ギャップ
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教室が騒がしい…
男子どころか女子の視線も集まってきている…普段注目を浴びないせいで居心地悪い事この上ない
「なぁ…あれって3つ目?実はいた四女って事ないよな…」
「あの席に座ってるから…冴木美春であってるだろ…」
「髪整えるだけで、あんななるのかよ…」
「そりゃ……あの雪穂さんと彩夏ちゃんの妹だぜ?元は神がかってるだろうよ……」
「勿体無いな…」
普段なら気に求めてないのでそんな小さい声の会話なんて聞こえもしないのだが、私に視線が集まってる事が分かっているので、あちこちで話されている私の事にどうしても耳が引き寄せられるどいつもこいつも私の事で盛り上がりやがって…
その件の人物である美春は滅多に話されない事もあってか、自分の事が良い方で話されていることに恥ずかしさを覚えていた
この恥ずかしさは何か今までとは違う。前世でもこうして注目を浴びる機会はあったが…こんなに恥ずかしい気はしなかった。
女の子特有の緊張の仕方なのだろうか…
ここ数年で自分の男としての感情が女へと塗りつぶされる様にゆっくり、ゆっくりと侵されているのが分かる。
完全に侵食させる事は無いと思うが、体が女の子であったり、周りが女の子として接する事は、ある意味洗脳である。
ついつい女の子っぽい仕草もたまに出てしまう。
きっと髪の乱れなんかは女の子に染まっても治らないと何故か確信が持てた。
今の自分の心の侵食度を言うと80%くらいは思考も女性化していると言える。
まぁ問題は無いのだけど…だって女だから。寧ろ男の気持ちが入っている方が問題な訳であるからにして……と言っても今更男の裸を見ようとそこまで動揺することは無いと思う。
だからと言って女の子に興奮する訳でもないし……
あ…駄目だ…私、本格的に恋愛とか無理かもしれない
母さん、父さんごめんよ孫は見せれんみたいだ…
「美春ちゃんどうしたの?何かあった?」
「結は相変わらず周りのこの空気読めてないねぇ」
「えへへ〜」
褒めてないよ?一之宮さん?そのそんなに褒めても何も出ないぞ!みたいな顔されてもね…流石空気が読めずにぼっちコースだった子だな
「証明写真だから整えろって言われてね、このざまだよ」
「う〜ん可愛いけど、私は前の方が好きかも」
「「「!!!!!????」」」
クラスの皆が一瞬、固まってみんな揃って『はぁ!?』って顔した。
「うん!やさぐれ感とぴったし!ハイスペック美少女三つ子やさぐれっ子はキャラ渋滞だよ〜タグ付けも大変だよ」
この子なんて事言ってくれてんだ…それ遠回しに今の私の事キャラ渋滞って言ってるよね?それに…タグって何?検索に便利なるのかな?
「お、おう…」
あ…つい男な部分が…
「う、うん…そうかもね」
「だよ〜美春ちゃんは髪はボサボサぴょんぴょんで、隈があってドヨ〜んとしてるのが売りなの!」
も…もう…この髪とメイク崩して良いですかね?まさかこんなにも本当に素の私が否定されるとは思わなかった…
性格を矯正なんてしたら、それはもう私じゃ無いのね…
「………」
私はそっと両手を髪へと伸ばした
「だ、駄目!春!堪えて!」
「はは…本当の私に戻るだけだよ?どうしたの、雪穂?」
「夏!助けて!」
「ガッテン!」
私はそのまま姉二人に取り押さえられ、髪をグシャっとしたくなる気持ちが晴れるまでそのままだった
もちろんホームルーム前には治ったよ
その後写真撮影で全クラスが体育館に集合すると、美代や千尋達には姉二人の方だと思われ、美春の友達ですって言われた。
もう何だろう…悲しい通り越して……死にたくなってきた
今度は男かな…女かな…神様…転生するなら記憶はいりません
前世と性別変わると男な自分と女な自分が争って、葛藤するので…
まぁ後強いて言うなら写真写りはバッチリだった
すいません嘘です…美代達にすら認識されずに体育館の隅で灰になってました…まだ髪の長さが近い彩夏が2枚取りました
流石に目の前で挨拶した相手が崩れ落ちたら心配してくれるよね。そして涙目になってようやく私と気づいてくれた
そこで写真を取り終えてこちらへ来た未来が「美春ちゃん大丈夫?」って言った事によってだが…
あぁ…未来…天使です
未来以外の奴等全員今日の部活の1on1と言う練習で、ボコす事をひっそり心に誓ったのであった
「ハハハ!どうしたの?美代!いつものシュートは?」(美代)
「10対0だねぇ」(千尋)
「ま〜き〜。いつものドリブルのキレはどこに行ったのかな」(真希)
「はい!スティール!ざんね〜ん」(湯葉)
「それ!バックチップ!」(由佳)
バスケのディフェンスの型など関係なしに、鍛えた身体能力で無双した。やや荒いプレイになってしまったから本番ではやっぱり使うのはよしたほうがいいな。反則スレスレだし。合気道や護身が役に立つのは足運びだけだな……
「さてと…次は…」
「「「美春〜ゆるしてー!!」」」
「おいで、美代」 (にっこり)
「ごめんなさーーい!」
金輪際学校でいい格好するもんか。と誓った1日であった
バスケを八つ当たりに使ってしまったな…これは反省だ
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