閑話2 彩夏
「ん……」
「あ!起きた!」
私はリビングで春の寝顔を見ながらスマホで動画を見ていると、のそのそと起き始める春。
寝癖……はいつもついてるか
「ん?彩夏…?」
「おはよー!随分寝てたみたいだけど?疲れてた?」
「随分…って昼に起こせって言ったから、1時間も…って…え?」
春は壁掛け時計を見て固まっている。
お昼に起きるって…今2時だよ?
「雪穂…起こしてっていったじゃん…」
「雪も寝てるよ〜姉妹揃ってお昼ご飯無しで寝てるんだよ」
私は起きてはいたけどベッドの上でずっとボーッとしていた。頭が働かなかった。
よほど昨日の誕生日パーティーの疲れが溜まっていたんだろうな私ももうあんな感じのパーティーはいいかな〜
面倒くさいし…
「ねーねー。春はどう思う?昨日みたいなパーティー」
「個人的には好かないな。でも社長の娘に生まれた以上はいつか来るとは思っていたからね」
「でも、誕生日は家族でお祝いしたいよね!」
あんな取ってつけたような、お誕生日おめでとうの言葉はいらない。私のことを大して知らない人達にお祝いされてもどうして良いかわかんなくなるだけだよぉ…
あのパーティーは嫌そうだったから、春ならきっと私と同じ気持ちのはずだ
「まぁな。家族といたい感はあるけど。友達に祝って貰うとめちゃくちゃ嬉しいんだよなぁ。新鮮だったわ」
「おおー!春もとうとう友達の素晴らしさに気づいたか!」
「まぁ、悪くないって感じだなぁ」
そう言い春はソファの上で胡座をかき髪の毛をいじる
恥ずかしいんだな。春はポーカーフェイスだけど割と動作に出やすい。
考え事をしている時は親指と中指の爪を合わせて、カチ、カチと音を鳴らす事がある。
嘘や隠し事があるときは、ポーカーフェイスではあるんだけど、不自然なくらいに無表情で話す時がのあるので、割と分かる時がある。
「彩夏〜腹減った…」
「冷蔵庫にドリンクゼリーあるよ」
「わーい(棒)」
自分でかっこ棒って言っちゃってるんだよな…こりゃ本当に疲れてる時だ…春は疲れてる時、おかしい子になるから…
……私もお腹減ったな
「春〜私のも〜!」
「り〜」
そう言いしっかり持ってきてくれた、私の好きなりんご味のドリンクゼリー。春のドリンクゼリーにはデカデカと鉄分と書いてある
「春?貧血?」
「うん……最近立ちくらみ多いし」
「気をつけてね」
「分かってるよ」
因みにこの返事は面倒くさい時に適当に返事する時の声のトーンである。
私ここまで来ると凄いや春の表情のパターンとか多分雪より知ってる!後で雪にも教えてあげよっと
「なぁ…彩夏…なんでそんなにニコニコしてんの?」
「春とお話してるだけで楽しいから!」
「お気楽なこった…」
「春が難しく考えすぎなんだよ〜」
「彩夏が物事を楽観的に捉え過ぎなんだよ…」
考えないで…とは言わないからもっと春には自分を出してほしいんだよな
そんな事を思った刹那、リビングに大きい音が響く
バタン!
「春!ごめん!私も寝てしまっていたの!」
雪だ!寝過ごしたことを謝りに来たみたい
「いいよ、もう、それより」
「あははははは!!雪!春みたい!」
「うぇ!?」
雪の長い髪の毛が寝癖でぴょんぴょん跳ねていて、私に春みたいと言われた事がやや不服だったら敷く、半目で睨んでくる。が…その半目も春の真似に見えてしまう
なので私も手で髪の毛をもしゃもしゃっとしてみることにした。後は半目ですこし眉間にしわ寄せでっと…
「雪!私も春の真似してみた!」
「あら!結構似てるわね」
「お前ら…若干馬鹿にしてるだろ…」
「これで三春だね〜」
「上手くないからな!?」
「あはははは!」
今日も冴木家は平和である。
私はこんな何事でも無い、ありふれた日常が大好きだ
お姉ちゃんが妹が好きだ。
みーんな大好きだ!




