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#14 装備を整えよう

戦闘シーンをお待ちのみなさま申し訳ありません…!

次こそはモンスターとの戦闘になるので!

そうして大通りに出た俺たちはまず自分たちの装備を揃えに東の屋台市へと向かった。

ゼクター曰くこのセントルムは、東西南北の大通りでそれぞれ売っているものが違うらしく南は大店の商会や高級な宿屋や料理店、北はそこから少しランクを落とした一般市民向けの店舗、西は主に工房持ちの職人が出店していて、東は食材や掘り出し物を安く手に入れられる市場とそれぞれ分かれているらしい。

俺たちの所持金を聞いたゼクターは、なら市場で買うのがいいぞ!とオススメしてくれたのだ。

ちょうど向かうのも東門だし、ラッキーだったな。


「トゥニア、もう食べ物は買えないからな。俺たちそんなにお金持ってないんだから」


「!?」


串焼きやジュースの屋台など様々な屋台にフラフラと吸い寄せられて行きそうなトゥニアには悪いが俺たちの所持金はさっきの酒場で使ってしまった結果こうなっている。


Name:ムク

所持金:450ルコ


Name:トゥニア

所持金:900ルコ


ぶっちゃけかなりの金欠だ。

これで武器も買ったら、ほとんど一文無しになるからな…。


さて武器を売っている屋台はと…お、ちょうどいいところにあったな。

ここの剣は…


名称:アイアン・ソード

種類:片手剣

品質:2

重さ:30

耐久値:100

攻撃力:25

説明:鉄により作られた剣。品質は悪いが、切れ味はそこそこ。

価格:800ルコ


…高い。予算オーバーだ。

しかも重さも30なので買えたとしても持てないな…。

武器の重さが筋力を上回ると持ち上げることができないらしく装備することができないため、完全なバッグの肥やしになってしまうらしい。

他の剣やトゥニアの杖も軒並み俺たちの予算をオーバーしているので、他の店へと行くのだがどこも上回ってしまった…。

まずいな…、これだと依頼をこなしに戦闘に行くことすらできないぞ。

俺が焦っているとトゥニアが何かを見つけたのか俺の手を引いてグイグイ進んで行く。

トゥニアに引っ張られて着いた屋台は他の屋台とは違い、地面にござのようなものを敷いた簡易的な作りだった。


「いらっしゃーい。“セシルの雑貨屋”へようこ…ってあら、あなた」


なんだ?俺は初対面のはずなんだが…


「あなた掲示板で随分話題になってた人じゃない?横に女の子を連れた黒髪の男性プレーヤーって」


ガッデム!

掲示板の噂を見た人か…これから話しかける人全員にこれ言われるのは辛いかもしれん…。


「…誘拐犯ではないので、というか掲示板を知ってるってことはプレイヤーですか?」


「あぁ、大丈夫よ。あんな嘘情報信じてないから。まぁどうやって連れているのかは知りたいかもだけど…。

ちなみに自己紹介しておくと私はセシル。商人ロールを目指してるわ、よろしくね」


そう自己紹介してくれたセシルさんは緑のショートヘアーのスレンダー美人さんだった。

髪の色が緑は初めて見たが…すごい目立つし忘れなさそうだな。そのあたりも商人ロールのためなのかもな…。


「俺はムクと言います」


「トゥニア、よろしく」


「よろしくね、トゥニアちゃん」


さて、トゥニアが連れてきたってことは俺たちの予算でも買える武器があるのかなっと…


名称:粗雑なアイアン・ソード

種類:片手剣

品質:1

重さ:10

耐久値:50

攻撃力:5

説明:初心者の鍛治師が作った剣。素材もよくないので普通のアイアンソードよりも耐久値も攻撃力も低い。

価格:150ルコ


今まで見てきた中で一番安いぞ!?これなら他のアイテムも買う余裕ができる!


「セシルさん!なんでこんな安いのが売ってるんです?」


「あぁ、それはね生産職を目指すプレーヤー達がチュートリアルで作った武器とか防具なんだけど、持ってるだけじゃ死蔵品だから売りに出したい、でも店を出すのは面倒って人が大半なのね。で、そんな人用に商業ギルドで委託販売が出来るんだけど、利用するのに手数料が掛かるわけ。それならと思って私は手数料なしで買い取って、ここで売ってるの。みんな最初に作った武器だから他の店と比べて値段もだいぶ低めになってるのよ」


なるほどなぁ…でも


「それだと商業ギルドが文句言ってきませんか?言ったら顧客を奪われてるわけで…」


「確かにまるっとその業務を私がやってたら文句言われてたかもね。でも、私の今の資金力じゃギルドに売る生産プレーヤーのうちの何百分の1程度からしか買えないわよ。だから、向こうからはおそらく気にもとめられてないでしょうね。私もこれをずっと続けるわけではないしね」


なるほど…。確かに商人ロールの最初の一手としてはかなり上手いな。

そういうことなら早めに買っちゃわないと売り切れてしまうかもしれない。


「そしたら、この剣と盾、それに杖も。あと回復ポーションを2つ。トゥニア、魔力ポーションはいくつ必要?」


「2つ」


「そしたら魔力ポーションも2つお願いします」


「はい、そしたら合計で…750ルコになります」


これでもさっきの剣よりも安いな…。

だが、俺の所持金では到底足りないので自分の分とトゥニアの分はそれぞれで支払った。


「今剣買うってことは初期資金なのはわかるけど…小さい子と割り勘するのはかっこ悪いわよ?」


セシルさんは苦笑しながらそう窘めてきたが…しょうがないじゃないか!

初期資金で全部は買えないし、ましてやその小さい子の方がお金持ってるんだから!

そう説明するが「理解はするけど、やっぱりかっこ悪い」とのお言葉をいただきました…。

そんなことわかってるよ、畜生…。

そして、この出費で所持金が50ルコになった…。もうジュース一個しか買えない


「トゥニア、急いでお金稼ぎに行くぞ!」


「お金よりお肉がいい」


「お金がないと美味しいお肉も食べられないんだ…!」


「!。前言撤回。お金が最優先」


「ふふっ。毎度ありがとうございましたー」


なんとか予算内で装備も整えた俺たちは、セシルさんに別れを告げて東門を抜けウルフが待つ森へと向かうのだった。


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