海戦(開戦とかけてる訳じゃないよ)
・三人称です。
・少しというかだいぶ短め。
『そうだ、海上都市を作ろう』
この一言から建国計画が始まった海上国家グリセリドは、略称グリセリド海国としてソルブィスト王国の傘下に入った。海産物を提供する植民地としてだ。
魚の生食文化はソルブィスト王国内に瞬く間に広まった。それもこれも、グリセリド海国から輸入された運送機関のお陰だ。グリセリド海国は、上空はもちろん、海上、地上、地下など、様々な運送機関を確立していった。そのお陰で、安全に魚を生食で食べれる事が出来るのだ。この運送機関は他にも様々な良い影響を及ぼした。
そんなグリセリド海国に、戦争を仕掛けた国がある。何を隠そう、ザーガィスト帝国である。
ザーガィスト帝国は戦争を国益とした国で、ソルブィスト王国と完全に敵対している。その植民地ともなれば、宣戦布告などしなくても良いという考えだ。
もちろん、世界的に認められた訳ではない。が、そこはやはり戦争が主産業の国。その武力はかなりのもので、どの国も手出し口出し共に出来ないでいる。
唯一、ソルブィスト王国を除いて。
ソルブィスト王国の産業は冒険者稼業だ。中には上位の冒険者や魔法使いなどもおり、ギルドの総本山があるため、ギルド会員を徴収することも出来る。ザーガィスト帝国に対抗する唯一の要ということだ。
ザーガィスト帝国は、ソルブィスト王国に勝てないでいた。お互いに消耗しきり、戦争はゆっくりと沈静化していった。
そして、そこにグリセリド海国の登場。もちろん、戦争を仕掛けるザーガィスト帝国。
『目標、海上国家グリセリド! 砲撃、開始!』
この魔導無線の一言で幕を開けた、第一次グリセリド急襲は、一瞬にして終了する事となる。
結界発生装置により、魔法砲撃が全て防がれた為だ。
『て、撤退! 撤退ー!』
これは敵わない、とザーガィスト帝国は背を向けて逃走したのだった。
一方その頃。(※以下、会話が殆ど)
海上国家グリセリドの内部に、どきゅーん、ぎゅにんぎゅにんぎゅにん、という爆音が響いた。それも何度もだ。
「な、なにやつ!」
「どこの時代劇だよ」
「なんでソーダが時代劇を知っとんねん」
ビシッとツッコミを入れるアオナ。ただ、アオナがDPで購入したテレビからの情報だとは気付けていないようだ。
「結界のお陰で助かったみたい」
「……恐らく仕掛けてきたのはザーガィスト帝国だろうな。ソルブィスト王国と完全に敵対している国だ。その傘下の国を無条件で攻撃してもおかしくない」
「どうする? 帝国、潰しちゃう?」
「やめとけ。戦争を国益としてる国だ。秘策だとか、最終兵器だとか、絶対になにかある」
「仕掛けるとしたら、相手の手札を全部探ってからってこと?」
「そうだな」
「ソーダだけに」
「やかましい」
「どっちにしたって、目の前の邪魔な奴らは潰しても良い? 漁船が出せないんだけど」
「……良いんじゃねぇの? ま、撤退してるみたいだがな」
「……は? 大砲ぶち込んどいてトンズラ? ありえないんだけど」
「お、おう……」
「逃がさない」
パチン、と指を鳴らすアオナ。そばに海軍の軍服を着たシルキーとブラウニーが現れた。要するにセーラー服なのは言ってはいけない。海の服といえばとDPで購入したようだが、完全に学生服見たくなってしまっている。
「狙撃用意」
「「イエス、マスター」」
「なんか始まってる!?」
「エネルギー装填、発射準備。カウント開始」
『残り5分、です』
「設定で非致死性を追加、と」
『追加しました』
「優しいんだな」
「いや? 向こうが戦争仕掛けたのを追い返しただけだけど、それで言い掛かりもつけられたくないなーって思って? 海に溺れて死んだりはするかもしれないけど、直接的に殺してないしセーフでしょ? って言い張れるじゃん」
「まさかの保身かよ」
・これから1000文字にするのか5000文字にするのか悩み中。ご希望があれば“感想欄”でも“活動報告”でも“ユーザーへのメッセージ”でも、どこでも受け付けてます。ただ、1000文字の方がやっぱり書き慣れてるのでやりやすいって言うのはあります。こればっかりはすぐには決められないかも……。




