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#9 チュートリアル④−調理開始!−

いつの間にやらブックマークも評価も大量にいただき…

日刊VRゲーム〔SF〕ランキング60位となっていました!

これも読者の皆様のおかげです。今後も保父さんをよろしくお願いします!

そして、すみません。今回の週末一回投稿をお休みさせてください…

しっかりとストックを作って来週からまた毎日投稿を再スタートします!

そして、ゼクターのアドバイスを受け最終的に俺とトゥニアのスキル構成はこうなった。


Name:ムク

種族:人族


スキル:《光魔法Lv.10 初級》《剣術Lv.1》《盾術Lv.1》《気配察知Lv.1》《身体能力向上Lv.1》《敏捷増加Lv.1》《料理Lv.0》《農耕Lv.0》《》《》


Name:トゥニア

種族:精霊族−空−


スキル: 《空魔法Lv.1 初級》《光魔法Lv.30 中級》《魔力操作Lv.1》《魔力回復Lv.1》《杖術Lv.1》《魔力増加ⅠLv.1》《農耕Lv.0》《》《》《》


3人で時に話し合い、時にはゼクターを相手にスキルの使い方を確かめるために模擬戦などをした結果、最初の考えの通りトゥニアは魔法攻撃特化の後衛職、そして俺は前衛で盾職と言う形になった。

前衛で戦うための《剣術》と《盾術》、そして敵を探すための《気配察知》は必須ということでゼクターにオススメされた通り獲得した。

《身体能力向上》と《敏捷増加》は本来のどっしりとした盾職にはいらないが、俺たちのパーティにこれから誰が入るか分からないしそもそも入らないかもしれない。その時にトゥニアと距離が離れていてもすぐに駆けつけられるように選んだ。

トゥニアのスキルも魔法の効果を高める《魔力操作》や魔力の自然回復を高める《魔力回復》とゼクターオススメの《杖術》と《魔力増加Ⅰ》にした。

そして…なぜか二人共通で《農耕》とあるのは、トゥニアの持つ《空魔法》が原因だ。《空魔法》は精霊族の中でも空属性を持つ特殊な個体のみが覚えられる魔法のようで、初級のうちは小雨を降らせたり小さな雷を落とすことができ、超級にもなると嵐や吹雪を起こすこともできるとんでも魔法らしい。

だがそのぶんデメリットもあるようで魔法レベルの伸び方が他の魔法と比べて非常に遅く、魔力の消費効率も悪いためまだレベルが低いうちは戦闘で使うと一瞬で魔力がなくなり詰みになる。

なので、空魔法のレベル上げは戦闘以外でするしかないらしく、ゼクターが提案してくれたのが農業だった。

「天気を操れるなら畑で使えば完璧だろ!」との言葉に確かにと納得。

トゥニアもやってみたいとのことなので、挑戦してみることにしたのだ。

そして、《料理》は俺の趣味と実益を兼ねて取得した。せっかく農業やるなら自分たちで作った作物を美味しく食べてみたいしな。


残りのスキルは空きにした。最初の注意を聞いた時は全部埋めてやろうと思っていたのだが、ゼクターとの模擬戦をやってみて取ったスキルで形にはなったので無理して全部埋めなくてもいいかと心変わりしたのだ。

それにトゥニアも俺もこれからまたやりたいことができるかもしれないしな。


「ありがとう、ゼクター。おかげでいいスキルが選べた」


「ありがと」


「気にするな!それにまだスキル取得は終わってないしな!」


まだ?何か取らせるつもりなのか?


「模擬戦で使ったスキルは全てレベルが1になっているだろう?それはお前たちにそのスキルが身についた証拠だ。実際に何回もやってみてスキルはレベルが上がってくものだからな!」


なるほど、確かにまだ使っていない《料理》と《農耕》はレベルが0だ。スキルを使ってないってことなんだろう。


「申し訳ないが農工に関してはギルドの中には耕す場所もないし、クワも種も用意されてないんでな…。商業ギルドで空いている農地を教えてもらって買うなり借りるなりして実際にそこでやってみてくれ。種も売ってると思うぞ」


この街にギルドは2つあるのか。それで商業ギルドで土地を買ったり借りたりできると。チュートリアルが終わったら行ってみよう。


「わかった、行ってみることにするよ」


「おう!で、料理スキルなんだがな…リセナ!2階の作業部屋は空いてるな?」


ゼクターは後ろのお姉さんに確認したので、受付のお姉さんの名前がリセナさんだと判明した。

というか、今までずっといたんですね…。


「はい、両方とも空いてますよ。どっちにします?」


「個人部屋でいいだろ。ムクとトゥニアは俺が案内しとくからお前は練習用に使えそうな食材を食堂からもらってきてくれ」


「分かりました。それじゃ、トゥニアちゃんまた後でね」


そう言ってリセナさんは手を振りながら教練場を出ていった。

もはや、リセナさんトゥニアにしか目がいってないな…。


「それじゃ俺たちも行くか!」


ゼクターに連れられ、2階へと上がると左右にそれぞれいくつもの部屋が並んでおりそれぞれの部屋に炉や作業台、ビーカーや試験管にキッチンなど様々なものが備え付けられている。

これは、生産するのに便利そうだがしばらくは取り合いになるんじゃないか?

それぞれ自分で用意するのは大変そうだしなぁ…。


「ここだ。入ってくれ。」


そんなことを考えていると、目的の部屋に着いたらしく部屋に入ると一般的な家庭にありそうなキッチンとテーブルが並んだ、いかにも料理専用と言った感じの内装となっていた。


「あ、ちょうど良かったです。ワイルドラビットのお肉とキャベルを貰ってきましたよ」


そう言いながらリセナさんも入ってきたので、食材を見せてもらうとどうやら兎肉とキャベツのようだ。

しかし、兎肉か。流石に調理したことはないな。どんな料理があるのかも知らないし…


「リセナさん、ワイルドラビットって普段はどうやって食べてるんですか?」


「ギルドの食堂では揚げ物かステーキ、あとは野菜炒めあたりですね」


なら、今回は野菜炒めを作ろうか。

おそらく食堂の人もそのつもりでキャベルを渡したんだろうしな。


「調味料は自由に使ってもいいんですか?」


「今回はな。今後使うときは備え付きの道具以外は全て持ち込みになるから気をつけろよ」


なるほど、まぁ道具が自由に使えるだけでもありがたい。

戸棚を開けてみると醤油や塩、胡椒にハーブなどの調味料やフライパンや鍋といったキッチン器具が並んでいる。

だが、種類は少ないし醤油も大豆からのではなく魚醤のようだ。

酒やみりん、それに味噌なんかもないところをみると大豆系の発酵食品はこの世界では作られていないみたいだな。

だとすると…魚醤で炒めるしかないか。


「ゼクター、使い方を教えてくれないか?」


「…悪いな、俺は料理だけはダメでな。すまんがリセナに聞いてくれるか」


そういうことなら仕方ないか。俺はリセナさんにキッチンの使い方を教えてもらうと、こちらの世界のコンロにはガスが通っているわけではなく魔核というモンスターの体内にある魔力の結晶を使って火を出すらしく、持っていない俺はこれもゼクターから貰ってしまった…。

飯代の代わりだと言って笑ってくれるのが唯一の救いなのだが、さっきから貰ってばっかりになってるな…。

せめて美味い料理で借りを返さねば!


まずはキャベルをざく切り、ワイルドラビットの肉をそぎ切りしてお肉には塩胡椒をふる。

フライパンに油をひき、少し馴染ませたらワイルドラビットを投入。

片面の焼き色が変わった頃にキャベルを入れてナンプラーを大さじ1ほどひと回し。

程よく絡まったところで味を整える塩胡椒を一振りして炒めれば…完成!

4つの皿に盛り付けて、テーブルの方を見ると3人の目が皿に釘付けになっていた。


「えーと…とりあえず一人当たりは少ないかもだけど完成したから食べてみてくれ」


皿を目の前に出した途端、3人揃ってガツガツとすごい勢いで食べ始める。

消化に良くないから落ち着いて食いなさいよ。


結局俺が食べ始める前に3人とも食べ終えてしまい、3人にじっと見つめられながら食べるというなんとも居心地の悪い顛末で最後の料理スキルの取得は終わったのだった。


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