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僕らに、花束を。  作者: 蝉の声
2/2

Ep.0-最後の気持ち

どうぞ。

「……………ったね。」


確かにそこにいた2人の少女はもういない。


この世界も、あの日見た景色も、素晴らしい思い出の数々も、もう、おわり。


「…………うっ………………ううっ……」


彼女は今にも胸のそこから湧き上がってくる気持ちを強引に抑え込む。


「…だめっ………絶対…………したから……うっ…………」


溢れんばかりの涙を抑え込めているのはたった1つの、けれども誰にも触れられない、おまじない。


「絶対…泣かないって……約束、したからっ………」


しかし、そのおまじないさえも、今おかれている現状に飲み込まれようとしていた。


「みんな……なんで私を、一人にして……うっ……」


遂に一滴の涙が頬を伝い、落ちていく。その姿は、皮肉にも美しかった。


……。


涙は音を立てずに地面に落ちる。少女は自分の涙が音すら立てれないことに、悲しみ、憎しみ、そして諦める。


……。


脳が思考を停止しだす。彼女は考えることをやめ、忘れようとしていた。


「もう、いいよ……ぜんぶ…終われ」

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