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BIRTHDAYPARTY③

以前出てきた麻野陽太君が正式にレギュラーメンバーとして参加いたします。

いい役かはどうかは置いといてですが…

乾杯の挨拶から1時間と少しが経った


「えー…三女の美春と言います。以後お見知り置きを」


これで17人全員のあいさつ回りが終わったな…

ちなみにこんな私でも手を出してこようとしたものが約3名いた。私と言うものを見て色目を使ったのか、冴木と言う姓だけをみて色目を使ったのかは、語るまでもない。


この男を抜かしては


「なんでそんなに露骨に嫌な顔をするんだい?」


麻野陽太。男子バスケ部の3年のいなくなった新チームで既にレギュラーに入りU16の選考会にも呼ばれたらしい。千尋が言ってた。

文武両道の金持ちイケメン。それに女好きときた。もうタグ付けはいっぱいだっての…


何より嫌いな理由はもう1つ


「その外向けなのか自分を偽ってるのか知らんが、分かりやすい仮面は外せ。不愉快だ」


この嘘くさい仮面だ。探ろうと思っても底がしれず気味が悪い


麻野は周りを一望すると何かをチェックし、息を吐く様に笑った


「雪穂さんも、彩夏さんもいないならいいかもね。で?仮面を外させておいて何しよってんだ?美春ちゃん」


ゾワッ!


こいつの本性が出て見下して、私の体を舐めるように見て、私の名前を呼んだ瞬間に背骨の中を虫が這ってるようなそんな気持ち悪いを超えた嫌悪感と恐怖感に全身が包まれた


「あの、番犬でもそんな反応をするんだね」


だ…駄目だ…私の女としての本能が警鐘を鳴らしている。

足が竦む…手に持ってるグラスを握力で割ってしまいそうだ


「ぱ、パーティーで事を起こすわけにも行かないだろ…」


「そうだね…でもせっかくの誕生日だ、プレゼントをあげないとね」


「……は?」


「僕の本命は君だよ美春ちゃん」


パリン!


グラスは大きな音を立てて握りつぶされた


こいつとの関係は実質5月からになる。あれ以降席替えもして無いし…授業のアクティブラーニング形式の物をしょうがなくパートナーとして選んだりする時くらいでしか、関係は無い。

入学当初から、噂が蔓延するまでの間は彩夏と雪穂とも仲良くはしていた…

ならあの二人の方が関わりが多かったのだから、好意を抱く機会が多かったはずだ………なんで私でもなんだ?正直女子力では圧倒されてるのはずなのだが…


グラスの割った音で周りの視線がこちらに向く


「君は他の女の子とは違う匂いがする」


「ッ!」


蛇に睨まれた蛙の気持ちが少しわかった気がする

本能レベルで怖くて、だから判断を誤った


私はグラスを握り潰したせいで、手が血だらけだ。掌には破片も刺さりっぱなしである。入れていたぶどうジュースのおかげであまり血が目立ってないだけである。


私はそんな血だらけの拳を振りかざし、麻野陽太の顔面へ渾身の一撃を入れようとした、もはや反射での行動である


「っ…!」


そんな習った型も何も無い、武術を習った者からしたらあまりにもふざけた一撃。その一撃は簡単に相手の掌によって止められてギュッと握られる。


中学生になり表れ始めた男女の力基礎スペックの違いを痛感する。と同時に麻野がその気ならこのまま倒す事も簡単だ。その事実だけで今の美春の心を折るには十分であった。


手を握ったせいで手の中のガラス片が更に肉に食い込み、痛みが走る


「はは!ジャンケンに負けたからって怒らないでくれよ」


「っち!」


そう言い放った麻野の目は酷く濁って見えた


今私とこいつはジャンケンをして私が負けて逆ギレした事になってしまった。誠に遺憾だが、暴力沙汰にならないように気を使ってきたこいつに今は感謝しかねない。あちら側もそれは望んでいないと言うだけかもしれないけど。


「私は屈しないぞ…」


「ふふ、楽しみだね」


私は手の怪我を気にしながら医務室に向かった


医務室の者は酔い潰れたおっさんの看病にあたり、医務室には不在である。

私はしょうがないのでピンセットを消毒してから手からガラス片を抜いていく


「いででで!」


ここまでの怪我はこの体になってから初めてである

強いて言うなら部活中に捻挫した事くらいしか、怪我はしたこと無い。


抜いて分かったことは刺さったガラス片は本当に小さい物が、何個もと言う形で、ギリギリ縫ったりとかはしなくていい大きさの傷ばかりだ。傷跡は残るかもしれないが…


「親衛隊…」


「はい…」


どこからかシュバッ!と言う音が出そうなスピードで二人の女の子が出てくる


「本当にいたな…」


二人もここの制服を着ていることから、バイトか何かの類でここにいる事がわかる。もはやSPである、もう私にプライベートが無いのでは?と言う程だ。


「私を守ってくれるか?」


私は気づいていた。麻野のあの本性を出したと思われる顔もまた二層目(・・・)の嘘の仮面だということを。

そしてあいつはわざと私に嫌われる様な態度…演技をした事もわかっていた。


それでも…私はあの男を見ると何故か本能的恐怖で駄目になってしまう。だから私の臣下に助けてもらう事にした。


「御心のままに」


「どこの中二病だよ…てか狂信者…」


「他のメンバーにも連絡し、学校での警備を強化します」


「はは…よろしくな」


「「御意」」


そしてシュバッ!っと消えて行った。

前世忍者かな?


「色々着飾っても…結局私は本当は弱いんだなぁ。それにあいつのあの目」


何か引っ掛かるなと思いつつ、手のガラス片をまた1つ抜いた


「いっー!」


痛みか、恐怖か、はたまた不甲斐なさか、美春の持つピンセットが震えているのは言うまでない…


書いてる私も麻野陽太君は好きではないかも知れません

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― 新着の感想 ―
[一言] 美春さん、軽症、本当にいた親衛隊。 確かに嫌な役だ(落ちるフラグかな。)
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