~現代技術で異世界を救う~1
「何が起こった?」
男はそう言った。とある大国の国王であるこの男は聖霊が宿っていると言われる泉を見てそう言った。
いつもより精霊たちが騒がしい。
いつもは皆大人しく、それで楽しそうな声がするのに。
このようなことが起きたのは、約470年前の魔王復活の際や、つい最近のドラゴン大量発生事件の時以来だ。
(ドラゴン...?)
ハッ...!と声を出し振り返ると、待っていましたとばかりに自分の側近、
防衛大臣が膝をついていた。
「大臣よ。至急、龍神の大森林へ調査団を派遣してくれないか」
大臣は、仰せのままに。と言いその場を後にした。
男は息を吐きながら、
(各国々もこの事態を察知しているだろう。だとしたら国際共存防衛会議を開くことになるか...)
男はそう考え、自分もその場を後にした。
精霊たちはまだ騒がしい。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
同時刻...
「いつになったらここを出れるんだ?」
そう呟きながら、霧が立ち込めている深い森を歩き回っている。
俺は赤城 真琴。
元々アメリカ陸軍に所属していた日本人で、上海を攻撃する作戦で戦死(?)してしまった。
だが不思議なことに、生きていてこの深い森の中を彷徨っている。
目が覚めたら目の前にドラゴンが立っているもんだから驚いたよ。
すごいことにピストルで倒したものだからまたもや驚き。
走馬灯か夢かと思ったが、違うようだ。
一度眠ったのだが、また目覚めることができたのだ。
現時点で言えることは、自分はまだ生きている、ここは自分のいた地球ではないことだ。
さて、過去のことはこれぐらいにして、俺は困っている。
俺は歩くスピードを速めながら考える。
実はというと、この森に迷い込んでから約三ヶ月が経過している。
同じところをグルグル回っている訳でもないはずなんだが...
「ん?」
俺はふと足を止めた。
そしてガクッと膝をついた。
目の前には燃え尽きた後の焚き火の跡と横倒しにされている丸太が置かれている。
ついでとばかりにドラゴンもいた。
...............
「ああああああああああああああああああああ!!!!!」
ふざけんな!なんでまたお前がいるんだよ!
俺多分一日に最低3回はドラゴンに遭遇してるぞ!?
どうしてこうなった(困惑)
「はぁー...しゃーないな...」
俺は呆れながら少しずつ後ろへ...
それに釣られドラゴンも、
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
「うるっせええ!!!」
諦めてColt M1911を抜いてこう叫んだ。
「俺は今非常にイラついているからお前を殺す!」
ドラゴンは胴体がやたらとでかい。なので照準を覗いて撃てばOK。
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
ズドン
重たい銃声が森の中に響いた。
銃口からは、煙を吐いて目の前の現状を知らせている。
そこには(以下略)
「はぁ...」
俺は丸太に腰掛けてため息をついた。
いったい何度ドラゴンを倒せば良いのやら。
いつになればこの森から抜け出せるのか。
そう考えてたらいきなり腹がググぅとなった。
「飯でも喰うか...」
と、俺は立ち上がりドラゴンのところへ振り向き、
「ん?」
そして気が付いた。目の前に蒼く、そして薄っぺらい板みたいのが浮かんでいた。
言い忘れていたが、俺は銃を一発撃つたびに体がだるくなりいつも眠ってしまう。
今回はどういうわけか、だるいだけで済んだ。
とりあえず目の前にある蒼いボードを読んだ。
レベルアップ!
【銃種:デザートイーグル】がアンロックされました!
「......は?」
プスン
ウィンドウは消えた。
もしかしてだが...
俺は右手を出した。
......思い出したんだが、さっきのウィンドウはどうやって出すん...
スッ
ウィンドウが出現した。
「...OK。よく分かった。」
俺はウィンドウをもう一度よく見た。
なにやらたくさん項目がある。
【状態】【体力】【精神力】【魔法】etc...
その中からさっき見えた【銃種】を押してみる。
シュパパパパパパ
上から雪崩の如く銃の名前がスクロールされていく。
それは数分後にまで続いた。
さてと、なになに?
【拳銃】に【突撃銃】、【散弾銃】や【短機関銃】が、挙句の果てには【軽機関銃】や【狙撃銃】もある。
つまり...
なんということでしょう!
こんなにも銃がアンロックされてました!
ちくしょう。
もっと早く気づけばよかった...
と、悔やみながら丸太を蹴る。
蹴るたびに丸太はへしゃげ、粉々になるのだが気にしない。
そういやレベルとかは?
画面を閉じ、【状態】を押した。
【銃種】とは違い、ものの数秒ですべて表示された。
...ん?
思わず目の前の光景に立ち眩みしそうだった。
よくステータスとか確認してみよう。
えーと、【HP】(注:HPやMPの値は状態から確認できる。項目のHPやMPは能力値を上げたりスキル解除等を行うことができる)から見てみよう。
(注:【項目】最大値/現在値)
______________________
マコト・アカギ 《Level.100over200》
【職業】Gunner
【種族】人間
【性別】男性
【年齢】検索不可
【SP】900000
《ステータス》
【HP】55000/2000
【MP】49500/500
【ATK】44000
【DEF】30000
【MATK】60000
【MDEF】45000
【AGI】50000
【DEX】EX
【EVA】50000
【EXP】6500000 NEXT➤500000
【称号】なし
《装備品》
【頭】なし
【胴】皮の服+2
【靴】皮の靴+2
【アクセサリー】なし
【武器】メイン:Colt M1911+10
サブ:錆びたナイフ+4
【使い魔】なし
【ゴールド】0
______________________
「......」
ん?見間違えではないよな...?
「はあぁぁぁああああああああ!?」
ツッコミどころがありすぎる!
なんだこのステータスのバラメータ!
当たり前のように一万は超えてるわレベルは100なぜか200も超えてるわDEXはEXで確定ヒットだわ...
待て待て俺...。本当に落ち着こう。
バラメータはヤバいにしろ奇妙な点がある。
まず、【年齢】。なぜか検索不可と表示されている。現実だと28歳独身であり童貞でもあったはず。
ムムム...?
考えても謎は深まるばかりだ。後回しにしよう。
【名前】は異世界流なのか反対になっている。
【ゴールド】は0?
モンスターを倒しても金は入らないのか?ド○クエみたいに。
【装備品】は普通だな。現実では軍服を着ていたし、服は見ても意味ないと思ってた。
これぐらいか?奇妙な点や変わったことについて調べるのはこりごりだ。
「いろいろわかったなら...」
俺は使ったことのない錆びたナイフを握り
「明日から発展しそうだな」
そう呟いた。
そしてなぜか、
竹輪が食べたくなった。
~To be continued~