壱日目 ー狸と僕との再会(であい)ー
初めまして!!けものけだものです。
この小説は私の処女作でありながら、いきなりの長編ストーリーとなっております
なのでがばがば設定やストーリーの量の物足りなさが目立つかもしれませんが、
そこは随時書いていくのでそこのところよろしくお願いします。
"・・・。"
"くん・・・。"
ん?誰か僕の名前を呼んだような
"アッくん"
なんだろうこの透き通った声…
"アッくん、私を覚えてる?"
知らない声だが聞いたことがあるような
"アッくん"
「明夫さん!!」
「ゑ!?は、ハイッ!!なんでしょぉ?」
呼んでいた声がいきなり老けて僕は思わず気の抜けた声を出してしまった
「隣に住んでる山内だけどぉ、回覧板と野菜を届けに来たんよ~」
「はぁ・・・い、今行きま~す」
僕の名前は里山 明夫。
鳥取の国府という小さな町で産まれ育ち、農業をしながら120年近く続くこの家で暮らしている21歳だ。
「さっきなんか変な声してたんだけど大丈夫かね~?」
この人は隣の家に住む山内さん。すごく優しい夫婦でよくお世話になっており、僕の家によく家で作っていない野菜をくれる。
「まぁどうにかぁ、それにしても立派なかぼちゃができましたね~」
「でしょ~?でもこの前は畑にたぬきが出てな~、何個かやられたから明夫さんもきをつけなぁあかんで~」
「なるほど、狸ですか…どうにかしないとですね~、あっ大根と回覧板わざわざありがとうございます!」
「いえいえいいのいいの!お互い様だから!あら、もうこの時間!!じゃぁね~」
"狸か、また厄介な動物がきたな。"僕はそう思った。
狸はよく里に下りてはできたばかりの芋やトウモロコシを食べて荒らして帰っていくのでウチにも被害が出たことがあり、何回か害獣駆除業者に任せたりした事もあった。
だが、恒例行事のように毎回でてくるのであった。
"それにしてもなんだったさっきの夢は、まだ頭の中からあの声が抜けないし、
山内さんも届けに来てくれるのはありがたいんだけど急に大声で呼ばなくても行くのに、
びっくりしたなぁもう"
そんな少しもやもやした状態の中、畑仕事をしに畑へ出ると・・・
「ん?ア゛!!お前か!カボチャを勝手に食べたっていう狸は!!」
「え?|(アナタは!!)」
「え?|(今喋った!?)おいなんだよ!ちょっと待てぇぃ!!」
狸は一目散に山のほうへ逃げていった
"あいつはいったい何だったんだ・・・ったく今日の夢といい狸といい今日は変な体験するなぁ"
僕はそんなことを思いながら畑仕事に取り掛かった。
そして仕事を終えた時に後ろのほうから
「おうアッくんアッくん!!」
「あ!!ケンちゃん!!久しぶりだなぁ」
声の主は親友の健介だった。中学からの幼馴染で鳥取に残った数少ない親友だ。
「またケンちゃん釣りでもしに行ってたんか?」
「おう!!アジに甘タイ、キスにイギス!!欲しいのとりにおいで」
ケンちゃんは釣りが大好きで腕もなかなかなもの、どうやら今日は知り合いの漁師に船を出してもらったらしい
「そんなに釣り好きなら漁師に転職したらええのに」
「べつにええがなぁ釣りは趣味!!これ以上いくと下手になるわぁ」
「わかった!!転職の話はええとしてじゃぁアジ3匹とここになってるトマト3つと交換でええか?」
「ええよええよ!それはそうとお前彼女の約束ぐらい守れって!!」
「は?どういうこと?」
「いやぁアッくん探しに家に行ったんやけどなぁ玄関でうろうろする浴衣姿の美人おったから
“どなんしたん?”って聞いたら“彼を待ってるんです。約束をしてるので”だってよ」
「いやぁマジでそんな人しらんし約束なんてしてねえぞ、なら急いで帰ってみる」
「ほんとかぁ?まぁ待たせてるんやからさっさと帰んなぁじゃあなぁ」
着物を着た美人?俺に彼女?そんな事あるのか?などいろいろと考えながら帰ると
玄関の所でウロウロしてる風変わりな浴衣姿の日本人形みたいな髪型をした女性がキョロキョロしていた
どうみても怪しかったが勇気を出して話しかけてみた
「アナタはどちら様ですか?ここは私の家ですけど」
「ア、あなたは!!(クンクンッ)この匂い間違えない!!」
顔が今でも肌につきそうなくらい近づく
「ワワ!!近ッ!!ちょっと離れて!!なッなんなんですか急に!!アナタなんて知らないですよ!?」
「え!?あ、あの!ええと、|(動揺している)ほんとにおぼえてないですか!わたしとの約束!」
約束!?そんなこと急に言われても覚えてないものは覚えてない
「ん~でもそんなこと言われてもなぁ~、まぁここで立ち話もあれだし家の中で話すかい?」
「お、お願いします。」
僕は名の知らない彼女を部屋に入れた。彼女はおどおどしていたのだが、少し落ち着きを取り戻したようだ。
「何か飲み物いる?とは言ってもお茶しかないんだけどww」
「はい///」
「まぁまずは自己紹介ね、あきおだ、気楽にアッくんとでもなんでも呼んでくれ、君の名前は?」
「私は山野 狸子、ほんとにこの名前を覚えないですか?」
どこか聞いたことのあるようなきがしてならなかった。
「うーん...やっぱり覚えてないなぁでもなんか名前は引っかかるんだけどねぇ」
「そうですかぁ…じゃぁ私との約束も…」
彼女はうつむいている、
"ぐ~"
僕のお腹が鳴った、空気読めと言わんばかりの大きな音だ
『あッ』
息が合た
「僕だ、なんかお腹すいちゃってw」
「私もです。」
「じゃぁいっしょに食べますか?」
「え!?でも、いいんですか?」
「な~に一人で食べるのはさみしいからいいよ、都会まで車でも片道40分、それまでに飯屋も宿もないからちょうどええし」
ちょうどその時、玄関のノックが聞こえた
そこに行ってみるとケンちゃんが魚を持ってきてくれていた
「お!!ナイス!!これから飯を作ろうかというところよ」
「そうやろ、てかやっぱりカップルじゃねぇか羨ましいなぁww」
「そ、そんなことないってw///」
ふと彼女を見ると顔を赤くしていた
「じゃぁな!!お二人で仲良くごゆっくり~」
「うっせぇw」
「ハハッまぁあいつはいつもあんなんなんだ。ゆるしてやってくれ」
「でもカップルに見えるんですかね」
「まぁそうかもね」
「あの、料理手伝いましょうか?」
「ほんとに?手伝ってもらえるなら手伝ってもらおうかな」
そして彼女に手伝ってもらうことになり夜食が完成した
「なかなかの腕前ですね」
「そうほめてもらっても僕は毎日料理してますからねぇ」
「じゃぁ食べますか」
「そうしましょ」
『いただきます』
今日のご飯はご飯、味噌汁、アジの二色焼、カボチャ煮つけ、野菜炒めを作った。やはり一人で食べるご飯よりやっぱり2人でも一緒に食べたほうがおいしい。
「ん~♪おいしぃ」
「リコさんが作ってくれた味噌汁なかなかいいねぇ性がつく」
「そんなこと言ったらあきおさんのアジの二色焼おいしいですよ」
この食事の時間がとても幸せだった。なぜかこの感覚を過去に感じたことがあった気がする
小学校の頃、町の盆踊りの時、母を亡くした時にひどく落ち込んで、その時に誰かが僕の近くに寄り添ってくれて、それから・・・
そこからはどうしても思い出せなかった。
「そういえばリコさんは約束があるって言ってきたんですよね?その約束ってなんだったんですか」
「それは・・・いいえ、私のことを忘れているあなたにはまだ言えない。ごめんなさい」
「まぁしかたがないかぁ、思い出せないもんなぁ
じゃぁさ、ヒントじゃないけど僕とリコさんのその約束の時の思い出を話してよ」
「いいですよ、少し長くなるかもしれませんが」
続く
読んでいただきありがとうございます。
もちろん言いたいことは山ほどあると思います
とくに多そうなものとして話が一向に進まない、短いという意見が多いとは思います
それもそのはず、私はまだ描いているうちはOPも達成しておりません
なのでケモノ要素も少なくなってしまったことをご了承の上2日目をお待ちください