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神様にたかるゴミカス転生者の末路

作者: 新垣加々良

「ごっめ~ん、こっちの手違いで、キミ、死んじゃった」


「えっ、ちょ、ここどこすか?そういう冗談は間に合ってるんで」


「もう一回いうね、キミ、死んじゃったの、手違いで」


「いや、だから!そう言うのは……え?俺死んじゃったんですか?」


「うん、そうそう」


(最近のニンゲンは、呑み込みが早いとは聞いてたけど、それほどでもないな。個体差はあるか……)


ぶつぶつと、何か言ってる。


「え、俺、まだしたいこといっぱいあるんですけど、せっかく、苦労して大学入ったんですよ?これから、楽しい楽しいキャンパスライフが俺を待っているはずだったんですよ?なのに、入学前の春休みに死んじゃうなんて、あんまりだ……どうしてくれるんすか!しかも手違いって!人の命を何だと思ってるんだ。謝り方もなんか軽薄だし、責任とれよ!」



いや、死んでしまったものは仕方ないし、このまま相手、推定神様を責めても仕方がない、切り替えよう



「これは、なんか、良い物、チートでも貰わないと、気が収まらないなぁ」



「は?キミ、誰に口きいてるの?

大方、このまま異世界転生の流れだと思って、少しでもチートを貰おうと思ったんでしょ。はぁ~、いるんだよねぇ、そういう最近のニンゲン。対応する神も神だよ、神は神なんだ、毅然とした対応を取らなきゃ。もちろん、ボクが人間にとって理不尽なことを言ってるのは分かっているよ。

でも、ボクは許される。

だって、神だから。

次元の違う存在だから。

キミ、ゲームでNPC殺したとき、謝る?おそらく、違うね、謝らない。だって、次元が違う存在だもの。君からしたら謝る必要性すら見出せないだろ?あまつさえ、そのNPCの顛末を嘲笑ったことすらあるだろ?

でも、ボクは、わざわざ、謝りに来た。それを何だ?キミは。神におねだりをするのか。

甘えるんじゃあない。私のシステムで君を作り出した責任はあるだろうが、私は君の親ではない。

おおかた、キミは今までそれが許される環境で生きてきたのだろうね。」



(コイツ、黙って聞いてたら好きかって言いやがって、俺のことをよく知りもしない癖に。長々と、ご高説垂れやがって、お前が手違いで殺したんだろうが、責任を取れよ、責任を)



「いいよ。転生させてあげる。それも、おそらく大多数の人が喜ぶであろう、中世ヨーロッパ風の剣と魔法の世界、モンスターもいる。

それをもって、今回のお詫びとするよ。じゃあ、頑張って~」



意識が遠のいて、薄らいでいく。


意識が途切れる、その瞬間、神が「今度の生では、そんな甘えが許されないだろうねぇ」と呟いていた。


地球においても、1990年のサハラ以南のアフリカでは1000人あたり180人ほどの5歳未満の乳幼児が死んでいる。(出典、ユニセフ世界子供白書2019から)

では、どうして異世界で転生した自分が乳幼児の頃に死ぬことがないと思うのであろうか。多産多死が当たり前の世界で彼自身は決してその例外ではない。

楽しいキャンパスライフが待っているであろう彼の生前の年齢は、容易に推測できる。来世ではたくさん甘えられるといいですね。

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