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#8 チュートリアル③−スキル選び−

教練場に入った俺たちを待ち受けていたのは、ブーメランパンツ一丁の男だった。

まず、トゥニアを俺の後ろに隠して見えないようにする。

あんなものを幼気な子供に見せてはいけないと俺の頭の中で警鐘が鳴らされている…!


「おっ、今回の利用者は子供連れか!」


「む、子供じゃない」


「そうか、そうか!それは悪かった!」


ガハハハと笑う男は置いておいて、俺はお姉さんに声をかける。


「あの人が教官…なんですか?」


「は、はい。うちの教官の一人ゼクターさんです。あんな格好をしていますが根はいい人なので…」


うん、まぁトゥニアに対しても謝ってくれてるし、いい人そうなのは分かる。だが、問題はそれを上回ってしまう格好なんだよなぁ…。

とりあえず服を着てもらえるかの交渉から…。


「おじさんはその格好ってことはミフロス様の信徒?」


「おお、嬢ちゃん小さいのに物知りだな!」


しなくてよかったぁ!

というかあんな格好してる理由が信仰的な理由だとは思わないだろ、普通!

てことは、ミフロスってことは火の神だよな。この世界の火の神を信仰してる奴はあんな格好ってことか…?


「嬢ちゃん、名前はなんていうんだ?」


「私の名前はトゥニア」


「トゥニアか、よろしくな!俺は〈戦闘職人(バトルメイカー)〉のゼクターだ。で、そっちのお前さんは?」


服の裾を引っ張ってくるトゥニアのおかげで俺に話を向けらていることに気づく。

変なことを考えてるうちにボーッとしてしまっていた。

トゥニアはちゃんと挨拶しているっていうのにな…反省しなければ。


「俺はムクと言います。教練場でスキルを学べるというので伺ったのですが…」


「あぁ、できるぞ。というか、敬語はいらん!一応教官と生徒という形にはなるが、突き詰めれば俺たちは同じ冒険者な訳だからな!」


そうか、そういうポリシーならお言葉に甘えさせてもらおう。


「あぁ、わかった。だがその前にちょっと聞きたいんだが…さっきの話からすると、この世界のミフロス様の信徒はみんなその格好なのか?」


「ガハハ!そんなわけがないだろう?俺は言うなればミフロス様のファンだからな!ミフロス様と同じ格好をしたいだけだ!」


ミフロス様と同じ格好?でも、神殿の神像の中にはこんな個性的なのはなかったような…。

俺の疑問を察してくれたのか受付のお姉さんが説明をしてくれた。


「ゼクターさんのおっしゃる通り火神ミフロス様は元来あの格好をなさっているそうです。ですが、神像を作るにあたって神殿にまぁ…そのような破廉恥な格好をなさった神像を置くのはどうかと議論になった末に現在のような服を着た神像となっているみたいです」


神殿に置くのが議論になる格好の神様ってどうなんだ…?


「ですが、やはり本当の姿のミフロス様を拝みたいという方もいらっしゃりまして…。それでも家の中に実際の格好をなさった小さな像を置いて、そちらを拝む方がほとんどなのですが…。中にはゼクターさんのような格好をなさる方もおられるのです。」


「そんなわけだ!まぁ気にするな!」


まぁ、服装は個人の趣味嗜好だしな…。気にしないようにするしかないか…。

「で、ムクとトゥニアはスキルを学びに来たんだったな!」


「あぁ、ゼクターが教えてくれるのか?」


「そうだ!基本的なスキルは戦闘系も生産系も教えられるぞ!なんせ俺は〈戦闘職人(バトルメイカー)〉だからな!」


戦闘職人(バトルメイカー)〉…文字のまま読めば戦う職人ってことか。

なるほど、それで戦闘も生産ってことなのか。

だが、それにしてはお姉さんが二つ名を聞いた途端に嫌そうな顔をしたのはなぜだろうか?


「で?どんなスキルを学びたいんだ?教えられるスキルはこのリストに書いてあるから好きなのを選びな」


ゼクターがそう言って空中に手を伸ばすと、穴のようなものが現れ中からたくさんのスキルの名前が書いてある紙を2枚取り出した。

俺たちがそれぞれ受け取ると再び文章ログが流れる。


『冒険者ギルドで教官から学べるのは初級スキルのみです。また、チュートリアル中は最初の10個まで無料で学ぶことができますが、11個以降もしくはチュートリアル後に教官から学ぶ場合はスキルの数に応じて費用がかかります。その点に注意してスキルをお選びください』


なるほど、簡単に言えば今だけ10個までお得ってことか。

そうなるとこの状況で10個埋めてしまった方がお得かもしれないな。

だが、どんなスキルがいいものか…。


「オススメのスキルとかってあったりするのか?」


「ん?そんなものはない!どのスキルも使い方次第だからな。まぁそいつのスタイル次第でこれは必須だと言うのはあるかもしれんからまずはお前たちのスタイルを決めるのがいいかもしれんな」


「そうか…。ちなみにトゥニア、見てみて欲しいスキルとかはあったか?」


「ん、これは覚えたい」


そう言ってトゥニアが見せて来たのは《魔力操作》《魔力回復》の二つだった。


「せっかく魔法が使えるから魔法が使いやすくなるスキルがいいと思って」


「確かにそれはいいな。なら、俺は前で敵を止められる役をしようか」


「お?スタイルが決まったか。それにトゥニアは魔法覚えてるのか。ならそうだな…。まずトゥニアはあと何個覚えられるんだ?」


「あと6個」


「6か…。後ろで魔法を使うならまずは〈杖術〉だろうな。魔法を使う上で杖があると威力が変わるし、近づかれても多少戦えるからな。あとは〈魔力増加Ⅰ〉なんかは使える回数も増えるからいいと思うぞ。それに…」


そうやって俺たちは、ゼクターにアドバイスをもらいながら獲得するスキルをじっくりと決めていった。

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