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剣と魔法のセカンドワールド  作者: K.T
1章 新たな世界 第一話 不思議な導き
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魔術師スキル



 ステータス(status)にてロールとスキルを確認できたあと、初めてのスキルを試してみようという事で小屋の外へ出た。


 外へ出て疑問に思ったので空を見ると、小屋に入った時には外は夜の星空が広がっていたのに、今は外が明るくなり澄み切った青い空が広がっていた。


「え~っと、さっきまで夜だったと思うんですが、いつの間にこんなに明るくなっていたんですか」


 前を歩く師匠(仮)に空を見ながら聞くと、振り返りもせずに当たり前のように答えた。


「今さっき明るくしたのよ。スキルを使うのに夜で暗いと見えにくいでしょ」


 いつの間に・・・それにしても自由に空を操作できるのか。一瞬朝になるまで時間が経ったのかと考えてしまったから、魔法がある世界というを忘れていた。まあそのことは教えてもらえるならあとで詳しく聞くとして、師匠(仮)に案内されるがまま小屋の裏手に行くと、半径8mほどの大きさの円形の周りを木の柵で囲まれている場所があった。


「ここならよほどのことがない限り大丈夫だから、ここでスキルを試してみなさいよ」


「わかりました」


 柵に囲まれた中に入り、スキルを使おうとしたところでふと気が付いた。


「ところで、スキルってどうやって使うんですか?」


「あ~そういえば、貴方は違うところから来たんだったわね。とりあえず、今はスキル名を声に出してスキルを使用してみなさい」


「なるほど。それでは改めて、『デッキ』」


 スキルを唱えてみると、光と共に目の前に模様の入ったカードの束が現れた。カードに触れると10枚づつAから10までの数字が二段で横並びに並べられた。カードを手で触れると手に取ることが出来たので、一枚ずつ順に詳しく見ていくことにした。


ーーーーー


ソードの絵柄


A ・・・左上と右下にAの文字がある真っ白なカード

Ⅱ ・・・片手剣が描かれたカード

Ⅲ ・・・大剣が描かれたカード

Ⅳ ・・・槍が描かれたカード

Ⅴ ・・・刀が描かれたカード

Ⅵ ・・・大太刀が描かれたカード

Ⅶ ・・・薙刀が描かれたカード

Ⅷ ・・・短剣が描かれたカード

Ⅸ ・・・大鎌が描かれたカード

Ⅹ ・・・大斧が描かれたカード



ワンドの絵柄


A ・・・左上と右下にAの文字がある真っ白なカード

Ⅱ ・・・火の絵が描かれたカード

Ⅲ ・・・水の絵が描かれたカード

Ⅳ ・・・風の絵が描かれたカード

Ⅴ ・・・土の絵が描かれたカード

Ⅵ ・・・木の絵が描かれたカード

Ⅶ ・・・雷の絵が描かれたカード

Ⅷ ・・・氷の絵が掛かれたカード

Ⅸ ・・・闇の絵が描かれたカード

Ⅹ ・・・光の絵が描かれたカード


ーーーーー


 なるほど、ステータスのスキルの詳細ではソードで近接攻撃が出来て、ペンタクルのカードで魔術が使えると書いてあったけどこういう事だったのか。おそらくだけど、絵柄に書かれている武器や属性がそのカードの効果を表しているんだろう。


 でも、自分があの魔術の根源を作った時に思ったタロットやトランプのカードの事をイメージして作られたスキルなら、絵柄や枚数がずいぶん足りないな。トランプの絵柄は4種類あるはずだし、1つの絵柄の枚数もトランプはJジャックQクイーンKキングがあるのに加えJOKERジョーカーもある。タロットは詳しくは知らないから分からないけど、たしか大アルカナと小アルカナとか別れていて1つの絵柄の枚数がトランプとは違っていたはずだけど、どちらにも当てはまっていないのはあの時に両方考えてごちゃ混ぜになっていた為なのか。それともLvが上がると何か変化したりするのだろうか。


 疑問に思いつつ手に取って調べるうちに気が付いたことは、カードの裏面は装飾された絵柄なっているのと、表面は数字と絵になっている以外の特徴はなかった。


 後でタロットカードの事はログアウトしたときに調べておこうと思って師匠の方を見ると、自分がスキルを唱えた後に近くまで来てカードを見に来ていた師匠(仮)が、興味深そうにしながら急かすように他のスキルも使うように言ってきた。


「ふ~ん、結構面白い魔術になっていそうね。ほら、早く次のスキルも使ってみなさいよ」


 少し焦らしてからかってみようかとも思ったけど、師匠(仮)が純粋に興味深そうにして早く見たがっている様なので、すぐに次のスキルも使ってどんなものなのか確認してみる事にした。


「わかりました。では、『スプレッド・スリーカード』(マナ 9/10)」


 スキルを唱えると並んでいたカードがすべて集まり元の一組のカードの束になった後、集まったカードの束から3枚のカードが目の前に展開された。


【ソード Ⅱ(片手剣),ソード Ⅶ(薙刀),ワンド Ⅴ(土)】


 展開されたカードを使うことが出来るとスキルの説明で書かれていたから、まずはソード Ⅱ(剣)を試してみるとしよう。確かステータスに書いてあった使い方はカードを手で握ればよかったんだよな。右手でカードを取ると残りの2枚のカードが消えて、取ったカードを握るとカードが光と共に消えるようになくなり代わりに絵に描かれていた剣と同じ物を手に握っていた。


「おぉ、何もないところから剣が・・・ほんとに魔法つかえてる」


「魔法じゃなくて、魔術だからね。そこは大事なところだから間違えないように、魔法では出来ない事をしているんだからね」


「すいません」


 大事なところなのか、次から気を付けておこう。


 そして、剣の効果時間が切れるまで鉄の剣の使いやすさを確かめたり素振りをしたりしていて3分が経つと、剣が消えて残りの2枚のカードが再び現れた。

 次は、ワンドのほうを試したいんだけど何も対象がいなくても発動するのだろうか?でも、とりあえずどんな魔術でどこまでの威力があるのか気になるから対象ありで試したいな。あの石とかよさそうかも、一応大丈夫か師匠(仮)に聞いてみるか。


「ワンドの魔術も試したいのですけど、あそこにある石に向かって使ってもいいですか」


「別に、この柵の中にある物なら好きにしてもいいわよ」


「ありがとうございます。それじゃ、狙ってみるか」


 2枚のカードからワンドのカードを取ると、石に向かって二本の指で挟むように持ったワンド Ⅴ(土)を投げた。自身から2メートル離れた所くらいから、カードがいきなり岩の塊になると、そのまま石にぶつかって砕けて消えるようになくなった。威力としては石にはわずかにヒビが入っていた


「おぉ~まh、・・・魔術っぽい、すごい」


 また魔法と言いそうになったら、隣から視線を感じて軽く睨まれた。


 そうだろうと思ってはいたけど、このカードの絵柄が効果と属性を表しているのは確定だな。あとは、見た目でどんな効果なのかわかりにくい属性のカードがあるのと、武器も一通りは出して使っておきたいのもあるけど、一番気になるのはAのカードの効果だな。いろいろ想像はできるけど確かなことは使ってみないと分からないな。何かが起こる前に、早めに引いて効果を確認しておきたいところだな。


 あとは、一応三つ目のスキルも使ってみないとな。


「3つ目のスキルも今からつかいますね。トリック『チェンジ』(マナ 8/10)」


 スキルを使うと、残っていた【ソードⅦ(薙刀)】のカードが回転しはじめて、デッキから選択可能なカード、AとⅦ以外のソードのカードとワンドのA以外のカードが並んだ。【ワンド Ⅱ(火)】を選ぶと回転していたカードが止まった時には、【ワンド Ⅱ(火)】のカードに切り替わっていた。

 そしてさっきと同じように石に向かってカードを投げると火の玉が石にぶつかり、石に黒く焼き色がつくぐらいの威力だった。


 これで今覚えているすべてのスキルを使ったから、大体はどんなスキルなのか分かったけど、まだまだ検証してみないといけないことが沢山あるな。ソードのカードはカードに描かれている武器が出てくるのは分かったけど、一度すべての武器を使っておいて使い心地を確かめておきたいし、ワンドのカードはカードに描かれた絵の属性が発現するのは分かったけど、使ってみないと分からないような属性がいくつかあるから、どんな効果でどれほどの威力があるのか確かめておきたいな。


 でも本格的な検証は、街に戻って準備を整えた後に街の外へ出てからになるかな。どうせやるならこの世界の魔物と呼ばれる生き物に、どのくらい通用するものなのかを確かめたいからな。


「なかなか、面白そうな魔術だったわね。・・・・・ねえ、その魔術でどんな戦闘できるか試してみない?」


 興味深そうにして魔術を見ていた師匠(仮)が、ニコニコと楽しそうな声で言うと、師匠(仮)は柵から出るように入り口に歩いて行って、出入り口で振り返った時にはいつの間にか手に持っていた本を開くとページを切り取ったようにちぎられた一枚の紙を地面に置くと柵の外に出ていった。


 すると、地面に置いた紙から光や煙とともに全身黒い甲冑を着た大きな人が現れた。


「その子相手にどれだけのことが出来るのかやってみて、ちなみにこの柵の外には出れないからね」


 スキルを試そうとは思ってはいたけど、まだまだスキルに不確定な要素がある状態で戦う事になるとは・・・。師匠(仮)、せめて自分が戦うかどうか聞いてからにしてくれてもいいんではないでしょうかね。




お読みいただきありがとうございます。

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