表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と魔法のセカンドワールド  作者: K.T
第三話 ②初めての依頼
49/76

ゲーム2日目



 愁が放課後に呼び出されて手伝うことになった生徒会の仕事は旧校舎からの机と椅子運びだけだったので、予定していた時間より早く終わらせることが出来た。


 姉さんに帰ってくる時間を聞くのと先に帰る事を告げてから帰ろうとすると、藤本さんと立花さんが任されていた仕事もちょうど終わったらしく、姉さんに他に手伝うことがないか聞いて無い事を確認したあと、一緒に帰ることを提案された。


 他の生徒に見つかると今日の休み時間みたいにまた面倒な事になると思ったので、何とか穏便に断ろうとは考えたのだが、今日の朝から今までのを思い出して自分から断るのではなく相手から断ってもらおうとして、一緒に帰る為の条件を2人に提示した。


 この時間だと校舎内に部活以外で残っている生徒が少ないとはいえ、3人揃って正門から出るのは絶対に避けたいと思い、新校舎になってほとんど使われていない裏門からなら良いと言って、これなら断ってくれると思って提案したのだが、特に嫌がりもせずに即座に大丈夫と返事されてしまった。


 今は全く使われていない裏門は、道幅も狭く古くからの山道を蛇行するように降りる道だから、当然正門から家に帰るには遠回りになるのと、何よりほとんど誰も使わなくなってから手入れが行き届いていない道の為、薄暗く少し不気味に感じる道で帰るのを嫌がって断ると思ったのに思惑が外れてしまった。


 俺から条件を言って大丈夫だと言われてしまったので、他に反論することも出来ずに3人で裏門から帰ることになった。


 学校から裏門を通って帰る途中は共通の話題でゲームの話をしながら帰ったのだが、俺は自分の家に向かっているはずなのに全然二人と別れることがなかったので、何度か藤本(ふじもと)さんと立花(たちばな)さんに2人の家に帰る方向は合っているのか尋ねてしまった。


 結局は家に帰るまでに藤本(ふじもと)さんと立花(たちばな)さんの2人の家の前を通って、自分のアパートへと帰宅したのだが、2人の家までは俺が今住んでいるアパートから3分もかからないほど近くにあって、あまりの近さに驚くとともにこれからの苦労を考えると思わず顔が引きつってしまった。


 学校までの道を新しい正門を通る道で行くと確実に俺のアパートの前を通ることになるので、いつかは登下校時に出会うこともあったと思うが、まさか引越して初通学時に出会う事になるとはな。


 そんなことを思いながらアパートの玄関のカギを開けて家の中に入って、自分の部屋に入ると制服から運動着に着替えた後、いつもの日課をこなす為に鍵を閉めて外に出て行った。


2時間ほどで日課を終えてアパートに帰ってきてからシャワーで汗を流すと、部屋着に着替えて部屋に戻った後すぐに、ベットに横になってVR機器を取り付けたあとゲームを開始した。



 目が覚めると小屋のベットの上に横になっていて、今日の深夜にベットでログアウトしたときのままになっていた。ベットから体を起こして体に変化はないかを少し動かしながら確認をしてから、問題がないことを確認した後、リーナとミュウはログインしているのか見てみようとフレンド画面を見た。


 画面上では前見た時と違い名前が灰色の表示がされていたので、2人はまだこちらに来てはいないという事なのだろう。


 今日は何をしようか考えながら部屋のドアを開けて、小屋のリビングに向かった。


「おはようございます。シュウ様」


「おはよう。リン」


 リビングに行くとリンがいつものように立っていて、お辞儀とともに挨拶をしてきた。時間的にはもう6時前になるから夕方なんだけどな。そういえばリンにはこっちに来れる時間がいつなのかを言っていなかったな。


 もし俺がいない間に師匠(仮)が帰ってきたりして、俺がいなかったら色々と言われそうだから伝えておこうか。


「リン、俺がこっちに来れる大体の時間を伝えておくよ。リンもいつ俺が来るか分かっていた方が楽だろう。それに、師匠がまたリンの体を使って来ていた時に俺がいなかったら文句を言われそうだからな」


「シュウ様・・・・」


 リンが露骨にもう手遅れですって顔をしているんだが、まさか。


「えっ・・何、もしかして本当に来てたのか?」


「はい。本日の午前10時に依り代の術を使いこちらに来られました。シュウ様を探していたようですが見つけることが出来なかったので、かなり荒れているご様子で帰って行かれました」


 かなり荒れているか・・・その情報を聞くと当分は絶対に会いたくないと思ってしまうんだが、このまますれ違い続けるとさらに機嫌が悪くなるだろうから、会うことが出来る時間をリンに伝えておくか。


「・・・師匠もタイミングが悪いな。リン、次に師匠が来る時のためにここに来れる大体の時間を伝えておくけど、リンから師匠に伝えることは出来るか?」


「いえ、私からあの方にメッセージを送ることは出来ません。依り代の術中も意識はあるのですが伝えることは出来ません。ですが、次来られた時に分かるように紙に書置きをしておけば大丈夫だと思います」


「なるほど、分かったよ。じゃあ今リンに伝えておくから、また師匠が来たらメモで伝わるように頼む」


「かしこまりました」


「俺がこっちに来れるのは、月~金は17時以降が多いと思ってくれ。まれに朝から来れることもあるだろうけどほぼ17時以降だと思ってくれ。でも、木だけは早くても21時以降にしか来ることは出来ないと思う。土・日は朝から来れることが多いと思うけど、絶対ではないから確実に会うなら昼以降にとでも師匠の書置きには書いておいてくれ」


「はい。ではそのように記載いたします」


 本来だったら土日でも朝からこっちに来れるんだけど、今は姉さんが家にいるから部屋から出てこないでいると、勝手に部屋に入ってくると思うんだよな。ちゃんと部屋に入らないように言っておいてから、タイミングを見てこっちに来ないとだめそうだからな。


 それにしても、師匠は何か用事があったのだろうか?いや、そういえばあの時は何の説明もなくログアウトしたんだったな。あの時に何をしたのか聞きに来たってところかな。


 もしくはこの小屋に用事があったのかもしれないし、一応リンに何か言ってたか確認しておこうか。


「リン、師匠は来た時に何か言ってた?俺に関係ないことだったら別に言わなくてもいいけど」


「シュウ様の文句以外は特に言われてはなかったのですが、術を使ってここに戻ったのは魔術師の試練の事もあるようだったので、その準備をされておられました。ただ・・・」


 やっぱり文句は言ってたんだ。でもちゃんと師匠らしく試練の事も考えているんだな、ちょっと見直したな。けど、何だ?リンが言いにくそうにしているけどどうしたんだろうか。


「ただ、何?どうしたの?」


「いえ、その時によく言っていたのが「私が戻った時に試練を受けれないLv.だったら、どうなるか思い知らせてやる」とか「今度は制限を解除したクロちゃんと戦わせて倒してやる」などと言いながら笑っていましたので、次にあの方と会われるときはLv.5以上にはしておいた方が、色々言われなくて済むと思います」


 師匠(仮)・・・なんだかな、直接会ったことはないから容姿や性格は詳しく分からないけど、今までの態度を考えると何だか子供みたいな人だな。


 仕方ないな。色々言われない為にも今日中には最低でもLv.5までは上げておこうか。


 それにしても、やっぱりあの時の戦闘では全力ではなかったのかあの黒鎧(くろよろい)・・・。あの時の黒鎧は少しずつ強くなっていっていたからな。それに、あの黒い大剣も近くで見ると何か文字の様なものが刻まれていたから、ただの装飾でないのなら何か意味があると考えてた方がいいよな。


 あれが上限なら次にやりあうことがあっても、今度はあれ(Aカード)を使わなくても勝てると思っていたんだが、そんなに甘くはなかったか。


「ありがとう、リン。今日は街の外に出て少しでもLv.上げをしてくるよ。依頼の達成もしておきたいからね」


 システムメニューのアイコンをさわり、プロフィールを開いてクエストの確認をした。


~~~


受注している依頼


【ストダ】の村から北西にある丘の上にお墓があります。

そのお墓に依頼品を届けてください。

お墓へは(しるべ)の腕輪を使って下さい。(報酬品)


報酬

・10000ベル

・導の腕輪

・--の指輪

期日

・ーーー


~~~


 昨日は色々あっていけなかったからな。今日こそはたどり着きたいとは思っているんだが、依頼の目的地は森の中にあるはずだから、今から行って夜までにたどり着けるかどうか。


 そういえば、魔獣手帳によると夜はまた出てくる魔獣が違うはずだったな。夜の戦闘をする経験にはなるから別に夜になっても困ることは特にないから、今から街の外に出て深夜までLv.を上げるために戦ってもいいか・・・。


 いや、姉さんが帰ってくる時間には晩御飯を作る為にログアウトする必要があるんだった。寮暮らしだったなら・・・仕方ない依頼の目的地にたどり着けなくても一度街には戻って家の事を済ませて、それからログインしてまた街の外に出るしかないか。


 そういえば昨日はあれからステータスを見ることがなかったけど、エレファントバッファローの魔核を持っていたな。画面を開いたついでに、次のスキルのレベルアップまで大体いくつの魔核が必要なのかも確認しておくか。


 シュウはアイテム欄から魔核を選択して取り出すと、スキルのデッキを使用して手に持っていた魔核を使用した。ステータスのスキルポイントに0(4/12)と反映されていたので、やはり強く手ごわい魔獣ほどポイントが多くもらえるのは間違いないようだ。


 今まで倒してもらえたポイントは、師匠が召喚した鎧(5p)・エレファントバッファロー(4p)・ハンターウルフ(2p)・ホーンラビット(1p)だったからな。昼の草原ではシーフホークからはまだ魔核を入手してはいないから正確な事は分からないが、今まで戦った魔獣の強さや厄介さを考えても黒鎧やエレファントバッファロー、ハンターウルフよりは強くはないから、シーフバードは多分(1p)だろう。


 思い返してみると、ハンターウルフやホーンラビットから魔核が入手できた時は群れのリーダー格からだったから、魔獣の個体差で一定の強さがある奴からしか取れないのかもしれない。シーフホークは1羽しか倒せていないけど、群れで冒険者を襲う場合があると手帳には書かれていたから、群れのリーダーになれる強さがある奴なら落とす可能性は高そうだな。時間があればいろいろと確かめてはみたいところだが、今は依頼が優先だな。


 しかし、仮説の前提で進めると次のスキルのレベルアップを効率的にする為には、草原ではハンターウルフかエレファントバッファローを狩るしかないわけか。ハンターウルフはまだ大丈夫なんだが、エレファントバッファローはあの耐久力と凶暴化の可能性を考えると、今の【ソード】から出てくる鉄製で出来た武器と効果時間ではエレファントバッファローを安全に倒すには手札が足りなくなると思うんだよな。あの時はAカードを使って倒したけど、それまでにリーナがダメージを与えていた分もあるから余計に厳しいな。


 多分だけどAカードの条件は(・・・)分かったから使えるだろうけど、正直あのカードはあまり使いたくはないんだよな。安全に狩る為にもスキルを進化させて、動きを考えてもっと戦えるようにならないといけないな。もっと動きを洗練していけば、Aカードが無くても勝てる算段はあるからな。


 その為にも、Lv.UPの為に魔核を沢山集めないといけないな。



~~~

★スキル


●デッキ(タロット) Lv.1 0/3

●スプレッド・フォーカード(展開法) Lv.2 0/2

●トリック(手品) Lv.1 0/1

 ①チェンジ

●---

●---

●---


SP(スキルポイント) 0(4/12)


~~~



 ステータス画面のスキル欄をレベルとスキルポイントの項目だけを流し見て確認した後。


「それじゃあ、行ってくるよ」


「いってらっしゃいませ」


 シュウはリンに声をかけてから鍵を使い、小屋の扉を通って街へと出かけて行った。




お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ