プロローグ
呼び鈴がなる。
もちろん応答はしない。
現在の生活で訪ねて来る友人とはいない。
近隣には居ないから当然だ。
ぼっちと言われても構わん!
最近はネットで何も購入してないから宅配も来ない。
多分、宗教の人だろう。
放って置いたら携帯が鳴った。
受電してみれば親だった。
「どないしたん?」
話しを聞いてみれば親戚が尋ねに来たが、留守で途方に暮れたと電話が来たらしい。
まてまて、そもそも来る連絡が無いのに居るかどうかなんて解らんやろ!
先に連絡を寄越せと思うのは俺が悪いのか?
「んで、どないしたいん?」
家に居る事を確認されて電話が切られた。
数秒後にピンポンと呼び鈴が鳴る。
家に訪ねてくる人は居ない。
郵便物なら不在票が投函される。
さて、寝るか。
ここの所、デスマだったからおじさん眠いわ。
呼び鈴がもう一度鳴る。
結構しつこいな。
保険勧誘か新聞か?
携帯がバイブで呼んでいる。
また親だ。
今度は住所確認かよ。
何がしたいんだか。
え?ドアを開けろ?
嫌だよ面倒くさい。
は?家の前に親戚が居る?
先にそれ言えや!
ドアを開けるとスーツ姿の女の子が立って居た。
・・・保険勧誘か?
「セールス勧誘お断りです」
ドアを閉めて鍵を掛ける。
よし寝よう。
ドアをドンドンと叩く音が聞こえる。
しつこいな。
「お兄ちゃん、ひどい!」
は?
まさか、親戚って女の子?