~現代技術で異世界を救う~プロローグ
暗黒の世、世界は魔物で溢れかえり国や文化は廃れる世になろう。
国々は混乱し、互いに争い、解決もせず滅びゆく未来を迎えかねない。
このままでは世界は消滅してしまう。
その時、世界のどこかで革命が起こる。
神から加護を受けた三人の勇者と一人の賢者がこの世界を浄化する。
さすれば世界は再び安息の地へともどるであろう。
四人の英雄たちによって......
死ぬならせめて、何かをしてから死にたいと思うことがあった。
軍人である俺、赤城 真琴はいつもの訓練にうんざりしていた。日本人でありながらアメリカの陸軍に所属してるっての変な話なんだが、ガキの頃からアメリカに引っ越してきたし、軍人になりたいって夢もあった。
訓練ではいつも好成績を納め、俺が所属している歩兵師団でも注目の的だった。
そんな毎日を過ごしていたある日、司令部から任務が来た。
この歩兵師団に任務が来るのは7か月ぶりだった。最後に受けた任務は、
【アフガニスタン独立過激派鎮圧作戦】だった。現アフガン政府の不満をきっかけに作られた独立組織で、ロシア連邦からの援助を受けて行動していたらしい。そこでアフガン政府は、アメリカに救援を求め、俺たちは出撃した。この作戦はアメリカ軍の圧勝に終わった。
俺の歩兵師団では、俺達(以下省略)がMVPともなった。しかし、それからは全く任務が来なかった。
なお、今回の作戦は【上海上陸作戦】。
つい最近、米中間での国交が分裂。中国人民解放軍、縮めて中国軍は、核ミサイル攻撃を開始。アメリカ合衆国に宣戦布告してきた、というのを聞いたことがある。
そこで今回、国の主力都市の一部である(他国についてはよく知らんが)上海を攻め落とすというものだ。
俺たちの歩兵団含め、200師団と少ない気もするが来週決行する。
ここでもまた戦争が始まるのだ...。
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2028年6月18日 10:37
赤城 真琴PFC
中華人民共和国
【上海上陸作戦】
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「ぐああぁぁぁぁぁあああああっ!?」
被弾した。胸や腹などではない。顔にだ。
正確に言えば片目に被弾した。
右目が見えず、血が流れている感触があり、激痛が体中を走る。
幸運だったのが、銃弾が脳にまで達しなかったことだ。
多分狙撃銃によるもの。
M4A1などの5.56㎜弾や、AK-47に使う7.62mm弾と比べると、口径が大きい弾薬で発砲しただろうが、最新製の軍事ヘルメットの防弾製向上のおかげで右目だけで済んだ。
次々と発砲する音が聞こえる。
戦争が始まったのだ。
そのどさぐさに紛れて誰かが近づいてくる。
医療機器を持ち、武器の類を少なめにして、ヘルメットに赤十字、
【衛生兵】だ。
「I'm a medic!」
すぐに俺にモルヒネを打った。モルヒネは、ケシから作られる鎮痛剤であり、毒薬でもある。
日本では規制されてるとか。
「I'm sorry.」
痛みは緩和され、今にももう一度いけそうだが、眠い...。
モルヒネによる副作用だろう。
仮に動けたとしても、右目を負傷していればサイト(注:銃に付けられている小さい出っ張りや照準のこと)も覗けない。
安全な場所にいくしか...。
「It ’s a mortar!」
誰かがそう言った。その直後、爆発が数回起こり、爆発音と兵士の悲鳴がこだまして、一瞬にして地獄と化した。
ヒュウウウウウ...
何かが落ちてる音が...これは...
頭上を見上げると...
(迫撃砲!!まずい...!?)
このままでは自分はおろか、近くにいる衛生兵やほかの兵士にも被害が加わる。
そこで俺は咄嗟に考え出した。
実行すれば自分の身が犠牲になる。
だが、近くにいる衛生兵は助かる。
簡単すぎる思考の末、俺は行動にでた。
治療を行っている衛生兵は迫撃砲に気づいてなく、治療に専念していたようだが、それをお構いなしに突き飛ばした。
その空間には俺一人。
迫撃砲との距離が、嫌でも狭まってくる。
もう助からないと覚悟した俺は頭の中で、両親の顔を思い出した。
母はとても優しく、厳しかった人だった。父も厳しいことが多かったが、性格はとても優しい、思いやりのある人だった。
二人とも「人を守るなら、命を張って守りなさい」と言っていた気がする。
俺はこの約束を守れただろうか。
きっと守れたはずだ。きっと。
ごめん父さん、母さん。そして、ありがとう。
最後にそれだけ思い残した。
あ、あと童貞も捨てたかった。すまんな息子よ...
その後、一つの塊が、一つの命を包み込んだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
やけに気持ちがいい。
これはやましい思いじゃないぞ。多分、そよ風が肌にいい感じに吹いているのが分かる。
そしてこの感触は...草原か?草の上に横たわっている?
上海を奪還して、中央部までやってきたのか?そもそも俺は生きてる?
体の怪我や痛みもない。しかし、目は見えなかった。
だが問題ない。よく周りを探ってみよう。
耳をすますと、鳥のさえずりや川のせせらぎ、大きく羽ばたく音がした。
ん......?大きく羽ばたく...?
疑問に思いながら恐る恐る体を起こしてみる。
そして片目を開くと目の前にはよく澄んだ川、整った木々、ドラゴンが立っていた。
ドラゴン!!!???
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
突然大きな鳴き声を出した。耳が痛...くない?
今度は口から炎を吐いてきた。
あれは洒落にならない!日本製のゲームサイトを子どもの頃やっていたが、ドラゴンの【炎】は、直接喰らうと1500度にも達する熱で標的を焼き焦がし、内臓まで炭にする力を持っている。
そのゲーム通りに進めるとなると...
考えるより前に俺は、炎に包まれた。
が、なぜか体は燃えていない。というかそもそも焼かれている感触がしないのだ。
「GYAA!?」
この様子にドラゴンは面喰っているようだった。
今がチャンス!だと思ったが、バックパックも何も装着していなかった。
だが、革製のホルスターに小さいハンドガンが収まっていた。
【Colt M1911】アメリカ軍が第二次世界大戦頃から採用しているセミオートピストル。その信頼性から何年も米軍に採用され続けている。
俺は銃を構え、ドラゴンに照準を合わせた。
右目は失明しているので、左目で合わせている。
ふと思った。こんな奴にピストルが効くのか?と。
なんせ小口径なのだ。予備のマガジン(注:弾丸が詰め込まれている箱のこと)はいくつかあるが、多分倒せないだろう。
そんなことを考えていても仕方ない。
ドラゴンが迫ってくる。俺は咄嗟に引き金を引いた。
バァン!!
と、妙にいつもより大きい銃声に思わず耳を塞いでしまった。
Coltってこんなにうるさかったか?
いつも射撃訓練で念のため撃ってたけど、こんなにうるさくなかったぞ?
そんなことはさておき、俺は効いてないはずのドラゴンの方に向いた。
そこには信じられない光景が...
多分、体長10メートル以上ある真っ黒だが鱗に光沢があるドラゴンだったはずだ。
だが、俺の前にいるのははたして何だろうか?
人間で言う胸のあたりに直径1メートルはありそうな大きい穴が開いていて、なにやら顔も吹き飛んでいた。
あ、忘れてたけど、二発撃ったぞ。
でー...その元ドラゴンは、大量に血を吹き出しながら後ろに倒れていった。
「...............」
つまりいうと...
俺はドラゴンをピストル程度で倒した???
「はぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!?」
頭の中でなにやら現状分析出来ず、混乱している。
もうどうでもいいよ...
とりあえず寝たい。すごい眠気が襲ってきた。
ドラゴン倒したんだからいいよね?
ていうかもう死んでる身だし、多分走馬灯みたいなやつでしょ。
そゆ訳でお休み。
寝てしまった。
そんなだから、目の前に謎のウィンドウが表示されていることに気づくはずがなかった。
はじめましての方ははじめまして。
前作の17歳で死んだ青年(ryを読んでくださった方はお久しぶり(2020/11/24現在、視聴者0)。
くろのあこと辛子 よんななです。
相変わらず文章力が低く、小説内でもある意味ぶっ壊れてます(笑)
今回の物語は、前作と同じく主人公がぶっ壊れキャラであります。
特に今回は軍人だということもあり、このストーリー大丈夫か?って思うかもしれませんが、
そこはどうかご了承ください(願望)
もしよろしければ、17歳で死んだ青年、異世界にて活躍する。もよろしくお願いします。
つづく
○余談
弟「なぜ作者名は【辛子 よんなな】なんすか?」
我「ソ連が好きだからです」
弟「名前の由来とは?」
我「名前はソ連のアサルトライフル【AK-47】からきてます」
弟「詳しく教えてください」
我「辛子はAK-47の作成者、ミハイル・カラシニコフから。よんななはそのまんま47からきてます」
弟「だs...」
我「粛清」
弟「あ、すんません許しt...」
つづく...?