始まりの日
2018/12/17 少し省略しました。
近年ではVR技術の成長が著しく進歩してきた。
そして、その急激な進歩とともに各国で協力のもとVR部門の国家プロジェクトが始まるまでになっていた。
その国家プロジェクトで全国に発表された内容の中には、世界初の仮想体験型VRゲームの開発が含まれていた。
しかし、医療や教育に続きVRゲーム開発の優先順位が高く設定されていた事に疑念を抱く人達が多くいたようで、問い合わせ窓口には理由を問う問い合わせなどが数多くあったようだが、開発の優先順位について詳しい説明がされることはなく、様々な推測や思惑を含んだVRゲームの開発は進んで行き月日は流れていった。
そして今日、国家プロジェクトの一つだった世界初の仮想体験型VRゲームがあと3年後には発売される事が決定したと発表があった。
世界中で仮想体験型VRゲームの開発情報を見て期待とともに待ち望んでいた人たちが、世界初のVRゲーム今までにない国家規模で製作されたゲームを生きて体験できる事を喜んだ日。
同日、日本列島のある街の路上テレビでは、その情報をニュースのキャスターが報道したときには、その情報を知った人達は雨に濡れるのも気にせずに傘を放り投げて、喜びの声をあげながら食い入るようにテレビを見ている人もいれば、さっきまで隣を歩いていた人と抱き合うようにして喜びあっている人もいた。それが世界各国で同じような光景が見られて、みんなが期待を胸に未来が楽しいものになると確信をもった。
そしてニュースでゲームの発表の事を伝え終わると、冷静に傘を拾いなおす人もいれば、傘も拾わず走り去っていく人、抱き合っていた人と恥ずかしそうにしている人など色んな人達がいたが、どの人もみんな笑顔で楽しそうにしていた。
そんな少し騒がしくなっていた路上で、路上テレビの画面内のスタジオが慌ただしくなり、速報のテロップとともにニュースキャスターが緊急ニュースの字幕とともにニュースを報道しだした。
「速報が入りました。殺人罪、強盗致死罪、放火罪等の罪状を持つ全国凶悪指名手配犯にされている男が逮捕されたとの情報が入りました。逮捕された場所は〇〇県〇〇町の民家で逮捕されたようです。繰り返します。殺人罪、～～～（略）～～～逮捕されたようです。
現場に中継が出来るようなので現場へとつなぎます。現場の方、聞こえていますか？
～～～（中継現場：犯人確保の現場）～～～
現場からは以上のようです。ありがとうございました。只今の情報は、また詳しい情報が入り次第お伝えいたします」
路上にいた人達でニュースを見た人は、凶悪犯が捕まったことに喜び安堵すると、それぞれの日常へと戻って行った。
後日、犯人が逮捕されたときの状況がニュースにて報道された。
「先日、凶悪指名手配犯の男が逮捕されたときの状況をお伝えいたします。男は金目のものと食料を盗む目的で民家に侵入したところ、
～～～（中略）～～～
のようです。今回の事件では、運悪く民家にいた2人の子供の内、1人が亡くなりもう1人は瀕死の重傷を負って病院に搬送されており、意識不明の重体とのことです。犯人の男はそれ以外にも罪を犯しており、今までの一連の事件の全容を
～～～（中略）～～～
以上、報道ニュース番組からの報道でした」
瀕死の重傷で意識不明の重体だった少年が目を覚ますのは、事件が起こり入院してから2週間後の事だった。
そして、物語は様々な思いや思惑によって出来た世界初のVRMMOゲームが開始される３年後、一人の少年の思いとともにいくつもの偶然や必然が絡み合い大きなうねりとなって世界を巻き込み、いずれ世界を揺るがす事実への切っ掛けとなっていく。
お読みいただきありがとうございます。
