緊急依頼
街へ入る大門前。
大門の周囲は慌ただしく動く衛兵により、今まで見た事のない様子になっていた。
街への出入りは問題なく出来たが、すぐに他に出入りの人が居ない事を衛兵が確認した後、門の大扉は閉められた。夜には閉まっているのは知っていたが、昼間に閉門しているのは初めて見た。
街へ入って北の大通りを歩いていても街の住人の人達の通りは少なく、冒険者や衛兵が行き来している様子だった。冒険者は北通りにある冒険者ギルドへ向かう人たちばかりだった。ギルドから出てきた人達は、中央広場の方へ走って行く人が多くいて、少数だが北門へ向かう人たちもいた。
「あれほど人が集まって来ているなら何か情報があるのだろう。ギルドへ寄ってみるか」
ギルドの前まで着くと、人の間を縫うようにギルドの中まで入った。
ギルドの中では、ギルド職員が誘導するように声をあげて緊急依頼の案内を行っていた。いつもならテーブルとイスがある場所に、2個の大きな衝立の様な物があってそこには同じ内容の依頼書がいくつか貼られており、依頼内容を確認した後に受付で依頼を受けるように案内していた。
人の流れに従って依頼書の前までたどり着くと、貼られている依頼書の内容を確認した。
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▲緊急依頼▼
・街への魔獣による脅威を確認
・街の東方面で迎撃作戦*
*状況判断により防衛戦に変更有り
*現在、街の周辺にて正体不明の黒い魔獣による被害が拡大中
*東方面に多数の目撃情報
★作戦★
・迎撃場所は東の草原地帯
・冒険者は北軍、東軍、南軍に分けて配置される
・各軍は街の衛兵長が指揮を執る*
*一部冒険者ギルドの上級ギルド員が指揮を執る場合有り
〇報酬〇
・参加報酬‥‥20,000ℬ
・討伐報酬‥‥10体=1,000ℬ
・元凶撃破‥‥500,000ℬ
受注時
・希望する軍の場所を選択可能
・先着で人数の振り分け
・各軍には人数割合あり
(北軍:100・東軍:200・南軍:100)
・各軍の上限人数になった場合は受付で報告いたします
注意事項
*第二、第三希望に配置された場合でも配置に変更がある場合があります
*全ての軍の上限人数を超えた場合はギルドカードにて再配置のお知らせが届きます
*再配置された場合は門の衛兵にギルドカードの再登録を行ってください
*再登録が行われない場合、報酬が受け取れなくなる可能性があります
*以下注意事項が続く
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シュウは依頼書の内容を確認するとすぐに受付の列に並んだ。2分経っていないぐらいで受付の前まで行くと、緊急依頼を受ける事と希望する場所を伝えた。希望した場所はまだ空きがあったようで、すぐに手続きは終わった。
他に知りたい事もなく、一通り見渡してから目当ての人物も見つからなかったので、すぐにギルドを出ると北通りのアンリの飯屋へと向かった。
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