パレットとベリオレット
ベリオレットはメイロー樹海の異変の報告を受けてある行動に出る為に詩文の部屋に戻ると部屋の中に隠していたフェアリー族の里で使ったあの鏡を取り出した。その鏡を持ってカオス教の拠点の外に出たベリオレットは近くにいた魔物にその魔法の鏡を向けた。魔法の鏡を向けられる前まではベリオレットが放つオーラに敵意を剥き出しにしていたが魔法の鏡を向けられると魔物はおとなしくなっていった。おとなしくなった魔物の目は赤色に変化していてベリオレットの言った事を聞くようになっていった。ベリオレットは操った魔物達にアルカット神殿に向かうように指示をした。すると魔物はアルカット神殿の方角に向かって行った。ベリオレットは魔法の鏡で魔物を操った後、向かう準備をして自分もアルカット神殿へと向かって歩きだした。アルカット神殿で何かあっても対策して大丈夫なように・・・・・・そう思いながらベリオレットがカオス教の拠点からアルカット神殿に辿り着いたのはゼルス達が来る少し前だった。ベリオレットは神殿の中に入る前にアルカット神殿の近くにいる魔物にも魔法の鏡を使って操った。魔物を操った後、ベリオレットは神殿の中に入るとパレットが閉じ込められていた隠し部屋へと向かった。隠し部屋に向かったベリオレットはその部屋でメイロー樹海の洞窟から連れて来たパレットと対峙した。こいつが噂のパレットか?そう心の中で思いながらパレットに近寄って話をしようとした。そんな時その部屋の上が騒がしくなっていった。ベリオレットは上が騒がしくなっている間にパレットに対して「運命を変えた存在に復讐しなければいけない」とずっと言い続けた。その様子は想像を絶するものだった。
一方その頃、ベリオレットがいる部屋の上ではカオス教の信者がカオス教の教えを何回も何回も混沌と絶望をもたらせと唱えていた。カオス教の集団が発するカオス教の教えは神殿の内部を震わせるほど大きかった。集団がいつも通りカオス教の教えを唱えているといつもと違う事が起こった。突然知らない三人組がこちらに向かってきていたのだった。信者の集団は普段とは違う咄嗟の出来事に驚いたがすぐさま操っている魔物に現れた三人組を攻撃するように指示を出した。魔物は指示通りに三人組に向かって行った。操っている魔物は普段以上の力を発揮して現れた三人組をすぐさま劣勢に追い込んで魔物の攻撃は少しずつ少しずつ三人組に効いていった。三人組にさらに攻撃を与え続けて三人組を倒せると思っていたその時、三人組の一人が他の二人に「逃げろ!!」と叫んでいた。その人間は冷静に状況を判断できるようだったが他の二人は逃げる事を拒んでいた。逃げろと叫んだ人間は何かの術の詠唱を始めていたが魔物は術の詠唱がされている間にも三人組を攻撃し続けた。その人間の術の詠唱が終わると逃げる事を拒んでいた二人は何処かに飛ばされていった。そうか詠唱していた術は他の人間を別の場所に飛ばす術だったか!!そう思いながら魔物は突然向かって来た人間の内の一人がその場に取り残されている人間に攻撃を仕掛けた。突然向かってきた人間に一人は魔物の攻撃を全て受け続けていたが只でさえ劣勢の状況の中一人では魔物の攻撃を防げるはずもなく瞬く間に意識を失った。カオス教の信者達はその場所にある祭壇を動かして下へと続く階段を意識のない人間を連れて降りていった。
しばらくすると騒がしかった上が静かになった。静かになってすぐに塞がれていたこの隠し部屋に続いていた階段からカオス教の集団が降りてきていた。その集団と一緒にいた魔物はある人間を抱えていた。ベリオレットに降りてきた人間は挨拶をしてきて魔物が抱えてきた人間をパレットと同じ部屋に放り込んだ。抱えてきた人間を部屋に放り込んだ後、カオス教の集団はその隠し部屋を離れて拠点へと戻っていった。カオス教の集団が去った後、ベリオレットはパレットに自分がカオス教の教祖である事や時を越える術が使える事を話し続けた。パレットは身動きが出来ない状態でベリオレットの話を驚きながら聞き続けていた。ベリオレットはパレットに話す事を全て話すと部屋の扉を閉めて部屋を去って拠点へと戻った。ベリオレットが拠点へと戻った後にアルカット神殿に向かう何者かの集団の姿があった。