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冴木の番犬vs淑女天地真白①

約4年ぶりの執筆となりました。

過去の話を読み直し加筆、修正を行いました。更新頻度は決して多くないかもしれませんがまた、マイペースに、書いていこうかなと思っております。

よろしくお願いします


修正点としてストーリーの展開や設定を一部変更しています。

とは言え最終更新が2021年とかなので、今更覚えてないよという方は、よければ思い出しがてらに過去話を流し読みしていただけると嬉しいです

天地真白が転校して来て2日目の朝。

寝癖をつけた状態でリビングでトーストを食べていると、後ろから櫛で髪を解かれる。


「まったく寝癖くらい直してからリビングに降りて来なさいよ」


「うるはい」


この家で人の身だしなみに煩いのは母親と雪穂だけだ。お母さんの場合櫛でコツンと頭を叩かれてから櫛を倒すので、無言で解かし始めた時点で雪穂で確定なのだ。髪絡まっているのか途中で何回か櫛が引っかかり頭が後ろに引っ張られる。その度に「ごめんっ」でちゃんと謝られるので怒るに怒らないし、何ならやってもらってるからそもそも文句の言いようがないのである。


「ちょっと長くなってきたね」


「しばらく切って無かったからね。毛先とか酷いでしょ」


「酷くなってるの分かってるならケアしなさいよ」


最後に髪を切ったのは去年の秋ごろだっただろうか、ショートヘアだった髪もちょっとずつ伸びて首筋あたりにかかるように揃えていた髪は、もうすぐ肩につくのではないだろうかという位置まで伸びていた。

毛先は枝毛で跳ねていたりするがこれでも、たまに雪穂がお風呂でちょっと枝毛だけ処理してくれてたりする。

最近私の身の回りを整えるスピードがだいぶ早くなって専属の侍女なのではとも感じる時がある。


「隣の席天地さんなんだから余計に小汚く見えるわよ」


「小汚いって..私は捨てられた子犬かなんかなの」


「似たようなものでしょ」


最近何かこういろいろ諦められた気がする。

扱いが雑い。成長してきてちょっとサバサバしてきたというか、でも私が怪我とかするとすごく心配してくれるし、この子は今後どうなっていくんだろう


そんなやりとりがありつつ学校に到着し、教室に入るとアレがいた。

別に悪いことではない至極当然のことなのだが一度苦手スイッチが入ってしまうとなかなか近寄りたくないというか


「おはようございます」


「っすぅー」


息を吐くようにスーっと言うと「おはようございます」「ありがとうございます」「失礼します」などいろんな形に変化する便利な挨拶をする。ありがとう日本語


「相手が目下でも目上でも挨拶はきちんとしないといけませんよ?ましてや私達は生徒同士対等関係なのですから挨拶は大事です」


「あ、はい。すいません」


「す''み''ませんですよ。正しい言葉を使いましょう。冴木のお家の方なのですから意識をしっかり」


う、うぜぇぇぇぇぇ


「あ、はい」


そこから昼まで私の一挙手一投足に小言を挟んでくる。お小言は雪穂で間に合ってるのに。この際誰かの席に話に行ってお小言タイムを回避したいがこのクラスには知り合いと呼べる知り合いはいない。そのくせにクラスの奴ら元からの知り合いが多いようだ。まったく誰だこんなクラス配置にしたやつ出てこい


お昼ご飯を忘れたのでぼーっとしながらそんな愚痴を頭の中で延々と述べていると、教室の外から誰かから呼ばれる。私はここぞとばかりに目を輝かせて廊下を見る


「美春ちゃんお昼先約いない?」


「お前かぁー」


麻野だった。

バスケ部はバスケ部でも男子バスケ部の厄介者が来やがった。どうなってるんだ女バス!私はここだ誰か誘いに来てくれてもいいんじゃないか!


でも麻野の登場は今の美春とっては渡りに船であった。天地真白から自然に離れられる絶好のタイミングであった。しかも麻野は弁当袋を2つ持っているこれは御相伴に預ろうじゃないか。


「さえのきさん..あ」


「あ、ごめん」


立ち上がって廊下に向かおうとする際に天地さんの支えに腰が当たってしまった。このままでは小言が飛んでくる。

こういうのって学校生活じゃよくあることだし、ごめんで大丈夫だよね


「麻野お呼びじゃないけど助かった。そしてありがと。んじゃ」


「えっ...」


美春に弁当袋を一つ取られそのまま美春はテテテっと小走りでいなくなってしまった。

昼食を誘い素直に来てくれて気分が良くちょっと舞い上がっていただけにショックを通り越して唖然していた。



階段下の小さなスペースの死角で貰ったお弁当を食べていると階段の途中で立ち話している女生徒の声が聞こえて来た。


「2組の天地さんいるじゃん、めっちゃ可愛くない?」


「これぞ淑女というか大和撫子というか。オーラが違う」


「でも冴木さんによく噛みついてるよね」


「あの番犬に噛み付くのは良くないよね。あの子陰湿というか変な気配だし。上2人はあんなに立派なのに」


「このうち本当に噛みつかれちゃったりね」


「バレンタイン近くにあった麻野君の騒動も実は冴木さんが解決したって噂もあるし。ほっぺに痣も作ってたから男3人と戦って武力制圧したとかも聞くしね」


「こわー」


階段下でうんうんと頷きながら、借り物の箸をぎりぎりと握り潰さんとする。


『え、私ってそんな感じになってるんだ。しかもだいぶやばいやつ認定というか。てか武力制圧はしてないし麻野に続いて今度はわたしの噂も流れてたのか。そういうのってどこから流れ始めるのだろう。あ、玉子焼きうま』


大好きな甘めの玉子焼きに思考を持っていかれた美春だったが、同時に隣の席の天地真白との関係をもう少しどうにかできないものかと頭の隅で考えるのであった。


『このままじゃ、私が気疲れで倒れちゃう。あ、シャケうま』



執筆スピードが落ちすぎて衰えを感じました。

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