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ダークヒロイン

・急いでたので、後々書き直すかもしれません。

「詰所……!」


 詰所を目指して店の裏口から出る一桜葉。


「おっと、そうは行かねぇぜ」


 待っていましたと言わんばかりにゾロゾロと出てくるガラの悪い男達。中には女もいる。いずれも、多種多様な武器を持っていて、とてもだが突破できる雰囲気ではなかった。


「素手のお前じゃ、勝ち目ねぇなぁ!」


 ゲラゲラと笑うガラの悪い男達のリーダー格。


「(強いだろうな……)」


 何十人もの男どもをまとめるリーダーなのだから、当たり前のことだが。


「あ? こっちだって苦手なりに纏めてんだ。店長を舐めてんじゃねぇぞコラ」


「……ッ!?」


 子役時代の経験を生かし、睨み付ける。演技というのは、なんとも奥が深い。子役時代、誰よりも努力家だった一桜葉は、演技の限界を求めていた。それは蒼奈も同じだ。


 その成果もあってか、多少なりとも怯ませる事が出来た。だが、それだけだ。こちとら魔法なんてものはあまり習得していないし、尚且つ素手だ。武器といえば持ち前の演技力だけ。習得している魔法も、攻撃魔法なんかではなく、治癒系や生活系の魔法だけだ。


 さぁ、どうする。桜田一桜葉。


「【呪縛】」


 突如、黒く紫電を纏った鎖が、男どもを縛った。


「まったく。拘束魔法くらい覚えておきなさいよ。加勢に来て正解だったわ」


 結奈だった。さしづめ、ピンチの時に登場するヒーローだ。使う魔法はダークヒーローっぽいが。


 だが、安心したのも(つか)の間、一人の魔法の鎖が弾け飛んだ。


「なっ!?」


「魔法抵抗があるみたいね。しばらくは呪いの反動で動けないけど、時期に回復するわ。ここは私に任せて、アンタは詰所に行きなさい」


 それ死亡フラグ、と言おうとしたが、縁起でもないので言わないでおいた。


 この女には、どこまで主人公補正がかかっているのやら。こうも主人公補正がかけられていると、いっそ死なないのでは、などと考えてしまう。


 女性である結奈を置いていくのも気が引けたが、当初の予定通り、詰所へと走って向かった。


「……これが私の役割なのよ。恐れるものなんて、何もないわ」


 どこか自分に言い聞かせているかのように聞こえた。


 ***


 裏口からバックヤードに戻り、その人物の名を呼ぶ。


「陽菜! 縄を貸して」


「はい、どうぞ。何に使うんですか?」


『呪縛』の魔法の後遺症でしばらく動けない男どもに、瞬く間に縄で縛っていく結奈。


「鬼ですかアンタは」


「こうでもしないと、『呪縛』が解けた時が大変なのよ」


「では、ここは陽菜が見張っていますから、ラファの加勢に行ってあげて下さい。バックヤードには他のお客さんや従業員もいますから」


「コイツらもバックヤードに入れて、二人で居ましょう? 個人の負担を大きくするよりは、纏めて負担した方がいいわ。この状況じゃ、外だと何があるか分からないし」


「ですね」


 肯定しつつも、捕らえた男達を、縄を器用に使って、一人で連行する結奈に、思わず「こなれてるなぁ……」と呟いてしまう陽菜であった。

・沢山の方々にお読み頂き、嬉しい限りです。今後もよろしくお願いします。


・今日(9月30日現在)の夜、活動報告を上げる予定です。

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