冴木家の番犬
もう一話です。
冴木家の番犬の由来を書きます。
あと、その他もろもろ
大会で勝った次の日。今日は何のかは分からないが何かしらの振り替え休日である。1年のどっかで土日登校をしたぶんの帳尻合わせである
私は大会の疲れが抜けずにリビングでぐでーっとソファを目一杯使い横になり、スマホをいじっている
そんな所へ来たのは雪穂だった
「起きたなら着替えくらいしなさいよ」
「いや、着替えてこれだから」
「はぁ…」
逆に雪穂さんの方が意識高すぎるんだと思いますよ?
長女だからってしっかりしなきゃいけないわけじゃ無いんだから
「そう言えば!私が学校でなんて呼ばれてるか知ってる?」
「冴木家の番犬だった気がするよ」
「知ってたのかよ!」
「知ってたわよ。番犬って呼ばれる理由知ってるんでしょ?」
はい…知ってます。貴女達を危ない男から守っていたら、男子の中で私を突破しないと雪穂、彩夏に近寄れないと言う、暗黙の了解が生まれ。その了解が私のあだ名になって番犬と言うことらしい
「私は私自身で追い払えるわよ?」
「いや…途中から割と玉砕するのが楽しくなってきちゃったり、してるんだよね」
「大人っぽく見えても、まだ子供ね」
見た目はな。と突っ込みたいがコミュニケーション能力に関してはまだまだ幼い事は認めざる負えない。割と美代や湯葉に誂われたりするとムキになってしまう時がある。
最近じゃ前世のアドバンテージもほとんどなくなってきてきてしまったし。中学生レベルなのに古典と世界史、日本史で思いっきり勉強躓いてるし…
英語と理科と数学は無双してますよそりゃ、化学と数学は密接な関係ですし、化学系の論文ってほとんど英語だから、そこら辺は圧倒的なアドバンテージがまだある
「逆になんで雪穂はそんな大人っぽくなったんだよ」
「私は…そうね…お琴やってると、どうしても所作とか姿勢とかしっかりしないといけないから…それが身に沁みてしまったと言う感じかしら?」
「伝統文化特有のあれね…」
彩夏もお琴をやっていたらこうなっていたのだろうか…
彩夏はピアノだったから、表現力はつけど大人っぽくはならなかったのか。偶にピアノの塾に迎えに行ったら、「伸び伸びした音ね」と言われていた。
「あと、春。貴女男の子から告白された事ある?」
「何?突然、藪から棒に」
「貴女の事を気になってる子は何人かいるのよ」
「うぇ…マジで?」
「でも、春のファンの女の子達が事前に潰してると言う情報もあるわ」
えっと……それは冴木親衛隊の事でしょうか…
つまりそれが本当なら、雪穂、彩夏を私が守っていた影で私も守られていたと言うことか……対象は違えど気持ちは一緒か…
それにまだ私は完璧にメス墜ちした訳ではないので、まだ誰かと付き合う気も無いからいいのだけれど。
私が排除するか親衛隊が排除するかの違いだ
「そう言えば彩夏は?」
「カラオケに行ったわよ」
「楽しそうだね〜」
そんな数秒で終わるような会話を挟みながら、二人でリビングでくつろいでいると、母さんがリビングに来た。
手に持っているのはドレス…?なのか?
「お母さん何そのドレス?」
「来週は何の日か知っているでしょ?」
来週…来週…そろそろ期末試験の勉強を始めないとなと思っていた所だな。来週と言うと11月23日…っお!
「誕生日…ね」
「だからと言って何でドレス?」
いつもなら少し豪華なお店に行ってお食事して、プレゼントを貰うくらいだ。
お食事の時は多少良い服を着て行ったりしたが、でも…ここまでの服じゃなかったはず…
「貴女達も13歳だから、色んな人と顔合わせをしようと言うことになったの」
「?」
「うぇ……」
「春、分かったの?」
「母さん…それってホテルとかでやる感じ?」
「そうよ」
いくらお金持ちでもこんなイベントはないと思っていた事が起きようとしていた。
それは娘の誕生日をホテルでやって、父さんの知り合いのお金持ち達を招待して、私達と顔合わせしておこうと言う算段なのだろう。
「簡単に言うと、他所の会社の社長や、その子供を招いてホテルで大々的に誕生日パーティーするってこと…」
「嫌よ!」
「で、でも何人か雪穂の同級生がいるはずよ!」
だとしても嫌だよ…
はぁ…湯葉とか美代とか結とか来てくれないかな…
後、嫌でもドレスを着る気は無い
「お父さんがやろうって言うからよ!」
「うぅ〜…」
「雪穂…どんまい…」
「春?貴女も着るのよ?」
誕生日…失踪しようかな…
そう思ったのであった
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書いてほしいイベントがあったら言ってくださると書きます!お待ちしております