時を越える理由
その日は忘れたくても忘れられない日になった。まさかあんな出来事が起こるなんて・・・・・・住んでいたその場所に何もわからない人間達が突然現れた。突然現れた人間達は一体何者なのだろうか?何の目的でやって来たのか?さえも何もわかっていなかった。その突然現れた人間達はその場所に住んでいた人間達の居場所を聞いて回っていた。その場所にいた一人の少年はその様子を突然現れた人間達から身を隠す為にいた場所に微かに開いていた穴からその光景を見ていた。突然現れた人間達はこの場所に住んでいた人間達の話を聞き終わるとその場から離れていった。微かに聞いていた穴から見ていた少年が風景からも去っていった後に少年は隠れていたその場所から出てその人間達が向かっただろう方向にその人間達に気づかれないようにゆっくりと向かった。少年は人間達が向かった方向に進むとある部屋から話し声が聞こえてきた。少年はその聞こえてきた話し声を聞こうと部屋の扉に耳を当てると話し声の一つは聞いた事のある声だった。聞いたことのある声の人間は「お前達パレットの家系の血筋の人間にやられるとは・・・・・・」と言っていた。その後の話の内容からパレットの家系の血筋の人間の声だろうか「最後だ!!」というその言葉と共に聞いた声のある人間は再び言葉を発する事はなかった。少年は中で何が起こっているのかこの時はわかっていなかった。聞き耳を立てていた扉の方に近づいて来る足音に気づき少年は咄嗟に近くの場所に隠れた。少年が隠れた所から扉を開ける音がはっきりと聞こえていた。扉が開いてその人間達が去っていくのをただ隠れて待つ事しか出来なかった。そして・・・・・・少年は隠れて待っていてどれくらいの時が経ったのだろうか?見つからないかという緊張と不安でその場で眠ってしまっていた。少年が気づいた時にはあの部屋から出てきたパレットの血筋の人間の姿はなく立ち去っていた。それを確認した少年はあの部屋の扉の方へと向かって走っていた。中の様子を確認する為に。部屋に着いて中に入るとそこには聞き覚えのある声の人間の体があった。少年はその人間に近寄って体をゆすってみるが反応はなくすでに息絶えていた。少年はこの部屋で何があったのかを知る為にパレットの血筋の人間を探し出そうと心に誓った。少年がその場所に留まっているとその場所に住んでいた人間達がゾクゾクと集まりだしていた。集まりだした人間達がその部屋での出来事を知ると少年を連れて少し離れた場所へと移動していった。少年は集まった人間達と新しい生活を始めた。そして数十年の時が過ぎた。
数十年の時が過ぎてあの時の少年は大人になっていた。その人間は数十年前の出来事をまだ覚えていて忘れるはずがなかった。大人になった少年はあの時の場所にあったあの時最初に隠れていた部屋にあった一つの書物を取りに向かった。あの時の場所に辿り着いた人間は目的の場所へと向かいその書物を持ち出した。そして持ち出した書物を持って今拠点にしている場所へと戻ってその書物を読み漁った。何かにとり付かれたように読み漁った後にその書物に書かれていた術に興味を示したその人間は仲間達と一緒にその術が伝えられているフェアリー族の里へと向かった。しばらくして拠点となっている場所からフェアリー族の里に仲間と共に辿り着いた。その人間と仲間達は辿り着くとフェアリー族のフェアリーに襲いかかった。フェアリー族のフェアリーも突然の事に驚きながらも襲ってきた人間に攻撃をして抵抗した。フェアリー族のフェアリーに襲いかかった人間達は抵抗してくるフェアリー族を力の差でねじ伏せていった。フェアリー族の里を破壊していきフェアリー族の里の長老を捕まえた。そして集団は長老に書物に書かれていた時を越える術の事を聞いた。長老は捕まったこの状況をどうする事も出来なかったのか時を越える術の事を集団に話した。集団は長老から時を越える術の事を聞きだした後に用済みになった長老を倒してフェアリー族の里を去った。集団が去って行くその背中から赤い炎が上がり続けていた。
フェアリー族の里で長老から時を越える術について聞いて帰って来てからその人間は今までの名前を捨ててベリオレットと名乗った。ベリオレットと名乗る事にした人間はあの時のパレットの血筋の人間
の事を調べる為に今いる拠点から情報を求めて旅に出る事にした。パレットの血筋の人間の噂は入ってきていてその噂ではテリアという町にパレットの血筋の人間がいた事があったと言われていた。ベリオレットはまずその噂を頼りにテリアの町に調べに行く事にした。ベリオレットがテリアに向かって数日後にようやく辿り着いた。
ベリオレットはテリアで聞いた噂について調査を数日してみるとテリアという町は昔魔物に襲われた事がわかったがパレットの血筋の人間の事は詳しくわからなかった。ベリオレットはテリアの調査をしたが詳しくはわからなかったがアリトリーという町にある冒険者ギルドに行けば何か分かるのではないかと考えて次はアリトリーの町へと向かった。アリトリーに向かって二・三日後に辿り着いた。アリトリーに着くといっぱいある冒険者ギルドでパレットの血筋の人間の事を調べ始めた。冒険者ギルドで調べているとパレットの血筋の人間かどうかはわからないが怪しい旅の語り部という人間がいたという情報と今は跡形もないアナタリアという場所を聞いた。ベリオレットはアリトリーで調べた情報で旅の語り部という人間が怪しいと思ってその人間が北の方に行ったという事だったので北に行こうと考えたがその前にアナタリアという場所の事も気になってその場所へと向かった。アナタリアという場所はアリトリーより南にあるらしく歩き続けてその場所に辿り着いたがそこには見渡す限り何もなくこの場所に何があったのかさえわからなかった。ベリオレットはアナタリアに何かの痕跡を見つける事もなくアリトリーから北の方角へと向かった。ベリオレットが北に向かうとメイロー樹海という場所に辿り着いた。ベリオレットは何故だかこの樹海から漂う何かに導かれ進んでいると何か結界の儀式をしていたような場所に辿り着いた。
その場所に辿り着いたベリオレットは石が置かれているその場所を詳しく調べて見ると石に何か文字が書かれていた。その文字はカオス教の教え【混沌と絶望を世界にもたらせ】と書かれていた。ベリオレットはその文字の意味をこの時はまだ知らなかった。メイロー樹海を越えたベリオレットはその後北に向かってパレットの血筋の人間の事を調べた後に拠点にしている場所へと戻ってきた。戻ってきたベリオレットは集めた情報を纏めてみた。そして自分達との因縁がある事がわかった。自分達の集団がカオス教と言われていてパレットの血筋の人間があの時倒れていたカオス教の教祖を倒した事になっていた。ベリオレット達はその真実を知るとこの運命をどうにかして変えたいと思うようになっていった。この運命を変える為には自分達の運命が変わったその原因のパレットをどうにかしないといけないと考えた。だがパレットはこの時代にはもういない・・・・・・どうしようも無いのかと思っているとベリオレットはその困難な事をどうにか出来る方法がある事を思い出す。そうあの書物に書いてあった時を越える術を習得して時を越える事が出来れば運命を変える事が出来るのではないかと・・・・・・そう思ったベリオレット達は時を越える術を習得する為に修行に時間をかけた。時を越える術の習得にはさらに長い月日がかかった。そしてようやく念願の時を越える術を習得して過去に行く事が出来る日かやって来た。
過去に行く事が出来る日がやって来た。これから時を越える術を使う事になるベリオレットはまだ少しの迷いが残っていた。このまま時を越える術を使って時を越えて自分達の運命を変えてしまっていいのか?他人の運命も変わってしまうのではないか?と自分の心の中で自問自答を繰り返していった。しばらく悩み続けていたベリオレットは覚悟を決めた。自分達の運命を変える為に時を越える術を使って過去に行って自分達のカオス教を再興してパレットの末裔との因縁を断ち切ろうと決断した。そして仲間達が時を越える術を使う為に集まりだした。
仲間達が部屋にやって来て過去に戻る為の術を使う前にベリオレットはこう叫んだ「私達はようやく手に入れた。長い時間かかって習得したこの時を越える術を・・・・・・これで過去に戻れば自分達の運命を変える事が出来る!!そしてカオス教だった我らの混沌と絶望を世界にもたらせという教えを再度広める事が出来る。さあ行くぞ!!過去の世界に!!」と叫んだベリオレットの前に仲間が数名現れて時を越える術の準備を始めた。
術の準備を終えた集団は術の詠唱を集団で始めた。時を越える術の詠唱は長時間行われて徐々に魔法陣が描かれると同時に発光し強くなっていった。魔法陣が発光してさらに数時間かかり術の詠唱はようやく終わった。術の詠唱が終わるとベリオレット達は魔法陣の上に次々と乗って行く。ベリオレット達が魔法陣に乗り終わると魔法陣の発光が消えていった。魔法陣の発光が消えた瞬間魔法陣の上にいたベリオレット達の姿は消えていた。ベリオレットは未来から過去の世界へと時を越えて行った。