メイドになっちゃった話
スランプなんですすみません
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日ーーーーーイリスの家
「……………ぅ、うん……………」
俺は柔らかいベッドの上で目を覚ました。
そして上半身を起こして軽く伸びをする。
昨日は安心して眠れたので疲労感は全くかった。
するとイリスが部屋に入ってきた。
「おはようコユキ。よく眠れた?」
「うん。おかげさまでね」
「よかった。じゃあ朝ごはんできてるから食べにきてね」
「ああ」
軽い挨拶を済ませて洗顔を済まし、髪をセットする。最初は髪がまとまらず、結構苦労してセットした。そしてクローゼットに入っていた服を適当に見繕って着替えた。
そして朝食を食べるためにリビングへ行く。
イリスの家は少し位は低いにしても貴族階級の身分なのでそれなりに大きい、
だから一つ一つの部屋もでかく、またリビングは自分が寝ていた部屋よりも格別に大きかった。
朝食を食べ終わり、イリスが言う。
「ねえ、コユキ」
「どうしたの?イリス」
「私のお父さんにあって欲しいんだ。お父さんが君と話がしたいって言ってたから。…………いい?」
「こっちこそまだ助けてもらった感謝も十分してなかったから是非話がしたいよ。」
「ありがとう、じゃあついてきて。」
俺はイリスが行く方向についていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーイリスの家の書斎
「お父さん、コユキがきたよ」
「ーーーーーーー入ってくれ」
俺はイリスのお父さんがいる部屋へと入る。そこにはスーツのような正装をピチッときこなしている中年くらいの男性がいた
「君がコユキか。歓迎するよ。私はこの家の当主であるドーラ・ジブラダールだ」
「ドーラさん、この度は助けていただいてありがとうございました。本当に感謝しています。」
「構わんよ。人を助けることは自分にとってもいいことだからね。」
と軽く感謝の言葉をやり取りする。
そしてすぐに向こうから本題であろう話題を切った。
「コユキ、君は帰る場所はあるのかね」
「……いえ、私は魔物のせいで家族と離れ離れになったので、帰るアテも全然ないです。」
「そうか。君はここに居続けたいかい?」
「……………そうですね。できる限りここに居続けることができるなら居たいです。」
「わかった。………では結論として、君はここに居続けていい。君はここにメイドとしていることを許可しよう」
「!?」
というわけで俺は晴れてここでメイドになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夜ーーーーーーーーイリスの家の書庫
俺は今この世界のことを学ぶために本を読み漁っている。
特にこの地域のことや魔法のこと、魔物などのことである。
もうかれこれ5時間ぐらいは読んでいるだろう。しかしコユキは本を読むことをやめようとは一切しない。
メイドとなって俺はまず最初に魔法の訓練をさせられた。魔法を教えてくれる師匠曰く、魔法がある程度使えたら日常生活が効率よくなる、使えなかったら日常がつらいと。
よって誰もが使えるような日常的によく使う魔法を教えてもらった。火を点けたり、照明をつけるためのちょっとした電気魔法を教わった。
そして、言葉遣いの練習や給仕などメイドのやることでで必要ことを一通りやった。
取り敢えず他のメイドの人から及第点をもらった。
しかし、ひとつだけ問題が発生する。それはほかのメイドと買い出しに行こうとしたところ、自分はまだイリスの家の外へ出たことがなかったので、外の世界を知らなさすぎた。それでもなんとかなるだろうと思ったが、途中で迷ってしまったり、お金の使い方がわからなくて他のメイドや店の人に助けてもらいながらやり取りしたりと、ものすごく迷惑をかけた買い出しになってしまった。そこで自分の無知さを悟り恥ずかしくなって…………………今に至る。
「……………………はぁ」
今日の出来事を不意に思い出して恥ずかしく思いながら、またコユキは開いている本に目を通し始めた。