冴木の番犬vs淑女天地真白②side天地
リハビリがてらちまちま書いていきます
side 天地真白
「寝癖ok、制服のよれ、シワ無し教科書もうん大丈夫」
私天地真白の朝はちょっと早い。身支度はもちろんのこと、朝食の支度は私がこの家で担当しているからだ。母様も父様もお仕事に行くのが早く、帰ってくるのは遅い。だからせめて朝食くらいはわたしが作っているのだ。お手伝いさんを雇えばいいと思うかもしれないが、友人や身内以外が自分達がいない間に家にいるのが怖いだとか何とかでお手伝いさんは雇っていない。
そういう両親のもとに生まれてきてしまったのだからしょうがない。
去年までアメリカの日本人学校にいて、3月に日本に来た。旅行や両親の出張で何度か遊びに来たことのある日本だけど、移住することになるとは思っていなかった。もちろん日本語は扱えるし、英語も扱える。だからそんなに引越しに関して怖いとか、不安という感覚は覚えなかった。
身支度を終え程よい時間になったので、マンションから出てバス停に向かう。
バスの中では後ろの方は同じ学生が陣取ってしまって座れなかったので、前の方で立って乗車する。
『冴木美春さん、、、今日こそはちゃんとお話しできるかしら』
私の横の席に座る冴木家の3女冴木美春さん。
転校してきてここ2日で出会うたびに、心の距離が離れていってしまっている気がする。
昨日もお昼に誘おうと思ったが、殿方に誘われて廊下に出ていってしまった。冴木、あの会社の社長令嬢であるならそういった関係の男性がいてもおかしくは無いから引き止めることはしなかった。
『それを差し引きしても、私避けられてる?』
冴木さんは私と目を合わせてくれたことがない。何か話題がないかと思い話しかけても、嫌な顔されてしまっているように感じる。授業中に寝ているからちょっと声をかけてみたりしただけなのに。
他にも冴木さんは私が転校してきた初日でちょっと怒らせてしまった。それが跡を引いているのかもしれない。姉妹がいるということなので冗談混じりに話してみたのですが、反応はイマイチどころかちょっとイラッとしていたようにも見えた。
アレくらいの言い合いは友人間であればよくあることなのではないのでしょうか。
お家のことを話題に出せば何かお話しを引き出せると思ったのですが。
お家のことは言いっこなしよ。くらいですんで後は仲良しみたいな流れだと思ってたのですが。
今までの何となくとっていたコミュニケーションのやり方が通用せずに困惑する真白であった
「天地さん、おはよ」
バスの慣性に対抗するために強く吊り革を掴んで、耐えていると。乗車してきたであろう女生徒から声をかけられる。この方は見覚えがあるクラスの人だ
「おはようございます。笹木さん」
挨拶はした。しかしけど話題がない。
冴木さんみたいな微妙な反応をされたらどうしよう。と二の句を継ぐ事を躊躇っていると。笹木さんから話を振ってくれた
「学校慣れた?」
当たり障りのないお話し。
どう返すのがいいのだろう。今までの私なら「まだ3日目ですよ。どこに何があるかさっぱりですね。よかったら案内してもらえません?」みたいな返答をしていた気がする。いやきっとそうしていた
「まだ慣れていませんわ。お友達もできてませんし。日本の学校難しいですね」
こんなに言葉を選んで同世代と会話するのは初めてで、全身が強張る
「だよね。よりによって冴木さんの隣のだし」
聞き捨てならないことが聞こえてた
「冴木さんの隣だとマズイのですか」
純粋に疑問であった。
「上2人はいい子なんだけど、美春さんはちょっと関われる人が限られてるというかね。女の子達には結構人気なんだよ。カッコいいところあるとか、狼の群れのリーダーみたいって。でもバスケ部の女の子達意外と仲良くしてるのは見たことないし。その冴木さん男の子が相手でも喰ってかかるというか。去年も男子3人と殴り合いして、倒したなんていうのも聞いたことあったし。」
思った以上に凄い子であるとが、次々と判明していく。日本の女の子はああいった女の子が好きなのか。
私は冴木美春さんはカッコいいというか、可愛いと思うのだけど。目元の隈を無くして、前髪を整えるだけでかなり化けるとおもうのだけど
「冴木さんに喧嘩売るのはやめときなよ。まだ冴木さんが買ってないから大丈夫だけど。何するかイマイチ分からない子なんだから」
「そんな話を知っていて喧嘩売る人なんていますの?そもそも人に喧嘩を売るなんてことするわけないじゃないですか」
「????」
「はい...?」
笹木さんの目は何を言ってるのこの子?みたいに信じられないものを見ている様なものであった。
私が何かしたのだろうか。私が知らないところで私が迷惑をかけているのかもしれない。
そう思った天地真白は、自分が何かその件に関わっているのかを聞いた。
そうすると彼女が思っていなかった返答が来た。
「え、?休み時間のたびに小言言って喧嘩売ってるじゃん」
「え、私が?」
更に深く聞こうと思ったが、そのタイミングでバスは学校の最寄りに着いてしまい。
用事があるのか、笹木さんは「また教室で!」というと早速さと降りてしまった。
私は何が何だか分からず頭が真っ白のまま校門に向かってトボトボと歩き始めた




