森の異変
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小屋から街の中央広場に来た後、街には特に用事もなかったのですぐに北の城門を目指して北の大通りを歩いて通り抜けた。
城門に着いて身分の確認をした後に街の外に出て、『スプレッド・フォーカード』(マナ14/15)を使用していつでも戦える準備をすると、北西の方角に見えている森を目指して進んだ。森に着くまでに2度ハンターウルフに襲われることがあったが、合計7体を無事に倒すことが出来てたので昨日たどりついた森の前まで来ることが出来た。
一度目に襲われた4体のハンターウルフの群れは全滅させることが出来たので、リーダーのウルフから魔核が取れたのだが、2度目に襲われたときには群れの3体を倒した時に、残りのリーダーのハンターウルフには逃げられてしまったので、魔核を手に入れることは出来なかった。
取得物として魔核が1個・爪が6個・牙が4個・毛皮が1個(48Exp)、手に入ったので、前に取得したものも含めて街に戻った時にギルドに寄って換金しておこうか。
そして、森に入る前にギルドでもらった魔獣手帳を見て森に生息している魔獣について再度確認して、草原の戦闘で展開していたカードの1枚が12分を過ぎて消失したのを確認してから、『スプレッド・フォーカード』を使って再展開してから森の中に入っていった。
森の中は、時間が夕方だったのもあるだろうがかなり暗くなっており、周りは木々にさえぎられている為に遠くは見えなくなっていて、あらゆる方向から何かいる気配がするような状態であった。
愁は森に入ってからは導の腕輪を頼りに森を進んで行くが、普段から人が入らない為に足場も悪く進むのに時間が掛かりそうな道を、普通に歩くように進んでいた。
「ほとんど人が入らないから歩きにくいとは思っていたが、このぐらいならいつもの山道よりも道は安全だから問題ないんだが・・・」
このぐらいの道なら走って急げば夜になる前に目的地に着けるかもと思っていたのだが、森に入り草原が見えなくなった時から、常に誰かに見られている感覚があるせいで、急ぐことをやめて周りを警戒しながら進むことを余儀なくされた。
いつもの日課でも夜に森を通るときには他の生物の気配を感じることはあるが、ここまで露骨に見られているのは何だか不自然に感じるな。普通の動物なら気配を消してやり過ごしたりするから、自分から見つかるような事はしないはずなんだが・・・まあ、魔獣は普通の動物とは違うと言われたらそれまでなんだけど、やっぱりおかしい気がするな。
「なんでこんなに好戦的になっているんだ?」
そういって、愁は正面の草影からホーンラビットが角で突き刺すように飛び掛かってきたところを、横に躱しながら呟いた。手帳にも森にはホーンラビットが出てくる事は書いていたが、草原の説明と同じだったので巣穴に近づくか自分から近づかない限りは、襲い掛かってくることがないと思っていたんだが。
ホーンラビットは着地すると、反転してふたたび飛び掛かってきたので【ソード Ⅷ(短剣)】を使ってホーンラビットの首を切った後、すぐに身を捻った。
身を捻ったすぐ後に愁が立っていた場所には、人の腕ほどの太さがある蛇が通り過ぎていった。蛇はまだ生きていたホーンラビットには目もくれず襲い掛かってきた。
こいつも手帳の情報と違っているなと、手帳に書いてあったことを思いだしながら蛇が飛び掛かってくるのを避けた。
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■魔獣手帳
【オノコロ】北西の森・(昼)
●ポイズンスネーク
特徴…木の上から獲物を狙う性質がある。
噛みつかれると牙にある毒により動きが鈍くなって、締め付けて獲物を殺した後に捕食する。
自分より小さな獲物を狙う為、冒険者に襲い掛かってくることはあまりない。
ホーンラビット、その他小動物が捕食対象。
大きさ 2m~4m
◆分類
小型
肉食
◆取得物(素材)
毒牙・皮
★メモ
食うなら毒は絶対にとっておけ、丸焼きで丸ごと食うなよ・・・肉は美味い
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冒険者に襲い掛かってくるのはあまりないはずなんだけど、確実に俺を狙ってきているよなっ、と。飛び掛かってきたポイズンスネークの口に短剣を合わせて、横から引き裂くように短剣を滑らせて蛇の体を切り裂くとポイズンスネークは地面に落ちた時には絶命していた。まだ生きていたホーンラビットも力尽きていたので両方に触れて取得物アイテム(ウサギ肉・角:3Exp)(毒牙・皮:7Exp)に変えた。
短剣が消えて周りを警戒しながらアイテムを拾い終わった時に、前方から草木を切り裂き、細い木をなぎ倒しながら大型の魔獣が2体現れた。
「こいつらは・・・」
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■魔獣手帳
【オノコロ】北西の森・(昼)
●ビッグベアー (昼・夜)
特徴…巨体、強靭な牙と爪
森の中を徘徊して獲物を探す。
同族以外の動くものに襲い掛かり、獲物を捕らえようとする。
基本は森の奥地に生息している。活動期(春)には森の浅いところでも見かけることがある。
繁殖期(夏)には2頭で行動し森の奥に住処を作り一定の範囲から出る事はほぼない。
大きさ3.5~4.5m
◆分類
中型
雑食
◆取得物(素材)
毛皮・爪・熊肉
★メモ
戦闘に自信がないなら戦わない事をお勧めする(癖があるが肉はうまい)
●キリングタイガー (昼・夜)
特徴…素早い動きと強靭な牙、死角からの攻撃
1頭ごとに森の中に縄張りを持っている。
縄張りに入る者には容赦なく襲い掛かる。
俊敏な動きで獲物を追い詰めて狩りをする。
基本は森の奥地に生息している。
繁殖期(春~夏)のみ2頭で行動している。
大きさ2~3m
◆分類
中型
肉食
◆取得物(素材)
毛皮・爪・牙
★メモ
森の中では戦わない方が無難・・・肉は硬くて食えたもんじゃない
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魔獣同士の縄張り争いって訳ではなさそうだな。なぜか2頭とも明らかに俺をターゲットにしている。
「さて、どうしたものか・・・」
展開していたカード4枚【ソード Ⅱ(片手剣)】・【ソード Ⅴ(刀)】・【ワンド Ⅶ(雷)】・【ワンド Ⅱ(火)】の残っているうちの2枚を取ると、1枚は【ソード2(片手剣)】を使い片手剣を右手に持って、2頭に切っ先をむけて構えた。
熊には何度か襲われた事があるから、魔獣だとしても何となく動きは分かりそうだが、虎はさすがに初めてだな。まあ、熊もこんなに大きいサイズの熊と戦うことになるのは初めてなんだけど。
2頭の魔獣とにらみ合う状態になっていたのだが、ビッグベアーが4足から2本足で立ち上がると両手を振り上げて前進して、自身の体ごと鋭い爪とともに両手を振り下ろして攻撃してきた。
後ろに飛ぶようにして躱したのだが、ビッグベアーが両腕をたたきつけた衝撃と風圧が想定していたより大きく、衝撃で抉れた土や石が体に当たり着地のバランスが崩れて膝をついてしまった。立ち上がろうと思った時には後ろから気配がして振り向くと、キリングタイガーが鋭い爪を俺めがけて振り払おうと飛び掛かっていた。
何とか右手に持っていた片手剣で受けたのだが、その場で耐えきることは出来ずに吹き飛ばされて地面を転がった。体が木に当たり止まって体勢を整えようとしたとしたときには、ビッグベアーが突進しながら片手をたたきつけようとしていたので、素早く横に転がるようによけながら立ち上がってビッグベアーを見てみると俺の後ろにあった木がバキバキと音を立てながらなぎ倒されたが、ビッグベアーは平然と傷一つなく俺を探していた。
片手剣を構えながら正面のビッグベアーを警戒しつつ、再び姿が見なくくなったキリングタイガーが何処にいるのか探したのだが、見えるところからは完全に姿を隠したらしく目で見える範囲にはいなかった。
厄介だな。魔獣同士が連携してくるとは思ってもいなかった。ハンターウルフみたいな同じ種族なら群れで行動していたりしたから、連携してくるのは分かるんだが違う種類の魔獣同士でも協力することがあるのか。現実では考えられない事だからさすがに想定はしていなかった。
ビッグベアーの突進や叩きつけ、キリングタイガーの奇襲を避けた時に受け止めた感じからして、片手剣の具現化は3分持つかは分からないな。
隙を見て周りで一番大きな大木に向かって走り出すと、大木に片手剣を突き刺して剣を足場にジャンプをしてから大木の幹を蹴って高さ5mにある枝に手をかけて登った。
地面から8mはある大木の木の枝まで登ってから下を見ると、ビッグベアーは始めは大木をなぎ倒そうとしていたようだが、やがて倒すことは諦めたようで大木を登ろうとしていた。
シュウはビックベアーが登ってくるのにまだ少しの時間があるのを確認した後、左手に持っていたカード【ワンド Ⅶ(雷)】を後ろに向かってなげた。カードは他の木から飛んで襲い掛かってきていた空中にいるキリングタイガーに命中すると、一瞬バチっという音とともに光ってキリングタイガーは一声悲鳴をあげると、俺がいた大木の枝に体から当たるとそのまま下に落ちて行った。
大木に登ってこようとしているビッグベアーには、残されたカードを2枚を取って【ワンド Ⅱ(火)】をビッグベアーに向かって投げながら【ソード Ⅵ(大太刀)】を具現化させた。
【ワンド Ⅱ(火)】のカードは火の玉となってビッグベアーの顔に命中すると、ビッグベアーは火を両手で払うように動かしたので、後ろに倒れながら背中から地面に落ちた。
シュウは大太刀を両手で下に構えながら、仰向けに倒れていたビッグベアーの心臓めがけて飛び降りて突き刺すと、ビッグベアーはわずかに動いた後にはアイテム(魔核・毛皮・牙・熊肉:22Exp)に変わった。
そして地面に刺さっていた太刀を抜いて刀についた汚れを振り払うと、ビッグベアーとほぼ同じタイミングで地面に落ちて倒れていたキリングタイガーを見た。ふらつきながらも立ち上がっていてまだ敵対心があるようだったので、大太刀を正面に構えてからの振り下ろしで飛び掛かってくるキリングタイガーの頭を真っ二つに割るようにして大太刀を振るった。
息を一つ吐いた後に、倒れたキリングタイガーに触れてアイテム(魔核・爪・毛皮:28Exp)にしてから周りを見渡して、危ない気配は今のところなさそうだと判断してから、再び歩き出しながらなぜ魔物がこんなに好戦的なのか考えていた。
この森に入るまでの草原では特におかしなところはなかったから、森に何か異常があると思ったんだが森自体におかしなところはなさそうなんだよな。でも、森にいる魔物だけがなぜか好戦的になっているようだった。
それでも始めは見られていた感覚だけだったのだが、奥に行くごとに気配が好戦的になってついには襲い掛かってくるようになったので、どうやら魔獣たちは森の奥に行くほど好戦的になっているのは分かる。目の前に他の魔獣がいても人に襲い掛かってくるほどに。
しかし、魔獣の説明もこんなに手帳と内容が違うことがあるのだろうか?この手帳が古いものなのか?でも草原の魔獣の事は正しかったからやっぱり森に何かあると思うのだが・・・この森がいつもこの状態なら問題ないんだろうけど、確かめるためにも街に戻った時にギルドの職員に聞いてみるか。この森の事を話してくれたし、もしかしたらあのギルド職員のバルデスだったら何か知っているかもしれないからな。
でも、それよりも今はさっきから微かに聞こえてくるこの音が何なのかを突き止めるのが先かな。
導の腕輪が示す方向に歩いていると、森の奥から何かが聞こえてきていた。始めは風の唸り声かと思ったのだが、導の腕輪が示す方向に行くほど聞こえてくる音は大きくなって、人の声が聞こえてきてさらに奥に進んでいくと、よりはっきりと女の人の声が聞こえていた。
それも、「どうして、・・・・あのとき・・・・」と時折聞こえてくる声はひどく悲しそうな声だった。
導きの腕輪が示す方向は、声が聞こえてくる方向に光をさしており、その先では森の奥の木々の間から微かな光が見えていた。森の木々を抜けて光の下に出ると、いつの間にか日はほとんど落ちていたらしく微かな西日が照らす小高い丘が目の前にあった。
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★魔術師 Lv.4 次のLv.まで 64/100%
(取得経験値+108%)
●デッキ(ソード・ワンド)
●スプレッド・フォーカード
●トリック
①チェンジ
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SPスキルポイント 0(0/12)
魔核
・ハンターウルフ ×1
・ビッグベアー ×1
・キリングタイガー ×1
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お読みいただきありがとうございます。




