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#15 モンスターとの初戦闘(想定外)

やっと戦闘にこぎつけました…

書くの難しい…

東門を出ると、そこにはファンタジー世界の代名詞である誰もいない広大な平原が広がっていた。

そして、俺たちは改めて冒険への覚悟を決めて旅立ったのだ…!


なんてことはなく、プレイヤー達の姿が周辺にたくさんあり中にはワイルドラビットと戦闘中の人もいた。

戦っていないプレーヤーはワイルドラビットの再出現を待っているのだろう。

あ、1匹地面から出てきた。と同時に複数の攻撃にきらめくエフェクトによってウサギがパリンという音ともにいなくなる。

どうやらワイルドラビットはウサギの中でもアナウサギのようだな。


「今のは俺だろ、この肉の権利は俺にある!」


「いいえ、俺ですー」


「なんだと!?」


「やんのか!?」


あらら、あそこは即席パーティだったみたいだな。ラストアタックで揉めてるのか。


「ムク、早く行こう?」


「あぁ、そうだな。さっと倒してお肉&お金稼ぎするか!」


「おー」


冒険者ギルドで聞いた情報によると、東門から続くまっすぐの街道を進むと街道が森に入るらしくその街道周辺から森の浅い部分を狼は縄張りにしているそうで、背後から襲ってくることがあるので注意が必要らしい。

そうしてしばらく街道を進み、だんだんとプレーヤーの数も門周辺と比べると少なくなった。


「もうすぐ森に入るからな。俺も《気配察知》で敵を探すけどトゥニアも油断しないようにな」


「ん、了解」


そして、いよいよ森に入るというところで突然前方から合計五つの反応がこちらに向かってくるのがわかった。


「前から敵性反応1と…プレイヤー反応4?とにかく警戒だ!」


反応は動きから見て、森を出てくるまであと10秒ほど。

俺はトゥニアの前へ出て、盾を構えて出てくるであろうモンスターを待ちかまえた。


そして、見えてきたのは一心不乱に逃げてくる4人組のパーティとそれを追いかけてきたであろう巨大猪だった。

猪の体高はおおよそ170cmほどあり、体長は3m近くに見えるバケモノ級だ。


「そ、そこの人逃げろー!!」


「ブギィィィィィィ!!!」


4人組のうちの一人が声をかけてくれるが、猪のスピードから今から逃げても追いつかれることは明白。

あんな巨大猪から追いかけられるなんて何やったんだ、あの人たち!?


「トゥニア、あの猪の足を止めることはできるか?」


「ん、やってみる。“ライトチェイン”」


「ギ!?」


トゥニアが魔法を唱えると同時に空中から錨のような形をした光の鎖が飛び出し、猪の横っ腹を貫いた。

鎖に貫かれた猪は悲鳴をあげながらも、なお4人組を追いかけようとするが鎖が張って猪の進行を食い止める。


「ナイスだトゥニア!」


猪が止まった隙に俺は逃げてきた4人組と合流する。


「なんでこっちに来るんですか!?逃げた方がいいです!あの猪は今のレベルで叶う相手じゃない!」


「落ち着いて。今猪はうちの後衛の魔法で足が止まってる」


「え…ほんとだ…」「なにあの魔法?」「今なら倒せるんじゃないか?」


「足が止まっているうちに奴の足の腱を切る!再び動かれたら全員死ぬぞ!」


「わ、わかった!」


4人組パーティは斧持ちと剣士、そして魔法使いと弓使いの前衛2後衛2のパーティだったので前衛の2人と手分けして猪の足に向かう。


「トゥニア、この魔法はあと何秒持つ!?それとあと何回使える!?」


「あと10秒くらい。ライトチェインだけならあと2回使える」


「わかった!じゃあこの魔法が切れる前にもう一回こいつに撃っておいてくれ!」


全くうちの子は頼もしいな!


「さっきの言葉は聞いてたな?2回目の魔法が切れるまでに奴を動かなくさせたい。出来るだけ急いで足の腱を切ってくれ!」


「よっしゃ!任せてくれ」「了解です」

「そっちの後衛の2人は猪の気を逸らすのとダメージを少しでも稼いで欲しい!頼むぞ!」


「わかったわ」「頑張る!」


「よし、行くぞ!」


俺の号令とともに前衛組の俺たちはそれぞれの足へと分かれ、自身の武器で切りつけていく。

後衛の2人は猪の目や角を狙って矢や魔法を当て、猪の注意を逸らすことに成功していた。

そうして、攻撃を繰り返す中で猪の硬い表皮のせいで前衛組の武器の耐久値は軒並みレッドゾーンに突入し、あと数回切りつければ壊れる寸前まで陥ってしまったが、トゥニアの足止めも3回目になり効果時間もあと少しといったところで俺たちは猪の足を使い物にならなくすることに成功した。


「これでこいつはもう動けないはずだ!後は後衛組!ダメージを稼いでくれ!」


「了解!“ブレイクショット”!」「“ウィンドカッター”!」「この魔力ポーション苦い…。“シャイニングレイ”」


「プギィィ…!!」


前衛が猪を警戒する中後衛のスキルが連発して決まっていく。

中でもやはりトゥニアの魔法は中級だからなのだろう、他の2人よりも大きなダメージ値を叩き出しているようで喰らうと猪も堪らず悲鳴をあげている。

途中でトゥニアのポーションが尽きダメージソースがいなくなりかけるというハプニングもあったが、4人組から譲ってもらいそのポーションも尽きかけた頃猪は力尽き、ポリゴンとなって砕けた。


「お、終わった…?」「全員生き残ったぞ!」「夢みたいだわ…」


4人組も終わった実感がまだ持てないのか夢見心地の様子で勝利を祝っているが、俺は今回のMVPを労いに向かう。


「お疲れ様、トゥニア。よく頑張ってくれたな。トゥニアがいなかったらみんなやられちゃってたよ」


「ん、ムクも頑張った。でも、魔力ポーションが苦かったのが不満。口直し希望」


「今は何もないからなぁ…。街に戻るまで待ってくれるか?」


そうしてトゥニアに何かを奢る約束をしていると、向こうのパーティも落ち着いたようでこちらに声をかけてきた。


「助けていただいて本当に有難うございました。私はムストと言います。他のメンバーは左からツヴァイ、花、ローゼです」


「俺はムク、こっちはトゥニア。急に横槍したのはこっちだからな、気にしないでくれ」


「いえ、そういうわけにもいきませんし…。誰1人死ななかったのは間違い無くあなた方のおかげです。助けていただいた御礼なんですが、僕たちのドロップのうち半分をそちらにでいかがでしょうか?」


ドロップ…あぁすっかり忘れてた。

俺のバッグを見ると猪の角と肉が入っていた。

この角はいくらするだろ…高く売れると金欠が解消されるんだけどな…っていけないいけない。


「流石に半分は貰いすぎじゃないのか?」


「いえ、あなた方のおかげでこのドロップはあるので私たちとしてはこの配分で妥当だと考えています」


後ろの3人を見るが3人も意見は同様だと頷いている。


「なら、ありがたくいただくよ」


相手の提案を承諾すると、事前に準備していたのかトレードの要請が現れる。

貰うだけだから厳密にはトレードじゃないけどね…。


「ムクさんたちはこの後どうするんですか?」


ムストに聞かれ、俺はトゥニアと目を見合わせる。

早く口直しがしたいって顔だな…。


「俺たちは一旦セントルムに戻るよ。武器の耐久値もほとんどないしな」


「なら、一緒に戻りませんか?自分たちも同じ状態なので戻ろうと考えていたところなんです」


「そうだな、それなら戻りながらなんで猪に追われていたのか聞かせてもらえるか?」


「はい、それはですね…」


そうして聞いた話によると、ムストたちはワイルドラビットの討伐を何回か行いそろそろ次の獲物に向かおうと俺たちと同じようにワイルドウルフの討伐を受けたそうだ。そうして無事目標数を討伐して帰る途中森の中にうり坊を見つけたのだとか。経験値が欲しかったエルムたちはうり坊にも攻撃して無事倒したのだが、倒した瞬間に後ろの方からガサガサと茂みをかき分ける音と足音が聞こえ振り返ると先ほどの猪がいたらしい。おそらくうり坊の親であろうあの猪は子供を倒したムストたちめがけて突っ込んできたそうであまりの勢いに慌てて逃げ出して俺たちと出会った…という流れなのだそうだ。


「なるほどなぁ、ある種のトラップ的な感じなのかね?」


「そうかもしれませんね。もしくは偶然でただ親の怒りなのかも…。そうだとしたらあの猪にも申し訳ないですが…」


偶然ならともかくトラップ要素としてあるなら他のプレイヤーもひっかかる可能性はあるな。

掲示板に流しておいたほうがいいかもしれないか?でも今行くのは嫌だな…。


「それはそうとムクさん、トゥニアちゃんはどうしてあんなに色んな魔法使えるんです?うちの魔法使いでも攻撃魔法一種類だけなんですが…」


やっぱりそこは気になるよなぁ。

ちなみに当のトゥニアは後衛である花とローゼの女子2人に捕まり、代わる代わるに抱っこされながら愛でられている。


「実はな…」


俺がトゥニアに関して話そうとした瞬間、街道を歩いていた俺たちの前に二人組が立ちふさがった。


「そこまでだ!誘拐犯、もしくはチーター野郎!」



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― 新着の感想 ―
[良い点] 設定は面白いんじゃないかなあ。今後に期待しています [気になる点] 長文が読みづらい。 接続詞を減らして文を分け、句読点を意識して付け、読みやすさを意識してくれると頭に入りやすいかな。
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