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私と俺

乳歯でも折れたら病院に行きましょう


※麻野編は割と早く終わります

「こんにちは、皆さん来て下さりありがとうございます」


冴木の者として習った礼儀作法を全開で、声音は優しく軽く頭を下げる

目の前にいるのはもちろんあいつら


場所は学校の裏の方にある告白スポット


「え、なになに?」

「美春ちゃんじゃん」

「話題沸騰中の?」


中1男子にしては筋肉も身長の発達もかなりの物だ。正直逆鱗にでも触れて3対1になったら少し厳しいかもしれない。

だから今回はひたすら下に出て行こうと思う


「お話があるんです」


「「「?」」」


「一緒に陽太……麻野の野郎を地の果てまで墜としませんか?」


「「「!!?」」」


三人はあまりにも突然の事で私が何言っているのか分からないといった様子である。


「私あいつの彼女じゃないですか」


「う、うん」


「正直期待はずれもいいところでしたよ。ホントつまらない男です。いくら人気が無くともソレがそれなりなら良いと思ってたんですがね〜」


「え?それって…」


キモい反応するなっての…まぁ意味深な言い方してるし、それが目的でもあるしな


「まぁそれは置いといて。あいつ私の…”冴木”の期待を裏切ったので処します」


私が名前でなく、冴木という一般層の人からしたら絶対的な権力をちらつかせると、3人の内二人が後ろに下がり、英村の影に隠れる。これくらいでビビるなよ……いや、前世の私ならビビるどころかもう土下座してたな…情けないな…


「私知ってるんです。今の麻野の周囲の評価をここまで下げたのはあなた達だってこと」


「な、何言ってるんだ!?」


「そうだよ!」


「そんな事」


ふぅ…ここからはもう何も言わせん


「なぁ…お前らさ、状況分かってない?」


自分でもここまで低い声が出たのか、と関心するくらい低く冷たい声。きっと私…いや俺の本質的な部分の一面なんだろうな。自己中心的なマッドサイエンティスト。新川優雅という私に宿っている俺という人格


後は任せるぞ俺


「しらばっくれんなら"俺"が証明してやるよ」


「お……れ…?」


困惑する英村達を無視しポケットから印刷した数々の写真を見せつける。俺の靴箱に群がっている物や部活中に麻野の水筒に何かを入れているところ、etc…


「まずこれ、これさぁ俺の靴箱の前だよね?何してんの?」


「そ、それは…ら!ラブレターでも入れようかと思ってたんだよ!俺君が好きだったから」


「わぁ!嬉しい!……ふざけんなよ?」


「ひぃっ!」


逆ポケットからもう一つの別アングルからの写真を見せつける。そこにはしっかり持ち去る姿が写っていた

こればっかりはあいつ等も黙り込んでしまった。


「いつになったら俺のに内履き(ラブレター)はくるのかな?」


「それは…」


「と、まぁ。本題はさ、麻野を一緒に潰そうって話だろ?」


俺は少し口角を上げて微笑みながら話す。さも、今から麻野を潰す光景を思い浮かべ浮かれているかのように


「分かった!それは協力する!」


「でも、なんで俺等って分かったんだよ!あいつをあの手この手で追い込んでいた事をさ!」


「冴木ですから」


はい…証言いただきました。


このいじめはどっちかというと噂がメインのいじめであるため、証拠が残りづらい。だから「やった」という言質が欲しかった

だから今朝靴箱から靴がなくなっていたのは、こいつらにコンタクトを取ることができる願ってもない状況だったのだ。


「へぇ〜やっぱお前等だったんだ…」


麻野の写真だけを見せても、私が庇護しているという疑いを持たれてしまう。だから私の写真を最初に見せた。

そのうえ麻野対してのいじめの証拠は写真としてあるので、脅しの材料に使える。しかしこのいじめの噂は広がり過ぎた。

だから、解決策は1つしかない…こいつらが皆の前で謝り、全言を撤回し訂正する事だ。


誤算としてはこんな早くに真実を吐くとは思わなかった。やはりただの若気の至りによる嫉妬の行為なんだろうな…

だからといって許す訳じゃないんだけどね


「……?」


「……?」


「……!」


どうやら椎名は私に嵌められた事に気づいてしまったらしい。

勘のいいガキはキライだよ

でも、まだタネあかしはするわけにはいかない

更に俺による威圧をかけていく


「その他に何した?」


「……」


「言え」


近くに植えてある気を思い切り蹴り木を揺らすことで脅す。

少し上段に蹴りすぎてあいつらに少し下着が見えてしまったことが少しの後悔であった。


「あ、麻野の…になりすまして…」


椎名はもう逃げ切れないと悟り、ぽつぽつと語り始めた

素直なガキは好きだよ


「メーr「なぁ!本当にあいつを潰すのを手伝ってくれんだよな!なんだよこの雰囲気!まるで俺等の悪事を暴いてるみたいじゃねえか!」」


「英村…そうだよ…冴木さんは俺等を貶めるつもりでやってるんだよ。冴木さんの全部嘘だよ…」


「「な!!?」」


「さすがバスケでポイントガード(※バスケのポジションであり司令塔)やってるだけあるな。いい目してるよ」


なんにも関係無いだろそれ

冴木美春の顔が怒りが一周して呆れ顔になったのが俺には何となくわかった


椎名は諦めた表情、日井川と英村は血管を浮かばせるほど拳を握りしめ相当キレてるご様子だった。もう最初の「美春ちゃん」なんて呼ぶ余裕がない


「冴木てめぇ!」


「お前ら如きゴミ以下の人間がが名誉ある冴木の名を呼ぶな」


「ふざけるなぁ!」


「結局中坊は中坊だな…救いようがない。いや俺にこいつらを救う気がないだけか」


まだ中学生だどうとでも更生できるはずだ。

だが美春はそれを面倒くさいの一言で諦めていた


痺れを切らし襲いかかってくる日井川をじっと見る。

この感じはただの虚勢の脅しだ、殴る気は無い。まるでアライグマの威嚇だな。

それに凄く遅い。これならバスケ程のスピードスポーツをやってるものなら躱せる


だから私は当たるはずのない拳に当たりにいった


ダン!


私は頬を殴られ口の中で硬いものと、鉄の味を感じた。


「お…お前!何してんだよ!」


「あ、当てる気は…ビビってくれればそれで…」


「歯折れたぞ!」


ふっ…安心しろ乳歯だ。中1ならまだ生え換わってない人もいるだろう。私は成長が遅いんだぁ!

でも、この威力を受け身無し、受け流し無しで食らったので青痣は確定だろう。まったく乙女の柔肌に何してくれんだ…


私は吹き飛び、倒れた体を持ち上げ、正面から睨む


「傷害に名誉毀損、軽犯罪法違反、暴行分かりやすい物でもこれだけの犯罪だな。法律なんてあまり分からなくてもこれくらいは該当してるだろうな。まぁ私も証拠を掴むための盗撮があるからな。でもこれくらいならもみ消せるか」


もちろんもみ消すなどできない。犯罪は犯罪である


もうずっと俺のターンだ

ポケットからボイスレコーダーを取り出し見せつける。

それを見た瞬間3人は完璧に心が折れたみたいだった

普通に後に残る様な怪我を女子にさせた事が何より堪えているようだ


「それで?麻野に他に何したって?」


再度聞く


「麻野を装って大量に女子メールしたり…」


「麻野を装った夜襲もした」


「夜襲?」


「下校時間とか塾帰りの女の子狙って…」


「どうしようもないクズだなお前ら」


それで、噂と女子からの批判で麻野の印象が固まってしまったのか。麻野の噂が5月に入ってた少しした頃から流れていたからそんなに早く行動してたのか。その行動力をなんで他に活かせないかね


「なんで始めた?」


「同級生として同じバスケ部入って…容姿も身長もバスケも何もかも負けていることが分かって、悔しくて」


「はぁ…子供、くだらな……いや、これに関しては人間心理になるのでは…?」


どうにしろ隣の芝は青いってことか。あいつの能力が欲しい、あいつの容姿がいい。自分に自信がないほど方感じてしまうものなのだろうか、私は前世でも心理学なんて学んだことないからわからないな。私だって同じ顔であるはずの雪穂や彩夏の顔の方が整っていて羨ましいと感じている。


「まぁお前らさ、まだ中1だろ?あいつがたまたま発達が早かっただけだろ?お前らだって成長期なんだから体も技術も越せる可能性はあるだろ」


「それは…」


「あいつの成長が止まってから一気に追い抜けよ。大器晩成で合法で陰湿で1番ダメージの入る時まで待って、隙を狙って追い抜けよ。自分が強いと思ってる奴にはそれが一番効く」


「なんでそんな事。陥れるのは嘘って…」


「つまり、麻野の事は好きなんだよね…?」


「は?ざけんな、誰があいつのことなんて。次好きなんて言ってみろ歯折るぞ?」


歯が折れたのは俺(私)だっつうの


「ひぃ!」


って事で、こいつらの掌握は完了


私の役目は終わり



後は



麻野のターンで終わりだ


「明日の昼、教室に来いよ?」


「え…?」


「そろそろ面倒臭いいざこざに終止符を打つんだよ」


ズキズキと痛む頬を緩め軽く微笑んだ

感想や評価してくださっている皆様、感謝申し上げます。

これからもよろしくお願い致します

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