あの子との思い出
第二回開催は参加者7名(内3名が新規)、投稿作は9作品でした。
誰が複数投稿したのか分からない、かつ異常なまでに模倣が横行したため、本格的な人狼が始まりました。
今週は作品数が多いため、水曜日と金曜日は二作品を時間差をつけて投稿します。
「次は~要町~要町~」
電車のドアが開き、眠たい体の歩を進める。
体が覚えるほど歩み慣れた改札口までの道、見慣れた駅構内。
しかし、一つだけ異なることがある。
両手を寒そうに握りしめ、改札口を見つめている彼女がいる。
俺は眠たい体を奮い立たせるかのように、急いで歩を進めた。
「ごめん、おはよう。待った?」
「ううん、さっき着いたばかりだよ」
「よかった、じゃあ行こう?」
「うん!」
駅をでて、学校へと歩を進める。
外は、曇った銀のような薄白い明るみが広がる中、2人は、手が触れそうな距離で肩を並べて進む。
「凄い霧だね」
「そうだね、こんなに早く学校行くの、初めてだわ」
「なんか、特別感あるね」
「そうだね」
2人は顔を赤め、口を噤む。
指先が何度も触れ合い、緊張のあまり進む方向だけを向き、時が只々、進む。
気付けば、視界に学校が入る距離まで進んでいた。
もう、学校か。手、繋ぎたかったな。。。
いや、手を繋ぎたい。
バクバク心臓が鳴る。
俺は、勇気を振り絞り、言葉を発する。
「手、つなごっか」
「うん、、、いいよ」
おどおどと、互いの手は、歩み合い重なる。
彼女の手は温かく、柔らかい。
「私も手繋ぎたいと、思ってた」
「そうなんだ、よかった」
「もう着いちゃうね」
「そうだね」