冴木の番犬vs淑女?天地真白③
「おはようございます」
「お、おはよう」
冴木美春が登校した時には、すでに彼女は席に座り特に何かをするわけでもなくその場にいた。
さすがにこのままの状態では身がもたないと昨日感じた美春は挨拶を返す。
無干渉なら何も思うこともないのだが、ちょっとでも干渉してしまったが故の気まずさと、私の事をあまりよく思っていない人や、いろいろ尾鰭のついた噂で転校してきてきたばかりの彼女を巻き込むのは申し訳ない。
この時の美春には真白と仲良くなるという、手段を取るよりとことん疎遠となる方が手っ取り早いのでは、という考えが浮かんでおり、なんなら仲良くなるという案よりそっちの案の方が優勢であった。
「冴木さん」
「な、な何?」
この気まずい感じの中、声をかけられるとは思わず思わず狼狽える。
「今日のお昼ちょっといいですか?」
「.....」
1番予想していなかった言葉に先ほど同様私は狼狽える。こいつの意図が読めない。なんでわざわざ小言を言ったり、煽ったりする相手を昼に誘うのだろうか。一緒にごはん...そんな仲じゃない。じゃあ...ついにしばかれるのだろうか。有名な家の娘がそんな短絡的な行動をしない事を祈るしかないか。でもまぁここはさりげなく聞いてみよう
一頻り考えをまとめ、心を落ち着かせてから天地への返答をする。
「お昼な、わかった。オススメのお弁当スポットがある」
「っ!、ありがとうございます!」
あ、普通にお昼のお誘いなんだ。と思った。しかし同時にまるで誘いを受けてもらえた事に驚いたのか、なにか怪訝そうな評定を浮かべた天地真白に、なにか引っ掛かる美春であった。それも当然である天地真白としては今朝バス内でクラスメイトに冴木美春という人物をいろいろ聞かされて、何をするか分からない人と言われていたことがあったためである。
天地真白としては「やっぱ私達はお友達だし、冴木さんは優しい女の子ではないですか。なんで笹木さんはあんな事を言っていたのでしょう」というような事を考えて、この子なにがおかしい子なのだろう。という気持ちが表情に出ていただけである。
もちろんそんな表情ひとつでも、ごちゃごちゃと悩んでしまうのが冴木美春という女である。
美春はお昼の時間が来るまで、天地真白が何を企んでいるのかずっと頭を悩ませることとなる。
♦︎
4時間目の授業の終わりを告げる鐘がなるとお昼私はスッと立ち、天地真白に目で行くぞと合図を送ると廊下に向かって歩き始める。
「まっ、待ってください!」
天地も慌てて美春の後ろをついて行く
「ついにキレるのか!」
「あー手出しちゃうのかな」
「逃げて天地さん!」
「美春の様が負けるはずありません!遺体の処理は私たちがいたします!」
私達が一緒に教室から出て行こうとするだけで、教室がざわつく。約1名信者がこの教室にいるらしい。
そのざわつき様と私が一方的悪である事にちょっと、額に青筋を浮かべる
『ホントに手出ちゃうよ!そこのお前!』
もちろんそんな事は口にだして言わないが、今目の前にいる、この男子だけでも1発入れてやりたい気分であった。
でも私には間接的に処すことができる手段があった。もちろんこの男子の事ではないが。
「お前ら...おいたが過ぎるのが1匹紛れてるぞ」
「申し訳ありません。更生させます...」
耳元でそんな声がすると、教室の隅にいた地味目な丸眼鏡の女の子が消えていた。あの子か狂信者は、南無三南無三。
狂信者は信者に任せるに限る。さすが私の親衛隊だいつもいつもいつもいつも私の事見張りやがって。まったく鼻高だなぁ!
「はぁ行くか」
「冴木さんは党首で忍者か何か従えてるんですの?」
「忍者なんていないよ」
いるのはアホ信者だけ。
美春ははぁとため息をつきながら、やれやれと歩くその後ろ天地真白はこんなやりとりでも実に友達を感じて楽しくて仕方ない様子であった
「さぁお昼ご飯にしよう」
「え、ここは...?」
ここまで色々な事を持ち前の感性でスルーしていたがここにきて初めて冴木美春という人物に対して、引くという行動を取る天地。天地はてっきり屋上なりテラスなりお昼できる場所があって移動しているのだと思っていた。しかしそんな希望は簡単に崩された。
「え、階段下...だってここ涼しいし..えっ?」
「冴木さんあなた、いじめられてるの?」
冷たい空気流れたが、それは2人のこの地獄の様な空気のせいなのか、春の寒風がここまで流れてきてできた冷たい空気なのかは誰にも分からないものであった
言葉がすらすら出てこない!
こりゃ大変だ




