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剣と魔法のセカンドワールド  作者: K.T
1章 新たな世界 第一話 不思議な導き
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扉の仕掛け


 シュウは飴売りの女の子に教えてもらった場所に向かって歩いていた。


 まずは東西南北の広場の出入り口に設置されているアーチ状に花が咲くように囲われた広場の出入り口に続く道に着いた。この位置からでも街灯が見えていたので広場の出口まで10mもない距離を一応辺りをよく見ながら進んで行くと女の子から聞いていた通り広場の出入り口に街灯はあったが、広場を囲う柵の内側あるので、どうやら歩いてきた道と広場の外からは街灯がある場所には行けないみたいだった。


 一応は広場の外まで出て街灯の周りを見てみたが、広場を囲う柵と全体の3分の1ぐらいが見える街灯があるだけで特におかしなところもなかったので、再び広場の中まで戻り今度は広場側から街灯の所まで向かうことにした。


 出入口の花のアーチがある横を花壇を避けたり生垣を乗り越えながら進み、さらに木々の間を抜けていくとさっき見えていた街灯の所まで行くことが出来た。街灯がある周囲は広場の外の柵と広場にある木々で昼間なのに少し薄暗い場所になっていた。


「なるほど。この場所は広場の内側からは木と生垣で見えなくなっていて、外側からは柵と柵に絡まっている蔦や木々の葉っぱで周りの建物からも見えないようになっているんだな」


 確かにうまく死角になっているから子供が隠れたりするなら見つかりにくい場所だけど、よくこんな場所を見つけるものだな、子供の行動力は侮れないな。


 そして、これがさっき外から見えていた街灯か。特に怪しくもない普通の街灯だな。電球が1つでアンティーク調のデザインな街灯で特におかしなところもなさそうだな。とりあえず女の子の話にあった扉を見つけた場所にまで来たはいいけど、周りも見ても扉なんてものはないな・・・もう少し周りを見て考えてみるか。


 辺りを見ながら少し歩きまわってみたが扉を見つけることが出来ないので、街灯に寄りかかるようにして女の子から聞いた話と何故この場所に扉があったのかを考えだした。


 そもそも、扉だったということは人の出入りが出来るようになっていないといけないものだけど・・・ここには扉らしきものはないし、女の子の話では今まで見たことがなくてあの話の時以外は見つけることが出来てはいないみたいだった。


 ということは、何かしらかの仕掛けで隠されているというのが妥当な線だよな。でもそれが物理的な仕掛けなのか、合言葉などの条件がいるのか、時間の制約はないのか、それとも魔法(・・)みたいなものが使われていたりするのか。

 物理的な仕掛けならまだしも、魔法による隠蔽とかだったらまずお手上げになるな。


 なんせ魔法に関してはまだ全く知っている情報がないからな。公式HPでも攻撃魔法や回復魔法とかがあるのは書いてあったけど、隠蔽やそれを見破る為の魔法などは一切情報はなかったように思うから、魔法による仕掛けだと正直諦めるしかないのと、秘密の合言葉が必要だったりする場合も見つけることが出来る可能性は限りなく低くなるけど、かくれんぼしている子供が迷い込んだ時点で合言葉や魔法による隠蔽の可能性は低いとは思うんだけどな。


 今は知りえた情報をもとに考えていくしかないから、魔法や合言葉の可能性は今は考えない方向でいこう。もし魔法や合言葉が必要で他にも何かしら必要な情報があるのなら、それがわかった時にまた来たらいいだけだしな。


 となると、なぜ一度だけ扉が現れていたのか。


 ここに子供が隠れていて扉が現れたのなら、近くで触れるもので何かしらの条件を満たしたから扉が現れたと考えるのが普通だよな。


 そして、周りにあるもので一番怪しいのは…柵、ツタ、花のアーチ、街灯、木々、地面…う~ん街灯、かな?一先ず詳しく見てみるか。


それからしばらく、街灯を見てさわって調べていた。


「‥‥ん?、これって‥」


 街灯を下から上までじっくり見たり触ったりしていると、街灯の支柱の部分が土に埋もれていたので払っていると何かが描かれたデザインが彫られていた。改めて周りの土を全て払って見ると支柱の周りには街の絵が街灯を中心に描かれていた。


 そして、その上のポールの部分を下から上へよく見るとにデザインの一部ではあるが動かせそうなところがあったので、何とか触ってみるとやはり動くようになっていた。試しに動かすと、動かす位置によって何もなかったポールに月が現れて、満月から新月へそして元に戻るようになっていた。動かすうちに微かに他にも音がするので気が付いたのだが、街灯の明かりの周りのカバーもポールの動かした月のマークと同じ模様が連動して現れるようになっていた。

 何か意味があるのかと思い満月から新月まで少しずつ動かしてみたり、何回か右と左に回したりしてみたが何も起こることはなかった。


「う~ん、とすると・・・もしかしてもう一つの街灯にもあるのかな」


 確認するために来た道を戻って反対側にある街灯の所まで行くと、こちらの街灯にも全く同じ仕掛けがあることを確認できた。


 2つの街灯に同じ仕掛けで、双子の月か。そして『双子の月が導く』だから、いま見えている月の形を当てはめればいいのかな。

 今見えている月の形は、左の月が上弦の月になっていて、右の月が下弦の月になっているが・・・。


 ここまでくれば、一度試してみるしかないな。こちら側から月の形を合わせていくか。


 そして、初めに来ていた場所に戻りこちら側の月のマークを合わせた時、自分の後ろを見ると公園の門の壁にいつの間にか、満月のマークが描かれた扉が現れていた。


「これは、・・・行くしかないよな」


 シュウが扉を開けて通ると、街灯にあった月のマークが自動的に元に戻り、扉は消えるようにしてなくなった。




お読みになっていただきありがとうございます。

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