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第一章 ただいま恋愛enjoy中!!

とことん純愛です。

11月の

寒い雪の降る中、

私の初恋は終わった。



大好きな人が、



他の女子と

キスしているのを

見てしまったから……。



第一章 ただいま恋愛enjoy中!!


 私が初恋の彼と初めて会ったのは、ショッキングが出来事が起きてしまった今現在から、

十年程前にさかのぼる。



その日も雪が降っていました。

小学一年生だった私は、当時イジメられっ子でした。

運動がまるでダメだった私は、

『みにくいアヒルの子』からとった

『アヒル』

と呼ばれていました。毎日毎日が辛くて苦しくて、そんな地獄のような日々から救い出してくれたのがしんちゃん

でした。

私のいとこの榛ちゃんは転校生として突然、私の小学校にやってきました。



「東京の小学校から来ました、雛鳥ひなどり しんです。よろしく」



高い身長に、長い手足、そしてなにより、そのカッコイイ顔で、榛ちゃんは女子の注目の的でした。

一方の私は、人気のある榛ちゃんのいとことして、更に女子からのイジメはヒートアップしていきました。

ある日、私がイジメられている現場に榛ちゃんがやってきました。


ああ、

榛ちゃんにまで

イジメられるんだな……。


そう思った私は、

何も聞きたくなくて心を閉ざしてしまいました。


けど、榛ちゃんの口から出た言葉は意外なものでした。



「何でオレのいとこイジメてんの?」



榛ちゃんが冷たい目で女子達を睨みます。


「だってコイツ、ブスでノロマなブタのくせに雛鳥様のいとこなんだもの…」



女子達がもごもごと口ごもると、榛ちゃんが

ドンッ!!

と思いっきり机を叩きました。



「ふざけんなよ!オレのいとこだからってめぐるのことイジメんのか!?そんなのおかしいだろ!!」


「な、なんでいとこだからってそんなに『アヒル』の事かばうのよ?もしかして雛鳥様ったら、あんな『アヒル』の事が好きなの??」


女子の一人が猛反撃。

しかし榛ちゃんはそんなのものともせずに問題発言。



「オレは巡が好きだな」



そんな榛ちゃんに対して、またもや女子が涙目で反論してきます。



「あ、あんな『アヒル』のどこが良いのよ!!!!」


「あんまり巡を『アヒル』って言うと、本気で怒るよ?それに巡は『アヒル』じゃない。ただの雛鳥だ。名字の通り、巡はまだ、雛鳥なんだよ。これから綺麗な白鳥へと進化して行くんだ。な、巡?」



そう言って彼は右手を私に差し出してきました。



「はい、手ェ掴めよ」




バキュン!!!!




何かが


撃ち抜かれるような

音がしました。



それは、


私が産まれて初めて

恋に落ちた音でした。



それからしばらくして、私の初恋の人、榛ちゃんは東京に帰ってしまいました。

でも、私はずっとアナタの事を思い続けています。


今でも


アナタを……。



ピリリリリリッ!!


大好きな初恋の人の甘い夢は、無情にもきっかりと朝7時に鳴る、けたたましい目覚まし時計の音によってガラガラと崩壊していきます。

甘い妄想の世界にまだ浸っていたい私は、二度寝しようと布団に潜り込みます。

潜り込んでから、私はふと考えました。

今が7時。

登校締切時刻(遅刻の事を巡はそう呼んでいる)は8時。

学校に行く為の身だしなみで二十分。

お化粧で二十分。

歩く時間で四十分。

思いっきり二十分オーバーである。



「が、学校!!遅刻する遅刻〜!!!!」



私は急いで着替えると家から飛び出た。



「あのね、巡ー……」


「後にして、お母さん!!」



私はろくにお母さんの話を聞かずに家をでた。



〜学校〜



「今日は創立記念日だった〜!!」



がっくりと肩を落として落ち込む。



「あの〜」



そんな私に誰かが話しかけてくる。

そこにいたのは……榛ちゃんそっくりの少年でした。



「榛、ちゃん?」



恐る恐る少年に聞いてみる私。



「はっ?」



やっぱり違う人だったみたいです。

そう思うと、急に顔が赤くなってくる。

そんな時に、一人の少女が榛ちゃんそっくりの少年に抱きついてきました。

金髪で、ガングロで、いかにもギャルですと言った感想を受ける感じの子です。こ、こんな感じの子を彼女にする人を榛ちゃんと間違ってしまうなんて……。


ごめんね、榛ちゃん。

ごめんねぇー!!



私は急に恥ずかしくなってその場からダッシュで逃げました。


「おい、待てって!!」

と制止する少年の言葉を聞かずに。



次の日


〜学校〜



「転校生を紹介する。入ってこい」



朝のホームルーム中に、いきなりの転校生紹介。

そして入って来たのは……。なんと、榛ちゃん似の昨日の彼でした!!

あの子、なんていう名前なんだろ〜?

榛ちゃん似ということもあって、彼の自己紹介をとても楽しみにしていた私。

けど、彼の自己紹介は意外なものでした。



「初めまして。東京の高校から来た、雛鳥 榛」



ボソッと呟くように彼……榛ちゃんは言った。

榛ちゃんごめん!!

昨日に引き続き、榛ちゃんを間違えるとは!!

私は嬉しさのあまり、ホームルーム中だということも忘れて席から立ち上がりました。



「榛ちゃん!!!!」



続く

次回は、巡が榛に猛アタック???

榛の衝撃の事実を知ります。

よければ、次回もまたよろしくお願いします!!

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