人私の罪を許してくれるって、え?つ、追放!?な、なんでですか!?本人が許してくれたのに!!ちょ、ちょっと、ま、待ってください!!」
殺す?追放?何の話をしてるのかは全然理解できないが、何やら物騒な単語ばかり出てくるな。怖い。
そう思ってた時、急に何もない空間に神秘的な風が舞い上がり、神々しい女の人が現れた。
その顔立ちは人形の様でまるで人間とは思えなかった。
その人は透き通る女神の様な声音で私に向かって話始める。
「あなたがリズが殺した人間ね、確か名前は「姫路美百合」さん、だったかしら、本当に今回はリズのせいで飛んだご迷惑をおかけしてしまったわ。ごめんなさい」
「いえいえ、ってなんの話ですか?」
「へ?」
と、神々しい女の人には似つかわしくない素っ頓狂な声。
「ほへ?」
と、黒い女の人のちょっと情けない声が同時に発せられた。
『あなたがリズに殺されたって話です!』
『あなたが私に殺されたって話よ!!』
え、殺された?who?誰が?
ここにいるのは三人。つまり、つまり。
「私が殺されたぁ!!??」