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剣と魔法のセカンドワールド  作者: K.T
第四話 魔術師の試練『第一スキル解放』
63/76

巫女見習い

夜戦(森)の誤字報告ありがとうございました。



 小屋のリビングの奥から4人が料理の盛り付けられたお皿やグラスを両手に持って戻ってくると、テーブルには数種類の料理と取り皿が並べられた。


 リンとリーナが作ってくれた料理は、大皿にはローストビーフにサラダが添えられていて、鍋にはシチューと籠に入ったパンに洋風のスープまで作られていた。テーブルに料理を並べ終えるとみんなで料理を食べ始めようとしたのだが、3人が「いただきます」を言ったのをエリアルがどういう意味と聞いてきたので、詳しくは知らないが料理を作ってくれた人と食物の命への感謝とかの意味だったと思うと説明すると、この世界では「大地の恵みに感謝を」というのが一般的だという事を聞いたあと、食事中にはエリアルに星を渡る者の世界について聞かれたり、みんなで質問に答えたりしながら料理を食べた。

 

 作られた料理をあらかた食べ終えた時に、リンが食後に飲み物を持ってきてくれると言うので、コーヒーのような飲み物はないかと聞いたら、コーヒーがどのようなものかと聞かれて答えると似たようなものがあるらしく試しに飲んでみようと思ってそれを頼んだ。


 テーブルの料理が片付けられて、食後に持ってきてくれたのが本当にコーヒーと同じ飲み物だったから、後でリンにこの飲み物の名称を聞いて街でも売られているか探しておこうと思いながらコーヒーを味わっていると、エリアルとリーナとミュウが食後もずっと話していたのだが、エリアルがパーティーの構成もアドバイスはするけどまずは貴方たちの冒険者の基本が分かっていないと言い出して、シュウも聞いておくようにと言われたのでエリアルの話を聞くことにした。


「さっき食事してる時に聞いたから、貴方たちが向こうの世界でも同じ学び舎で知り合いなのは分かったけど、冒険者は基本的に職業までは教えてもスキルは相手に教えたりしないものなのよ。特に初対面なら絶対にね。この世界ではスキルは生命線なの、相手に知られると警戒されたり対策されたりするからね。今後は迂闊に教えるようなことは絶対にしない事」


 エリアルの師弟の契約の本当の怖さを知った後だと、迂闊に教える事の危なさがよくわかるな。もしかしたら、最初に会った時のエリアルは落ち着いて話していたように思っていたけど、俺が星を渡る者と知ってステータスを見るまでは結構警戒していたのかもな。


「冒険者ギルドでギルドカードを作った時にスキルは見れない事知ってるでしょ?だから、野良パーティーを組む時でも教えるのは職業とLv.までにしておきなさい。そして戦いに余裕があるなら相手に見せるスキルは、見られても問題ないスキルを使う方がいいわ。信頼できるパーティーメンバーを見つけられた時だけは、ある程度話してもいいでしょうけど、必ず一つ以上は自分だけしか知らない切り札と呼べるスキルか実力・特技を持っておく事。冒険者として生きるなら絶対に必要だからね」


「おれの場合は、今のところはあのスキル(Aカード)になるのか」


 だけど【Aカード】はいつでも使えるわけではないから他にも必要ではあるだろうな。本当はスキル以外の武器があると楽なんだけど、俺の場合は称号で武器を持てないから今すぐは無理だな。とりあえずは、レベルを上げるとマナの総量と回復量が多くなって色々出来るようにはなるから、スキルレベルと魔術師レベルのレベル上げて基礎能力の強化と同時に、常に使える武器の模索はしていきたいところだな。


「その件は、後で師匠として(・・・・・)ちゃんと説明してもらいますからね!」


「スキルは秘匿するものとさっき師匠が・・・いえ何でもないです」


 エリアルはおれの師匠だからな。師匠が弟子の事を知っておくのは普通の事だよな。決してこのままだとこの後の黒鎧との再戦の時にもっと面倒な事になりそうだとか考えたわけではない。


「切り札となるスキルですか、あるけど・・・でも、倒せなかったら意味ないよね・・・・」


 リーナが悩んでいるのは、ゲーム内で初めて会った時の事だろう。エレファントバッファローを黒焦げにしたリーナの精霊ホムラの攻撃はすごかったから、普通の魔物や人なら問題はないだろうけどな。


「私は、すごいスキルは持っていないの」


 ミュウは切り札と思えるスキルをまだ持ってはいないのか。そういえば、ミュウの職業が何なのかを知らないな。さっきエリアルに詳しいスキルは聞かない方がいいって言われたけど、職業と何が出来るのかくらいは話の流れで聞いておこうか。


「そういえば、ミュウは何の職業なんだ?」


「巫女なの」


「巫女?そんな職業まであるのか」


 巫女か、何だかあんまりこの世界には合ってなさそうな感じなんだけど。中世の街並みに巫女装束を着た人が居ると違和感がすごい気がするけどな。それを言うならメイド服も同じか。メイド服を着ているリンを見ると首をかしげて何か御用ですか?と聞かれたので、手を振り何でもないと言っておいた。


「ステータスを開くから見て欲しい。エリアルやシュウなら見てもいいの」


「えっ、でも・・・」


「いいのか?」


「いいの。リーナはシュウに見せたみたいだし、私も冒険者の先輩であるエリアルにアドバイスが欲しいの」


「それなら、私もお願いしていい?エリアルから詳しいアドバイス私も欲しいかな」


 エリアルは、2人からお願いされて少し戸惑うような顔をしていたが、大きく息を吐いた後に微笑んだ。


「わかったわ。でも、本来は絶対に簡単に見せたらだめなんだからね」


 エリアルが再度念押しをして二人は頷くと、システムメニューを操作しておれとエリアルにも見えるようにテーブルの上に映し出した。


~~~


ステータス(status)


★ロール 

 ・・・ 巫女見習い(神道) Lv.3

 所有魔力 120/120

 1分間の魔力回復量 10


 次のLv.まで 26/100%


★称号

 ・・・ 八百万の神が見えし者 

 (詳細)

 八百万の神を見つけた者の称号



★スキル


●霊獣召喚 Lv.2

 (詳細)

 ・最大魔力の10%

 ・一対の狛犬を呼び出す。

 ・武器の装備可能(短剣のみ)

 ・召喚時間5分


 次のLv.まで 81/100%


(けが)()き Lv.1

 (詳細)

 ・穢れ(毒)

 ・消費魔力5 (*クールタイム15秒)

 ・対象に状態異常を与える

 (再使用ごとに付与確立5%上昇:同一対象のみ)

 *状態異常の種類…毒(毎秒2%のダメージ:10秒継続)

 *重ね掛け可能(2回目以降の確率上昇率2%減少)


 次のLv.まで 41/100%


巫女舞(みこまい) 

 (詳細)

 ①癒しの舞 Lv.1

 ・消費魔力 毎秒2

 ・対象の受けている傷を癒す

 (回復量は最大体力の2%~10%・10秒で効果最大)

 ・癒しの舞を続けている限り効果は持続する


 次のLv.まで 36/100%


 ②祓いの舞 Lv.1

 ・消費魔力 毎秒2 Lv.1

 ・対象の状態異常を祓う 

 ・3秒・状態異常回復

 ・5秒・受けた状態異常への耐性(1分間)

 ・10秒・効果時間の延長(5分間)


 次のLv.まで 0/100%


フィジカル(physical)

*( )装備適用時の合計数値


STR・・・ 7(9)


VIT・・・ 15(17)


AGI・・・ 30(32)


DEX・・・ 18(20)


割り振りポイント・・・0P


~~~


 ミュウのステータスを一通り見終わったエリアルが、ステータスの一点を見つめながらミュウへと質問した。


「えっと~、ミュウごめんなさい、ちょっと分からないことがあるのだけど、いいかしら?」


「どうぞなの」


「職業の巫女見習いはまだ聞いたことがあるのだけれど、(神道)っていうのは私は見たことないわ。どういうことなのかしら?」


「説明するの。神道は、私たちの世界の私の国の~~~(中略)~~~なの」


「分からないところもあったけれど、一応理解できたわ」


 神道については日本の伝統的な宗教だという事ぐらいしか知らなかったな。ミュウが神道についてかなり詳しく説明したのを聞いて、もしかしたらと思いミュウに聞いてみた。


「なあ、ミュウって神社とかに関りがあったりするのか?」


「おじいちゃんが神主をしているの。小さい時からいつもお手伝いに行っているから、その時によく聞いているの」


「へ~、お手伝いってもしかして神楽を舞ったりもするのか?」


「呼ばれたときはしているの」


 ミュウが神楽を舞っているのがあまり想像できないな・・・一人で舞うとよく似合ってそうに思えるけど、同年代で例えばリーナぐらいの身長の人と、2人以上で舞っている場合だとミュウはこども・・・これ以上はやめておこう。


「だったら、この巫女見習いのロールに巫女舞のスキルだと、ミュウには慣れ親しんだものなんだな」


「いつもと違う舞だけどスキルを使ったら舞う内容が分かるから変な感じはするけど、いつも踊る型より簡単だから大丈夫なの」


 ミュウは笑顔でピースをしていた。今は椅子に座っているしすぐに話を進めたから、さっき思ったことを感づかれてはないみたいだな。前にミュウの身長をゲームと現実で見比べてしまって感づかれたから少し不安だったんだけど。


「本物の巫女さんの舞か。ミュウの舞を見るのが楽しみになってきたよ」


「ふふん、よく見ておくといいの。・・・そういえば、街の子供たちには不思議な踊りと言われたり、何故か子供たちといっしょに舞うことになったりしたの。そう、私は子供たちに舞を教えていただけなのに・・・決して一緒に遊んでいたわけではないの。なのに、なぜ・・・・・」


 ミュウは始めは自信満々におれに言っていたのに、何かを思い出したのかだんだんと声が小さくなり顔も下に向いていき、最後は何かに落ち込むように両手を挟むように顔に当てて完全に下を向いてしまった。


 微かに聞こえてきた内容は、年長者で面倒見ていて偉いねとか、小さいのに上手に踊るのねとか、一桁の子供に身長が負けてるなどで、街の人か周りの人に勘違いされていたり自身の身長の事で何か思い悩むことがあったみたいだ。


 さっき子供に見えるだろうなと思った事を言わなくてよかったと、心の底から思った。


その後、ミュウが立ち直るまではリーナがエリアルからアドバイスを聞いていて、いつの間にか立ち直ったミュウも話に加わっていた。


 シュウは女三人が楽しそうに話している所に加わる気はなかったので、先ほど考えていた飲み物の名称とそれは街でも買えるのかをリンに聞いたりして、食後の時間は過ぎていった。




お読みいただきありがとうございます。



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