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投薬

キャラ紹介だけあげてました…

本編第0話です


加筆、修正

2025/05/10

「ついに…ついにやったぞ……」


とある大学院の研究室。その部屋にはその光を一切入れず、ただ中にある機械の音や中にいるとある男のが散らばった紙を、踏む音だけが。響いていた


「これは…世界が変わる!ノーベル賞もんだ!」


目の前には透明な液の入った試験管。

試験管は黒いゴムでしっかりと栓をされ、男の手の動きと一緒にゆらゆらと中身を揺らす。


男は熱が冷めぬままその栓を外し、口元に試験管を持ってくると、コクリコクリと音を立てながら喉仏を上下に揺らす。


全身の細胞が一気に活性化するようなそんな感覚を覚え、体の奥深いところから熱を感じる。羽が生えそうな、腕があと2本程生えそうな感覚に恐怖よりも興奮が勝る

しかし男に訪れたのは、覚醒でも進化でも無かった


「あがっ!」


全身に襲いかかる激痛。骨が溶け細胞が破壊され、細胞同士の結合が離れていく、そんな痛みに襲われる。

男が出来上がったと言っていたこの薬品は性別を反転させる薬。言わば男を女に。女を男にできる予定の薬だ。もちろん飲むくらいだからモルモットで実験をした。そしてモルモットはしっかり性転換を果たした。


「いだ…いー!」


だからイケると思った。思い込んでしまった。目の前の実験結果に早まってしまった。


性転換と言う変化は莫大なエネルギーを使うがために、到底人間には耐えられるものでは無かったらしい。手術による性転換ではない、細胞レベルで全身を変化させているのだ。思い返せば性転換したモルモットもその後決して長く生きなかった。


男は薄れゆく意識の中、それでも後悔も何もなくただ口角を上げて内側からぐちゃぐちゃになるからだのへんかを待った。


新川優雅あらかわゆうが享年28歳 死因事故としてしまつされ。閉めきっていたせいで遺体の発見も遅れた。その体は男にとも女とも言えない、歪な存在であったと言う





ってのが前世の最後だ。

どうやら輪廻転生なんちゅー言葉は本当にあるらしく、俺は今おもちゃで遊んでいる子供を尻目に、何となく前世の事を考えていた。幽霊とかになった記憶もない。とてつもない痛みで意識を失った事が最後の記憶。

その後の事を知っているのはネットで調べた。結果としては大学院の研究室で薬品を誤飲する事故という扱いになったらしい。

まぁ俺今3歳だから偶々今の父親が書斎からリビングにノートパソコンを持ってきていた時に、トイレ等の隙を見て調べた。


「ぁぁ…」


前世の記憶があると言っても、この3歳になって思い出したのだ。それまでは普通な赤子だった。

そんな事より問題なのはここの親は有名な大手企業の社長宅と言うわけだ。前世では一般人だったのに随分出世したもんだ。

今世の名前は冴木美春さえのきみはると言う。姉が2人、だが同い年。要は三つ子だ。

今も目の前でキャッキャと遊んでいる。元気でなりより


「はーい雪穂、彩夏、美春ご飯よ〜」


「「あ〜ぃ!」」


「....」


この子供になりきれない辺りが最近の悩みだ。

自分で言うとあれだが、俺美人だぞ?まだ赤ちゃんだから分からないだろって?両親の顔立ちが整っているのだから遺伝子のバグが無ければブサイクになる事はないだろう。

こんないい顔持ちに生まれるなら記憶は本当いらなかったです。はい。


豪華な家なのに両親はお手伝いさんは少ない人数しか雇っておらず、ご飯は母が作ってくれている。

美味しいからいいのだが…もっとこうお金持ちって自分何もしません的なイメージを持っていた。けど結構違うらしい。

金持ちに生まれなきゃ分かんない事だった。これは1つ得したな。


「3人とも、幼稚園行きたくない?」


「よーちえん?」


「何それ!」


そう言えば俺らは3歳、もう幼稚園に行ける年齢なのか。

あぁこっからまた馬鹿長い勉強に費やす十数年が始まるのか…とほほ…


「いっぱいお友達作ってお勉強するところだよ〜」


「行きたーい!夏!春!行こー!」


と誘ってくる雪穂姉ちゃん


「行きたーい!っね!春〜!」


おそらく友達と言う単語に興味を惹かれた彩夏姉ちゃん


「わ〜い、行きたーい」


もう、それに合わせるしか無い。


「分かったわ、じゃあ申し込んじゃうわね」


「「はーい!(はい…)」」



俺の令嬢生活の火蓋が切って落とされた

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