高校生活(生徒会室②)
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高校のお昼休み、藤本さんの事で相談をするために生徒会室に集まった3人は、愁の隣に座っている姉の葵生徒会長を加えてお昼ご飯を食べながら、高校に入学してから今までの橘木に関することを聞いていた。
「そうすると、入学式からこの2か月間は橘木君達は藤本さんに会うために、教室まで押しかけてたりして下校時や登校時にも、何度も偶然を装って近づいてきて話しかけていたりしているのね」
「はい。最近ではお昼休みにどこに行っても数日後には見つかるようになってしまって、学校の中では逃げて振り切ることも出来なかったから、どうすることも出来ない状態になっていたんです」
姉さんと藤本さんが話をしているのを弁当を食べながら聞いていたのだが、俺があの時旧校舎の裏庭で会った時以外にも、橘木は藤本さんに結構付きまとって迷惑をかけていたらしい。
俺は藤本さん達が教室に来た時の橘木の様子した知らないけど、いつもあんな調子来られていたとすると鬱陶しくて仕方ないだろう。俺なら確実に二度と付きまとわれないようにするけど、よく藤本さんは耐えられているな。
それに最近ではすぐに見つかるようになっているのは、それって多分あのくだらないランキングのせいもあるんじゃないか?純が言っていた事が事実なら、上級生がやっている今年の新入生彼女にしたいランキングで1位が藤本さんだったから、同級生だけじゃなくて上級生も藤本さんを見かけたら記憶に残りやすいだろう。あの3人組が適当にでも行き先を聞けば藤本さんの場所が分かりやすくなって、だから最近になってすぐに見つかるようになったんじゃないのか。
「そっか、それで最近は藤本さんは立花さんに迷惑が掛からないように、一人でいろんなところに逃げるようにして、お昼を食べるしかなかったのね」
「はい・・・・・」
なるほど、それであの時も一人で旧校舎の裏庭なんかにいたのか。新入生だと俺とか純以外にあんなところにはいかないだろうからな。俺は3人より早く弁当を食べ終わったので片付けると、姉さんと藤本さんの会話を聞きながら、前からなぜこんな人通りの少ないところにいたのだろうと思っていたことの真相を聞けて一人で納得していた。
正直なところ生徒会室には連れてきたし顔合わせも済んだので、早く生徒会室を出ていきたかったのだが、一応姉さんがどんな結論を出すのか最後まで聞くべきかとも思ったので、おとなしく話を聞くだけに徹した。
実際、俺自身が藤本さんの問題を解決できるとは思えないし、下手に関わるとさっきの教室であったみたいにあいつらが絡んで来たら面倒だからな。
姉さんは藤本さんの話を聞いて少しの間、目をつぶって考えていたけどどうするか決まったようで、藤本さんをまっすぐに見て考えた結論を言った。
「・・・・よし!そういう事なら私が出来る範囲で協力してあげるわ」
「本当ですか!ありがとうございます」
「ありがとうなの」
藤本さんはよほどうれしかったのか椅子から立ち上がって何度も礼をしながら感謝していた。立花さんも姉さんの協力すると言った事に心の底から安心したようで両手を胸に感謝をしていた。
とりあえず姉さんは協力してくれるみたいだな。姉さんが藤本さんをどう助けるのかは分からないけど、後は3人で話してもらうとして、もう俺がここに残る必要はないだろう。
生徒会室の時計を見るとまだ昼休みの時間は十分残っていそうだから、いつもみたいに旧校舎の自販機の所に行ってコーヒーでも飲みながら昼休みを過ごして、昼休みが終わるぎりぎりに教室に戻るとしようか。
いま教室に戻ると色々聞かれて面倒な事になるのは目に見えているからな。
純の奴がいたらきっと「それは、面倒ごとの先延ばしに過ぎないよ」とか言ってきそうだ・・・実際その通りなんだけど。それにしても、あいつが余計なことを言ったせいでさらに注目を集めるようになった事はいつか絶対に仕返しをしてやるからな。
「愁、隣でなに百面相してるのよ」
「え、いや。何でもないよ。それより姉さんが協力してくれて良かったよ。それじゃあ後は姉さんに任して、俺はこの辺りで失礼するよ」
席を立とうとしたときに姉さんに呼び止められた。
「ちょっと待ちなさい。愁」
「なに?姉さん」
「今から旧校舎の自販機の所に行くんでしょ?一休みしてからでいいから、私たちの分の飲み物も買ってきてくれない?」
「えっ・・・」
「はい、これで買ってきて。それと、戻ってきたときに伝えることがあるかもしれないから必ず戻ってくるのよ。藤本さんと立花さんは何の飲み物がいいかしら?」
姉さんは俺に千円札を渡すと2人に何が飲みたいかを聞いて、始めは申し訳ないと断っていた2人も姉さんに押し切られるようにして、遠慮がちに飲みたいものを姉さんに答えていた。
あれ?俺まだ買ってくるとは答えてないはずだけど、もう既に俺が買ってくることが前提で話が進んでいる。それになんで、姉さんは俺がいつも旧校舎の自販機に買いに行っていること知っているんだ?今まで一度もあの場所で出会った事なんてなかったはずなのに・・・・
俺が戸惑っている間にも話は進み、俺に買ってくる飲み物の注文をして俺を送り出すように背中を押されて生徒会室の外に追い出された。
「それじゃあ、藤本さんと立花さんには果汁100%のジュースを、私にはあなたがいつも飲んでいるコーヒーでいいから、お願いね」
「え・・ああ・・・」
「愁、ありがとう。え~と、よろしくね」
「真城君、ありがとうなの」
釈然としないながらも2人にお礼を言われながら生徒会室を出ると、旧校舎に向かって歩きだした。
なんだか今日は俺が思った通りには事が進まないなと歩きながら思った。
まてよ・・・・・あれ、でも、俺が思った通りには全く一つたりとも進んでないけど・・・今日の朝に俺が藤本さん達に言った通りには全てなっている気がする。純にはパンを買うことになって、姉さんには頼みごとをされて、あと他にも何か言ったような気がするけど・・・なんだったかな。
う~ん、まあいいか。昼休みは残り30分もないから、早く行って少しでもゆっくりできる時間を多くとりたい。そう思うと、いつもより急いで旧校舎の自販機に向かった。
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生徒会室に残った3人は、まだお弁当を食べながら楽しそうに会話を続けていた。
「葵先輩のお弁当って手作り何ですか?とても美味しそうですね」
「ふふ、そうよ。2人ともちょっと食べてみる?カレーピラフとオムレツがお勧めよ」
葵は愁にしか分からない事ではあったが、一見にこやかな笑顔に見えるけど少し悪だくみをしている声で、藤本さんと立花さんにお弁当を勧めた。
愁が今日作ったお弁当の中身は、昨日のカレーを使って作ったカレーピラフをメインにオムレツ、プチトマト、ゆでたブロッコリー、ポテトサラダをブロックごとに詰めたものである。
2人はオムレツとカレーピラフを少しずつ箸で取って食べると、とても驚いた顔をした。
「わあ、とてもおいしいですね。カレーピラフなんてカレーの味がしっかりついていてすごく美味しいです」
「オムレツもふわふわでとっても美味しいの」
「そう、よかったわ。愁が聞いたらとても喜ぶでしょうね」
「「えっ‼」」
葵は2人がさっきとは別の意味で驚いた顔を見ると満足して、勘違いしているであろうことを話してあげた。
「このお弁当は愁が作ったのよ。愁は自分の分をすぐに食べちゃったから気づかなかったかもしれないけど、量は違っていただけで全く同じ内容のお弁当が並んでいたのよ?」
「私は、全然気が付かなかったです」
「私は気づいていたの。でも、葵先輩が作ったのかと思っていたの」
「美羽気づいてたの?あれ?でも何で愁が葵先輩のお弁当を?愁って寮生だから食堂で日替わり定食を食べれるはず・・・・・そういえば、なんで今朝はあの道にいたんだろう?」
「理奈・・・さすがに、朝の事をいま気づくのは遅すぎなの。どれだけ朝の事が嬉しかったの」
理奈がお弁当の件で疑問に思った時に、ようやく朝に愁に出会った事がおかしな事であることを理解して、理奈がいま気がついたあまりの遅さに美羽は呆れた声で答えていた。
「愁は二人には話してはなかったのね。愁は先週の土曜日に学生寮から高校の近くのアパートに引越したのよ。私と愁との2人暮らしね」
「えっ!そうだったんですか!?」
理奈は驚いた声をあげたが、表情は笑顔で嬉しそうだった。
「理奈、よかったの。あの道で会えるなら理奈も通学路だから、毎日会うことが出来るの」
「ちょっ、ちょっと美羽!。葵先輩の前なのに」
理奈は照れながら美羽をこれ以上言わないように手で口を押えたが、愁の姉弟である葵先輩に聞かれたのは間違いないので、葵先輩の顔を窺うとさっきまで笑顔で話していたのだが少し真剣な顔になった。
「ねえ、藤本さん」
「は、はい」
「さっき部屋の前で見た時から思っていたけど、藤本さんは愁と付き合ってるの?」
「い、いえ、付き合ってはいません」
「立花さんはどうなの?愁との関係は?」
「まだ知り合いぐらいの友達です」
「そう。なら、藤本さんに聞くわ。藤本さんは愁の事が好きなの?」
「それは、・・・・」
理奈は葵が見つめているなかで言いよどんでいたのだが、理奈は葵を正面から見て何かを決意したのか葵の目を見つめ返しながら答えた。
「私は、真城 愁くんの事を好きなのか私自身よく分かっていません。私は男の子と付き合ったこともなくて、好きだと思える人に出会ったこともないです。・・・でも、愁に助けてもらってから愁の事は気になっていて、何だかみんなとどこか違っているように感じて・・・・それに、愁と出会った時から時々見せる寂しくて悲しい顔を見ると心が痛くなるんです」
「・・・・・・」
「私は今まであんな表情をした人を見たことがなくて、なぜか・・・このままだと、いつか、突然に愁が1人でどこかに消えてしまう様な気がするんです。自分でもよく分からないんですけど、でも、何故かそんな気がするから、どうしてもほおっておくことが出来なくて・・・私の面倒ごとに愁を巻き込んでいるのも分かっているんです。だけど・・・・」
生徒会室で理奈の愁に感じている思いを乗せた言葉で話された中、葵は理奈を見極めるように見ていた。
愁に感じていた思いを告げていた理奈の言葉が出てこなくなり、言葉にならない言葉を伝えようと理奈が少し涙ぐんで話そうとしたときに葵は声をかけた。
「・・・もういいわよ。藤本さん」
葵は下を向きながら小さく何かを呟いた後に顔を上げて、笑顔になって藤本さんに話しかけた。
「とりあえず、藤本さんは大丈夫かな」
「えっ、大丈夫?」
理奈は戸惑いの声をあげて葵を見た。
「藤本さんなら愁ともっと仲良くなっても大丈夫かなと思っただけよ。本来は私が愁の事で口出しする権利なんかないんだけど、愁はちょっと普通じゃない体験をしているからね」
「普通じゃない、体験ですか?」
「そう、多分藤本さんが感じている愁の核心となる部分。愁の人生を変えた出来事・・・・・・この先は私から言う事は出来ないわ」
「・・・・・・」
「だけど、藤本さんが愁について話してくれたことを聞いて、今の愁を見て普通の高校生と違っていると感じる藤本さんなら、もしかしたら上手く愁と付き合っていってくれそうだと思えたのよ。だから、さっき私が言った事を聞いても考えが変わらないなら、私の方からお願いするわ。友達のままでもいいから愁と仲良くしてほしいの。もちろん立花さんもよ」
「も、もちろんです」
理奈はすぐに返事をしたが、美羽は少し不安そうに葵に尋ねた。
「でも、私は今の真城くんに違和感は持ってなかったの。それでもいいのですか?」
「大丈夫よ。立花さんに対する愁の反応が嫌なものじゃないことぐらいわかるもの。それに、生徒会室に来るときに腕を掴んでいたでしょ?愁が嫌がる相手なら触れる事すらさせないはずだから、今のままでもいいから愁の友達でいてほしいの」
葵は美羽を安心させるように笑顔で話すと、美羽も納得して返事とともに頷いた。
「わかりました」
「二人ともありがとね。・・・それと、もし好きになったなら友達を超えて恋人になってくれてもいいからね?」
「「っ・・・・」」
葵は二人にお礼を言った後、今までの真剣な雰囲気を吹き飛ばすように唐突に言葉と付け加えた。二人はお弁当を再び食べ始めていたので危うく食べ物がのどに詰まりそうになっていた。
「あはは、ごめんなさいね」
葵は謝りながら生徒会室にある小型の冷蔵庫からお茶を取り出すと紙コップに注いだ。二人はお茶を飲み干すと大きく息を吐いてから、お茶のお礼を言った後に上目遣いで睨むように葵を見た。
「ごめんなさいね。まさかそこまで驚くとは思わなかったから」
「い、いえ、あまりにも急な話だったので」
「びっくりしたの」
「(私はあり得ると思っているけどね)それじゃあ今日集まってもらった本題の藤本さんの問題を解決しましょうか」
「えっ。あっはい」
理奈は葵が小声で何かを言った事が聞こえなかったのが気になったが、今日生徒会室に来た理由の事を話すと言われて聞き返すことはなかった。
「まずは、藤本さんの問題を解決するうえで聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「はい、いいです」
「大丈夫です」
「よし。じゃあ、藤本さんと立花さんはもう何かの部活に入ってる?入る予定がある?」
「今がこの状況なので、今は部活に入る予定はありません」
「理奈の問題が解決したら一度は二人で文化部を見て回りたいと思っています」
「そっか、やっぱり今の藤本さんの状況だと部活は入りにくいわよね」
「はい、一度部活の体験入部に参加すると橘木君が部活の事を何度も聞いてくるから怖くなって、それ以来部活棟には行っていません」
「確実に同じ部活に入ろうとしているの」
「今までの橘木君の話を聞くと間違いなくそうでしょうね。その話を聞いた後だと女子だけしかいない部活に入ってもあまり意味はなさそうね。男子禁制の部活なんてうちには無いから入ろうと思えば入れちゃうし、先生を頼れないってのも厄介よね。う~ん・・・・」
葵は少しの間悩んだ後、全ての問題を解決することは出来ないと思い、申し訳なさそうにしながら愁から聞いた時から考えていた案を2人に話すことにした。
「今のところ完全な解決は難しいかな」
「そうですか・・・」
「でも、お昼や放課後だけでもいいならどうにかできると思う」
「ほ、本当ですか!」
「ぜひ、お願いなの」
「え~とね。ただ、条件があって藤本さんと立花さんに生徒会のお手伝いをしてもらわないといけないけど、それでもいいなら藤本さんの問題が解決するまでこの生徒会室を自由に使ってもいいわよ」
「えっでも、上手く生徒会の仕事を手伝えるか分からないです。葵さんの仕事の邪魔になると迷惑ですし、葵さんだけにそんな迷惑をかけるわけには・・・」
「大丈夫よ。生徒会の手伝いと言っても書類整理ぐらいだから、それに困っている生徒がいるのに助けないのは生徒代表としてダメでしょ?」
「だ、だけど、・・・」
「本当のことを言うと、いま生徒会は私1人しかいないから簡単な書類整理をしながら私の話し相手に付き合ってくれる子がいるだけでもうれしいのよね」
「え!いま生徒会は1人だけなんですか?」
「そうよ。3年生が抜けた時には私の他にもいたんだけど、ちょっと色々あったから全員辞めさせたの」
葵は簡単に2人に事情を説明した。
3年生が抜けた後には同級生の2人の男子生徒がいたのだが、2人とも葵の事が好きだったために葵にバレないようによく言い争いをするようになったのである。3年生がいた時はそこまで問題にならなかったのだが、3年生が抜けた後はタガが外れたように言い争いが多くなり、初めは気づかなかった葵も生徒会室の空気が日を追うごとに悪くなっていくのを感じ取った為に、このままだと生徒会の仕事に大きな間違いが起こると思った葵が先生を巻き込んで2人を生徒会から追い出したのだ。
「えっと、それなら、よろしくお願いします。生徒会のお手伝いは早く覚えて葵さんの役に立てるようにも努力します」
「わたしも、生徒会のお手伝いがんばります」
「なら決まりね。今はまだ生徒会で手伝ってもらうことはないけど、2人ならいつでも訪ねてきていいからね」
「分かりました。・・・あっそれなら、今日の放課後に愁には何か生徒会の用事を頼んでいるんですよね?それを私も手伝います!」
「・・・?」
理奈が言った事が分からなかった葵が首をひねっていると、美羽が小声で理奈に話しかけた。
「あー、理奈。それは言わない方が良かったかもなの」
「えっどうして?愁は力仕事だから手伝わなくてもいいとはいっていたけど、正式に生徒会の手伝いをすることになるんだったら、力仕事でも手伝えることがあるはずだよ」
「藤本さん?愁がそう言っていたの?」
「はい、朝に通学路で愁と話していた時に聞きました」
「へ~そう。・・・・そっか、なるほど」
葵は何かを考えて導き出した結論に納得して、ニヤッと一瞬だけ笑うと元の笑顔に戻った。
「そうね、放課後に生徒会室に寄ってもらってもいいかしら?」
「はい、分かりました」
「真城くん、恨むならあんなうそをついた自分を恨むの」
それからは、3人でお互いの事を話しながらお昼を食べて、食べ終わった後も仲良く話しながら愁が帰ってくるのを待っていた。そして、昼休みが終わる10数分前に愁が飲み物を買って生徒会室に戻ってきた。
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生徒会室に入って頼まれていたジュースを机に置いていると、部屋の空気が俺が出て行った時より楽しそうな雰囲気となっている事に気がついた。
え~と、何かなこの雰囲気は藤本さんの問題が解決したかは分からないけど良い方向の話になったんだろう事は分かるけど、3人から向けられる視線が三者三様なのが気になる。藤本さんは感謝と嬉しさ含まれているんだが、立花さんは何故か感謝と哀れみの視線が含まれているし、姉さんは・・・違和感がある。あの姉さんが純粋に感謝だけを伝えてきた。
話があるから席には座ったけど何故か居心地が悪くなってきたので退出しようと考えていると、午後の授業が始まる10分前のチャイムが鳴った。藤本さんと立花さんは姉さんにお礼を言ってからお弁当の包みを持って立ち上がると先に教室に帰ることを伝えて部屋を出て行った。俺は座っていた姉さんから藤本さんの事で話して決まった事を簡潔に伝えてくれた。
「愁、藤本さんと立花さんは生徒会のお手伝いをしてもらう代わりに、今度からお昼休みにこの生徒会室に集まってお昼ご飯を一緒に食べることになったからね」
「そうなんだ。確かにここならお昼はゆっくり食べることは出来そうだな」
「それと、愁って今日私の仕事を手伝ってくれるんだってね?」
「は?なんで俺が姉さんの仕事を手伝うんだ?」
「あら、藤本さんが言っていたわよ。愁が朝の通学中に生徒会の仕事を手伝わないといけないって、嬉しいわね。まさか愁が進んで私の仕事を手伝ってくれるなんて」
「あっ・・・、いや、それは、その~」
「とりあえず、今日の放課後に生徒会室に来なさいね。ほら今は急がないと午後の授業に遅れるわ」
姉さんそういうと俺を廊下に押し出しながら部屋を出て、生徒会室に鍵を閉めると俺を見ることなく自分の教室に向かって歩いて行った。
何故そうなったのかの考えて朝の自分の一発殴りたい衝動に駆られていると、後ろの職員室の扉が開いた音がした。
そして、職員室から出てきた誰かが俺の横に並んだ時に俺の顔を見ると、何故か声をかけられた。
「真城か?こんなところで何やってるんだ?まあいい、ちょうどよかった。真城これ午後の授業で使うから教室までもっていってくれないか。二回に分けて持っていこうと思ったんだがちょうどよかった」
俺のクラスの午後の授業の先生はそういうと、俺に教材を渡して再び職員室に戻ってから両手に荷物を持って戻ってきた。
「いや~助かったよ。この学校は日直がいないから、時々授業で使うものが多くあるときだけ大変なんだよな」
仕方なく先生についていき、先生からの話を適当に受け答えしながら、これではまるで日直みたいじゃないかと思いながら教室に向かっていった。
今朝に愁が言ったことが全て現実になった瞬間でもあった。
お読みいただきありがとうございます。




