類友
「冴木さんあなた虐められてるの?」
美春は突如そんなことが言われて思考が止まっていた。アンタッチャブルな存在として扱われてる節がある冴木美春をわざわざ虐めるような輩はいない。麻野という嫌がらせをしてくる奴ならいるが。年頃の男の子だ、女の子のひとりやふたり揶揄いたいお年頃なのだろう。まったくあいつは私の事好きなのか
現実逃避をしていても何も解決はしなかった。
「ここ、涼しいよ」
「それはさっき聞きました」
「人通りも少ないから、滅多にご飯の邪魔されないし」
「埃にご飯の邪魔されてしまいますよ」
それもそうだ。と感じた美春。
そこで美春は真白をお昼に呼び出した理由を思い出した。
「そんなことよりだ。なんであんたは私にちょっかいかけてくるんだ?私そんな気に触るようなことした?正直このままの状況で隣の席をやっていける自信がない。何か気に触る事をしてたなら謝るし、目に余る行動は控える。だから毎時間喧嘩を吹っかけてくるような姿勢はやめてほしい」
「?」
今度は真白が頭にクエスチョンマークを浮かべた。
今回、こうしてお弁当に誘ってくれたことによって完全にその路線の心配が頭からすっぽ抜けていたからだ。
「私達お友達なのですから、ちょっとした小競り合いくらいは普通なのでは?」
「は、はぁ、?」
真白の返答に理解が追いつかない真白
「誰と誰が友達なんだ?」
真白はただ笑顔を浮かべて、自身と美春を交互に指を指す。その行為に嫌でも理解させられる美春。
こいつにとっての友達の距離感はアレなんだ。
「なぁ天地。日本じゃアレは喧嘩を売ってるっていうんだぞ」
「!?」
とても驚いてる様子。なんとなくこの後この会話がたどり着く先が予測できてしまい、美春はもうどうでもいいやとなっていた。
「外国じゃアレくらいの言い合いは笑って終わるんです!」
「カルチャーショックって知ってるか?」
「文化の違いでショックを受けることでしょ?それくらい知っています!」
「まさにこの状況だな。日本じゃウェーイで済む間柄の友人なんて滅多にできないよ。皆空気と表情を読み合って相手を怒らせないように生活してるの。分かる?どゅーゆーあんだぁすたん?」
カルチャーショックで膝から崩れ落ちるみたいなことはなく。ただただ存在感が薄くなって無言でお弁当を食べ始める真白。
焦点があっておらず、ただもぐもぐと次から次へと料理を運んでいく。その風景を妖怪でも見ているのかという目で眺める美春。
「天地?」
その一言でついに天地ダムは決壊した。
顔は真っ赤になり、目をぐるぐると回しながら料理を頬張っている。ちなみにそれは私の弁当だ。何してくれてんだ。
「恥ずかしいです」
「ん、なんだって?」
「恥ずかしいです!これじゃ今まで私が周りの人に常識知らず、ノンデリ、空気読めない人!みたいに思われてるかもしれないじゃないですか!」
だんだんと自分の置かれている状況に整理がつき、顔を茹で蛸のように赤くする。
「そうだな天地は、常識知らずでノンデリで空気が読めなくて、この学校のアンタッチャブルに平気でタッチしに行くお馬鹿さんというわけだ」
あ、あ、あ、とまるで小くて可愛い生き物のように言葉を発する可愛い生き物を見て、ちょっと美春にも嗜虐心のようなものが芽生えてきていた。だからこそこの場でもっとも効きそうなこの一言を
「ようこそ。嫌われてるかは微妙だけどただ確実に人は寄り付いてこない側の人間へ」
「私のジャパニーズスクールライフはどうなるんですか?」
「さぁ?でもいいこと教えてあげるよ」
私の差し出した飴に簡単に飛びつく真白。やっぱり日本の学校では友達とアレやコレをしたいと思っていたのだろうか。
「あ!分かりました!冴木さんが友達になってくれるということですね!」
「不正解!正解は私にはバスケ部という友達がいるのでした!」
「私も友達にして!」
その後今までの鬱憤ばらしのごとく美春によるドSが発動し昼休みまでお友達交渉は続いたのであった
「お、おともだち!」
人気の少ない階段裏
でも決して人が通らない訳ではない
それに美春の付近には奴ら、美春の親衛隊がいる
「美春様は変わり者と仲良くする傾向があると」
変な人の周りには変な人が集まるのだな。と感心した幹部であった
通勤時間に書いてます!(だいたいいつもねている)




