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剣と魔法のセカンドワールド  作者: K.T
第二話 偶然の再会
25/76

街の外 草原の魔獣



 冒険者ギルドを出た後、北の大通りを進み街の外に出る大門の手前まで来ていた。


 大門を出る時に、門の出入り口に2人立っていた兵士のような格好をした男の1人が、目の前を遮るようにして前に立つと身分証の提示を求められた。


「門を出る際に身分の確認と街を出る目的の確認させていただきます。ギルドカードまたはこの街に来たときの仮身分証をお持ちでしたらご提示下さい」


「わかりました」


 街を出るだけなのに結構詳しく聞くんだなと思ったが、他の街から出る人にも同じようにして聞いていたので、ギルドカードを見せながら街を出る目的を伝えた。


 兵士にギルドカードを見せると、兵士が魔道具のようなものでギルドカードを確認している間に街を出る目的も伝えると、兵士の確認が終わって手に持っていた紙に記入しおわると、通ってもいいと言って兵士は横によけて次の人に対応しにいった。


 大門から出ると、北の鉱山へと続くのだろう踏み鳴らされた道と草木がまばらに生えた草原が広がり、遠くには連なる山と依頼の目的の方向には地図にあった通りの森が見えた。


「北西にある森まで結構な距離があるな。となると、森に行くまでに何度かはこの草原で戦うことが出来そうだな。冒険者ギルドで魔獣手帳をもらったから、一応この北の草原ではどんな魔獣が出るかを確認しておくか」


 早速、冒険者ギルドで貰った魔獣手帳を見てどんな魔獣がいるのかを確認してみた。



〜〜〜

【オノコロ】街周辺の草原・ (日中)


●ホーンラビット

 特徴…大きな耳と額に角があるのが特徴

 比較的おとなしい魔獣

 危機が迫ると基本は逃げる

 繁殖期に縄張りに近づくと頭にある(ツノ)角を使って襲いかかってくる

 オスの方が角が大きく長い。


大きさ 30cm〜50cm

(角の大きさ・オス♂…10cm、メス♀…5cm)


◆分類

 小型

 草食


◆取得物(素材)

 皮・肉(食用可)・角


★メモ

 肉は臭味もなく美味い



●ハンターウルフ

 特徴…3〜5匹の群れを作る

 草原を周回しながら狩りをしている。

 非常に頭のいい魔物で見定めた獲物を追い込み鋭い牙や爪で急所へと襲いかかる。

 繁殖期はより活発に狩りを行う。

 より賢く強い者が群れの長となる。


大きさ 100cm〜160cm


◆分類

 小型

 肉食


◆取得物(素材)

 毛皮・牙・爪・(肉)


★メモ

 食えなくもない



●シーフホーク

 特徴…草原の上空を旋回しながら獲物を見つけ襲いかかる。

 基本は一羽で行動している

 数が増え群れを作ると大型の獲物や冒険者を襲う事がある。

 夜にも狩りを行うことがあり、まれに野宿中の冒険者や商人の荷物を奪い去ることがある。


大きさ 120cm〜170cm


◆分類

 小型

 肉食


◆取得物(素材)

 羽・爪・(肉)


★メモ

 手羽先の部分は美味かった



●エレファントバッファロー

 特徴…口の横に生えた二本の角と大きな体。

 普段は縄張り内の餌を食べた後は寝ている事が多い。

 遠くから見ている限りは危険はないが、自身のナワバリ内に入ったら自身が見失うまでは何処までも追いかけて襲いかかってくる。

 繁殖期のみ2頭で行動する姿が見られる。

 戦闘により追い詰められた時に稀に凶暴化する個体がいる事がある。

(原因は解明されておらず他の魔物にも凶暴化が起こることがある為、原因の解明が急がれている)


大きさ 700cm〜1200cm(7m~12m)


◆分類

 中型

 草食の魔物


◆取得物(素材)

 角・肉・皮・ミルク(雌)


★メモ

 肉が硬くて噛み切るのに苦労はするが不味くはない


〜〜〜



 草原の主な魔獣はこの4種類か。周りを見る限りは魔獣手帳に書いている魔獣の姿はないな。草原にいる魔獣の中で一番大きなエレファントバッファローが見えないとなると、見える範囲にはいない可能性が高いから、まずは戦いやすそうなホーンラビットかハンターウルフ辺りとは一度は戦っておきたいな。ここから森に入るまでに距離があるからどちらかは見つけることが出来るだろう。


 それにしても、手帳のメモの部分はなぜ味の感想を書いているんだ?そこだけ手書きで書いてあるからおそらくはあのギルド職員が書き込んだものだと思うんだが・・・まあいいか。


 とりあえず、いつでも戦えるようにスキルで武器の用意はしておくか。


「『デッキ』・・・ん?これは・・・・」


 スキルを唱えると前と同じようにカードの束が現れたが、1枚だけ束から外れて絵柄の前に×が表示されていた。使用不可と書かれているカードを見てみると、ソードのAのカードが使えなくなっているようで、クールタイム3時間43分と表示されていた。


 強力なカードゆえに連続で使用はできないという事か。そして前に使ってからの時間と残りのクールタイムを考えると、一度使うと6時間はソードのAを使用することが出来ないという事になるな。おそらく、ペンタクルのAのカードも同じ仕様になっているんだろう。

 この情報は今知ることが出来てよかったな。あまり使いたくはないカードではあるが、いざという時に切り札があるのとないのとでは出来ることが大きく変わってくる事もあるかもしれないからな。


 となると、今日は草原と森の魔物と戦って何処まで戦えるか確認するぐらいで街に引き返したほうがいいか。まだスキルの効果がどのようなものか分かってないペンタクルのカードもあるから、それも確かめておかないといけないからな。


「じゃあまずは、森を目指しながら草原の魔物と戦って行くか。『スプレッド・スリーカード』」


 現れたカードの内容を見て問題なさそうなのを確認した後、北へと続く道から外れて北西の森の方向に歩き出した。


 道から離れるほど草が高くなるようで、しばらくは膝から腰ほどがまばらに生える草原の中を進んでいると、自分が発した音ではない音が周りから聴こえてきたのに気が付いた。不自然にならないように歩きながら周りの気配を探っていると、何かに後をつけられている事が分かったので戦闘になる可能性を考えて、『スプレッド』を唱えて一枚のカードを手に持つと前方(・・)を警戒するようにして立ち止まった。立ち止まったその瞬間に前方の草むらから何かが迫ってくる音と後ろ(・・)から襲いかかってくる気配を捉えた。


 即座にカードを実体化させながら素早くしゃがむと、首の急所めがけて口を開けながら噛み付こうとしてくるハンターウルフが体の上を通り過ぎるのを視界の隅に捉えると下から突き上げるようにして【ソード Ⅳ(槍)】の槍を使って心臓の位置を突き刺した。

 ハンターウルフは槍が運よく(・・・)心臓に刺さった事により絶命したようで、飛びかかってきた勢いの慣性を使いハンターウルフを投げるようにして槍を引き抜くと、ハンターウルフは前方の草原の草むらの中に落ちていった。


 そして屈んでいた体勢のまま前を見ると、さらに2匹のハンターウルフが草むらから姿を現していた。


 2匹のハンターウルフは素早く左右に別れると、今度は2匹同時にタイミングを合わせて足と頭めがけて飛びかかってきた。


 ただ、ハンターウルフが飛びかかってきた時にはシュウの体はそこにはなく、屈んでいた体勢から勢いよく空中へと飛びあがっていた。


 そして、飛びかかってきていたハンターウルフの体が2匹重なる時に、飛んだ時から下に向けて照準をつけていた槍で全体重をかけて2匹同時に突き刺した。


その後は2匹を突き刺した槍から素早く離れて様子を見ていると、少しの間ハンターウルフは動いていたが、やがて動かなくなり死亡したのを確認してから槍を消した後にハンターウルフに触れると、ハンターウルフを倒した素材が手に入った。


 そして、3匹分の素材を回収すると毛皮3枚、牙6本、爪6個を手に入れることが出来た。


「魔獣の素材が触れるだけで手に入るのは楽でいいな。それにしても、手帳を見た時から思ってはいたけど名前通りの魔獣なんだな。仲間がわざと前方への注意をひいて、気を取られている間に気配を殺して背後からの奇襲で襲いかかるとか、名前通りのハンターのようだな」


 手帳の情報で、群れで行動する事を知らなかったら怪我の一つでもすることになっていたかも知れない。あのギルド職員には感謝しないといけないな。

 しかし手帳の名前や特徴からある程度分かっていたとはいえ、実際対応するとまだまだ甘いところがあるようだから、草原の魔獣は一通りは戦っておいたほうがいいかも知れない。実際に体感しておかないと想像外の事が起こった時に対応できなくなると困るからな。


「よし、少し寄り道して他の草原の魔物を探すか」





「これくらいでいいだろ。でも、10以上狩ったんだが魔核は2つしか落とさなかったな。全ての魔物が落とす訳ではないのか」


 あの後、ホーンラビット4体(一体Exp3・魔核1P)・ハンターウルフ7体(一体Exp7・魔核2P)・シーフホーク1体(一体Exp4)と戦ってから森の手前まで来ていた。


 しかし、仕留めたホーンラビットをシーフホークが横取りしようとするとはな。ホーンラビットを1匹仕留めたあたりから頭上を飛んでいたから気になってはいたが、1羽では襲いかかってくる事がないのかと思って少し油断していた。途中で狙いが分かり急降下してくるところを狙って仕留める事が出来たけど、気づかなければ狩った獲物を取られていたな、本当に仕留めた後も手に入れるまでは油断できないな。


 それに、使えていなかったワンドのカードもある程度使うことが出来て効果が分かったからより戦えるようにはなったし、魔核を2つ使った事によってスキルポイント 1(0/10)が貯まったからスキルのどちらか一つはレベルを上げることが出来る。


 さて、どっちを上げるべきか。ステータス画面を開きスキルの項目を見ると、レベルを上げた時の内容が分かるようになっていたので、2つのスキルを確認してどっちを上げるべきか考えた。


「・・・上げるならまずはこっちだな」


 レベルを上げた事によりスキルに追加された説明を改めて見てから、ステータス画面を閉じた。


「これで、さっきまでよりもすこしは戦いやすくなるな」


 さて、これから入る森の中だと視界も悪くなって死角も増えるから、より気を引き締めていかないといけないな。


 そして、改めて気を引き締めるために一度ふかく深呼吸してからいざ森に入ろうとした時に、後ろから小さく悲鳴が聞こえた。



―――――

★魔術師 Lv.3 次のLv.まで 6/100%

●デッキ(ソード・ワンド)

●スプレッド・スリーカード → ???

●トリック

 ①チェンジ

●---

●---

●---

SPスキルポイント 0(0/12)

―――――

お読みいただきありがとうございます。

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