とんでもねぇ小娘
カポエの街の騒動が終わって、待機中のお話です。
「それでねぇ、虎さんがムンズとばかりに大型蜥蜴風魔獣の尻尾を掴んでなぁ、こう・・グルングルンと回転しながら~~」
ウォオオオ・・と歓声が上がる、シ~ノンこと大西詩乃、異世界で講談師の如くに<虎さんVS魔獣>の戦いの模様を語っております。
パパンパンパン!空の魔石で造ったハリセン擬きで合の手も完璧だ。
面白いよね講談って、お爺ちゃんが落語や講談のDVDを持っていたので、詩乃も良く付き合って鑑賞していたものだった。
昔はTVで寄席の中継とかやっていて、よく落語や講談なんかを放送していたらしいんだけど、今ではそんな番組も無いから、仕方が無くお爺ちゃんはDVDを通販で買い求めていたのだったよ。もう亡くなっている名人なんかの十八番の一席が再演されていて、何回見ても笑っちゃって面白かった覚えが有る。昨今落語家と言ったらワイドショーでコメンテーターとして活躍していたり、健康番組のMCしていたりで・・時代なのかのぉ。笑いは大事だぞ、古典落語万歳だ!
そんな訳で、詩乃の語りは古の名人仕込みなので、お客さん(虎の目部隊の脳筋ども)の掴みもバッチリなのだ!ウケているぞぃ。イエ~ィ。
「ポーーンと飛ばされた魔獣がブチ刺さったのが、あすこで倒れているトゲトゲの魔獣だ・・あんた何処に目が有るんだぃ?そう聞きたくなる様なトゲトゲ具合だがな。己のトゲトゲに刺さった大きな蜥蜴の重さで、流石のトゲトゲ魔獣も動くに動けない。これで勝負あったかと、思わず目をひん剥いて見つめていたもんだが・・それなのに、あぁそれなのに、そんなには甘くはなかった流石に魔獣と言うべきか」
パパン・パン!(この語りは江戸前の落語訛りでお届けしております)
「こんな事で負けちゃぁ~いられねぇとばかりに、魔獣が身体のトゲトゲを弓矢の如くにバン・ババンと撃ち放ったからてえへんだぁ」
パパン・パン・パン!
「虎さんは魔獣の棘矢をかわさんと、身軽にポップ・ステップ・ジャンプとかまして、ヒラリヒラリと逃げたから良い様なものの、見物としゃれこんでいた貴族達はそうはいかなかった。油断大敵・雨あられ・・雨の如くに降り注いで来た魔獣のトゲトゲが、哀れ脂肪で膨らんだ貴族達のドテッ腹に刺さっちまったから堪らない。痛ぇ痛ぇと泣きの涙で大騒ぎよ、さぁてぇへんだぁ、会場は碌に剣も構えられねぇボンクラ貴族達で一杯だ。我先に逃げようとして右往左往の大混乱、広場は阿鼻叫喚の地獄と化しちまったからぁ~お立合い」
パパン・パン・パン・パパン・パン
どっかの誰かさん達のせいで、何故だか貴族の館が半壊し・・カポエの街の奴隷市場にも王都の騎士団の捜査が入った。
お縄に付いた奴隷愛好者の貴族達には反聖女様派の者が大勢いた様で、この一件で反対派の力をかなり削ぐことが出来たそうだから・・これで万事解決、一件落着で良かったのかな?奴隷の皆さんは無事に解放された事だし、獣人の可愛い者達にもこれと言って被害は無かったのだから。
まぁ、目出度い・・のかな?終わり良ければすべて良しで、途中にあった細かいアレやコレやの不愉快なエピソードはこの際スッパリと忘れて、詮索し無い方が己の身の為なのだろう。
根には持っているがな・・しっかりと。
その反聖女派の貴族達の取り調べには、王都からやって来た聖女様直属の親衛隊?とか言う部隊と近衛隊?とか言う部隊とが牽制し合いながら行っている。
何気に仲が悪いらしいよ、この2部隊は・・似たような仕事なのでシマが被るせいなのか・・良くは知らんが、まぁ頑張って働いてくれたまえ。
近衛を指揮しているのが➁で、有能なのか無能なのかは定かでは無いが、➁が居るとプウ師範は自動的に側近としてお傍に侍るらしい。
だからプウ師範はこのところ➁のお守りで姿を見せない、たぶん早く王都に帰って聖女様に合いたい➁に八つ当たりでもされているのだろう。宮仕えの悲しい所だな、精々頑張れ肉体派公務員。
一方のラチャ先生と言えば、例の己を謀った<下級貴族の凡庸な魔術陣>の解析に没頭しているそうだ。何か簡単すぎる陣が、一周回って難しいとかで・・要は下っ端に良い様に出し抜かれたので、先生の無駄に高いプライドに触ったのだろう。
そんな訳で、お目付け役の2人が忙しくて行方不明なのだ。
だから詩乃は絶賛フリーな状態で、平たく言えば恐ろしく暇な訳である。
暇でボンヤリしているのは詩乃だけでは無い、むやみに強い脳筋集団なのだけれど、知的作業や事務仕事はからっきし駄目駄目な<虎の目部隊>の皆さんも暇なのであった。彼らに下手に手を出されると二度手間になるそうで、他の部隊からは間に合ってる、こっちくんなと牽制されているそうだ。可哀想に(苦笑)。
何だかその脳筋具合が・・異世界に居るお兄を彷彿とさせていて、彼方に居るお兄が無事に成人となり、社会で真面目に働いているであろう事を節に祈る気持ちにさせられる。
何故にそこまで<虎の目部隊>が暇なのかと言えば、指揮官の布団騎士がプウ師範に泣き付かれて➁のサポートに入っている事が大きい、頭脳を使える人材が流出しているから動けないのだ。
やっぱり犯人は➁なのか、彼方こちらに被害を及ぼしている病原菌の様な男である、けしからんリアルバイオハザードだな。
やる事が無くて所在無さげにしている虎目の皆さんが、あんまりのも気の毒なので、講談<虎さん戦記>の公演と相成ったのである。
虎目の皆さんと詩乃とオツムの出来は似ているのか、喜んだり笑ったりするツボが同じなので大変にやり易い。要するに、勧善懲悪のハッピーエンドが好きなのだ。
悪の貴族達と無慈悲な魔獣達が虎さんの活躍で滅びて、無辜の民の平民の美少女・・一部だけど、ほとんどの者は平凡な顔だけど、人の事はとやかく言えないが・・が助け出され、感涙の涙を滂沱と流す・・お好きでしょ?こう言うお話。
肝心の主人公、語られている張本人の虎さんと言えば、苦虫を百匹噛み潰したような顔で此方を睨んでいるのだが・・未だに詩乃の護衛の任に着いているので、傍を離れる事が出来ないらしい、律儀な事だ。
『何かご不満でも?』
そんな些細な事(虎さんの胸の内)は気にしないのが詩乃さんのおおらかで良い所なのだ、語りは佳境に入って行く。
「奴隷や獣人達を逃がした後、ふっと見上れば、これ見よがしに貴族の塔が聳え立っている・・途端に虎さんの全身に怖気が走った。
これはただ事ではない、巨大な陰謀に唯一気付いたのが我らが虎さんだ。
かの天災・俺様魔術師長さえ見破る事が出来なかった(軽くディスって)身隠しの陣、それが設置されていたのが塔の天辺だったのだ。
魔力を持たない虎獣人の漢は、その野生の勘を持って見事看破したのだ!」
ウォオオオ・・・いいぞぉーーー
「陣を破壊するのはいつだ、今しか無いでしょ!
その手に輝くのは、かの聖女様から下賜された悪を砕くメリケンサック、又の名を正義の鉄槌ナックルダスター」
そう叫ぶと詩乃は右手を天高く突き上げて、体の周囲に魔力を漏らしてスーパーお野菜人の様に闘気を纏った、身体中金色にペカペカと安っぽく輝いて、嘸かしそれらしく見えるだろう。
「そいやぁ!気合一発!
虎さんの拳はタダの一撃で要石を粉砕!魔術は粉々に破壊され身隠しの陣はその用を成さなくなった。途端に現れるおぞましい施設の数々、その中には魔獣を使った闘技場や王国内を飛び回る移動陣の館も有ったのだ。此処を根城に、貴族達の悪の組織は王国中を蝕んでいたのだ。塔も崩壊し、貴族達の陰謀も明るみに出たいま、お偉い御身分の貴族だろうが、悪い奴らを逃がす手はねぇ。丸ッと全員お縄に着きやがれと言ったぁあー寸法さぁ」
拍手喝さい掴みは上々、若干1名おこな獣人がいるけれど本番はこれからだぁ。
「どうでぇ、力自慢に腕自慢、魔獣と戦う最前線で頑張っている<虎の目部隊>の戦士様方よ。本物の<虎>と勝負してみたくはないかぇ?我と思わん勇者は名乗り出でよ!いざ尋常に勝負!勝負!!」
「いいぞ~、俺が出る。俺と殺ろう」
「いや、此処は部隊一の力自慢。このビョルンソンがお相手いたそう」
「まて、此処は俺に任せろ。スピードでは引けを取らんつもりだ」
盛り上がって参りましたーーーー!
「ちょいと待ったぁー、この勝負はタダと言う訳にはいかねぇよ。
何たって虎さんは悪い人間に捕まって、毒粉にヤラレて一文無しの境遇なんだ、ファイトするならそれなりの報酬・・ファイトマネーが必要だぁ。
我こそはと、腕と財布に自信が有る挑戦者を募集する、さぁどうする!真の勇者・魔術塔の破壊神、虎さんとファイトするのは何処のどいつだぁ!」
「あだだだぁぁぁーーー痛い痛い痛い」
何だってこの小さくて奥ゆかしい詩乃ちゃんの頭に、アイアンクローなんか掛けるのかな?虎さんてば、詩乃ちゃん全然解んないよぉ(涙)
「小娘、何の真似だ。俺は人間どもと勝負なんかするつもりは更々ないぞ、勝手に盛り上がって決め付けるなぁ、迷惑だ」
「でも虎さん一文無しなのは確かでしょう?良い機会じゃぁ有りませんか、人間を軽くシバき倒して銭が稼げるなんて旨い話そうありゃしませんぜ。なに、相手はイジられて喜ぶ変態の脳筋どもなんだ、遊んでやるつもりでやれば良いんですよ」
一文無しの所で、グッと言葉に詰まった虎さん・・持つモノ持たないと心細いし、自由に動きも取れないよね。
「アッシの・・いえ、聖女様の世界では<異世界転生の指南書>なる本が有りましてね、稼げる時に稼げるだけ稼いでおけ・・との教えが有りますのや。損する事は無いんだから、憂さ晴らしも兼ねてパァッとやったらんかい、漢やろ」
何だか言葉がめちゃくちゃな関西弁風になっちまったい、儲かりまっかーはやはり関西の方の言葉じゃなくちゃね雰囲気が出ない。
虎さんは散々渋ってはいたが、虎目の小虎ちゃん達(ルーキーなのか?)の熱意に嫌々動かされて勝負に応じ始めた・・でも始めてしまえばノリノリだ。結局虎さんも脳筋のナカーマなのだ。
決して小さくは無い男達をポポイ・ポイ・ポイと投げ飛ばし、虎さんは小山を築いていく、小山となった男達もすぐに解けてしつこく再戦に挑んで行って・・あんたら、どんだけ無駄に体力が有るの?と聞きたくなる有様だ。
まぁ、投げられている方も投げている方も薄ら笑いをしているんだから楽しいのだろう、脳筋の考える事はよう解らん。若手が片付いて来ると大御所の登場だ、見るからに強そうなオッサンが腕を交差して脇腹をバチンバチンと鳴らしながら進み出て来た。
「副長が出ましたね、腕力自慢の人ですよ」
聞き覚えのある声に振り向くと・・どこかでお会いした事が有りましたっけ?みたいな人が柔和に微笑んで立っていた。
「オマケのお嬢さん、忘れていますね?聖女様の離宮であなたの護衛に着いていたギィですよ」
「あぁギィさん!お久しぶりです、お元気そうで何より。再会したばかりで恐縮ですが、ちょっくら頼まれてやっちゃぁ下さらんか」
「さぁ、息詰まる熱戦もメインイベントに突入だぁ!今度の相手は手強いぞ、部隊の副長で力自慢<剛腕のビョルンソン>の登場だぁ!
どっちが勝つか、時間無制限・1本勝負!相手がタップして降参するか背中を土に付けたら終了だぁ。さぁ、張った張った!どっちが勝つか賭けを受け付けるぞー。現在虎さん:副長で2対1の虎さん優勢だ。どうする小虎達、自慢の副長に賭ける気は無いのかい、さぁ張った張った、すぐ締め切るぞー」
詩乃が胴元で、賭けの計算はギィさんがやってくれている・・持つべきものは多少の知り合い。使える者は何でも利用しましょう。
突然始まった賭け事に、虎さんは呆れた顔をしているが・・かけ金がドンドン上がっておりやすぜ旦那。此処はビシッと勝ってもらわにゃぁ、此方も困りやすんで・・へっへっへっ。
・・皆で楽しく過ごしていたのに。
「あだだだだぁぁぁーー痛でぇ痛でぇ・・・ギブギブ」
何だってみんな詩乃の頭を鷲掴みにするかなぁ・・今度は虎目の隊長事、布団騎士が鷲掴みだよ・・アイアンクロー再びだ。
「賭け事と金の貸し借りは軍規違反です、厳しい処罰が下される事はご存知ですか?オマケのお嬢さん」
「そうなんですか?聖女様の婚約の時だって、お相手は誰に決まるかと王宮中で賭けていたでしょう、確か胴元は王妃様だったような?賭け事はこの世界の習慣だと思ったおりましたですよ・・はい」
「・・・オマケのお嬢さん?」
「・・えぇっと~ぉ・・これはそう、チャリティーイベントです。奴隷に身を落とされて一文無しになっている虎さんを励ます為の・・熱い拳で応援・・とか?」
「・・・・・・・・・・・・・」布団騎士の薄い微笑みが怖い。
布団は神殿騎士の出身のせいか無駄に頭が固かった、でも賭けこそは認められなかったが、ファイトマネーはそっくりそのまま虎さんの懐に入る事になったし、小虎ちゃん達にも御咎めは無かった。
『ちっ、賭けで儲けたら手数料を貰おうと思っていたのにな、声を張り過ぎて喉がガラガラだよ』
頭は固いが布団騎士は心遣いが出来る男なので、詩乃に飲み物を奢ってくれた・・今、館には駐屯している大勢の騎士を当て込んで、カポエの街から飲食の出張サービスが来ていて屋台が沢山在るのだ。
「何もあんな無理をして金を稼がなくても、被害者達には王宮から慰謝料として一時金が出るそうですよ」
布団騎士はそう言うが・・解っちゃいないなぁ。
「自分の手で稼ぐことが大事なんでさぁ、金を稼げれば自分に自信が持てるし、希望だって湧いてくるもんなんだぁ」
今は遠くなった異世界の実家で、高校生となったお兄がバイトを始めた時の事だ、早朝の倉庫の配送準備の仕事で地域ごとに重い荷物を仕分けするのが仕事だった。週3回でたった4時間のバイト、今思えば大した額では無かったのだろうが、お金を稼いで来たお兄は満足気で自信に満ち溢れていた顔をしていたものだ。
お金を稼ぐって、生活にも心にも大事なんだ・・。
詩乃だってトデリで持った自分の店を軌道に乗せようと、あれこれ工夫を凝らしたし、街に馴染もうと人間関係の努力だってしてきたつもりだ。
王妃様から貰ったお金を切り崩して、引きこもる様に隠れ住んでいたら・・今の自分は無かっただろう。
トデリの店は掛け替えのない自分の居場所だったし、街の皆は生きていく自信を付けてくれた宝物の様な存在だった。
いま、お金を手にした虎さんは何を思っているだろう、元よりスペックが高そうな人だけど、これで更に自信を持って欲しいんだよなぁ。
・・遠目で見る虎さんは小虎ちゃん達と親し気に笑い合って、何気に馴染んでいるように見えるのだが。
「虎目部隊に虎さんが入ったら、カッコ良いし百人力で良いでやすねぃ」
「私もそう思いますが、彼は部隊を選ばないと思いますよ・・人と獣人の間柄は難しく悩ましい問題が有りますからね」
******
まぁ、そんな事が有ったので、その後は目立った騒ぎは控えてはいたのだが・・やりましたよ。野牛獣人の彼との腕相撲対決、アームレスリング勝ち抜き勝負とかね。ほら、野牛獣人の彼にも稼がせてあげたかったし、相も変わらず<虎目>達は暇そうにしていたからネ。
強かったよ~野牛さん、剛腕のビョルンソンさん、御気の毒に上腕骨?とか骨折しちゃいました。ボッキリ音がしたからね、驚いて鼻水が出ちゃったよ・・骨を折るまで頑張るなんて・・脳ミソまで骨になっちゃって無いか?
医療班の魔術師の人に回復魔術を掛けて貰っていたけど、何たる魔力の無駄使い・・まったく痛い思いしてまでやるこっちゃないと思うがね。
「痛だぃ痛だぃ・・ギブギブ・・・」
アイアンクロー3度目です、今度は顔面、虎さんの大きな手が顔をすっぽりと覆って指が(優しさなのか爪は引っ込んでいたけど)食い込んで。
痛いですぅ~ごべんなざい~~~(大泣き)。
「小娘、これは何だ!何故この小袋に俺の毛が入れて有るんだ」
『あ~見つかっちゃったか、ヤバいよ、何でバれたしぃ・・』
小さな可愛い小袋は所謂お守りの袋で、女の子の獣人さん達にも小遣い稼ぎをさせて上げたくて、開発した詩乃の自信作なのだった。
「アッシと同郷の聖女様の世界には言い伝えがありやして、虎は千里を駆って千里戻る・・と。虎さんは遠くに行ってしまっても無事に戻って来る・・って故事で、寅年生まれの女の人の千人針は・・って解らんかぁ。とにかく、安全・安心の良いお守りになるんですよ虎さんの抜け毛は」
そう、虎さんの抜け毛をGetする為にぁ、詩乃は努力を致しました・・虎さんは決してブラッシングをさせてくれなかったから、影の様に後を付けて毛を拾ったり。ぶつかった振りをして、ゴッソリ毛を引き抜いたり・・換毛期だった為か、特に気付かれる事も無く手に入れられたのだが・・頑張ったんだよー。
『うぅ・・どうしてバレたし・・』
「虎目の小僧共が嬉しそうに持って来たのだ、この<お守り>を一生大事にするとかぬかしてな・・お前だったらどう思う。汗臭い脳筋のクソ可愛くも無い男共が、自分の抜け毛を後生大事に持っているんだぞ」
「うわぁ~、気持ち悪ぅ~ゲロゲロゲェ~。
まぁ、有名人なら良くある話ですよ、御風呂の残り湯とかを有難がって買う、ストーカー紛いの物好きもいるらしいし」
「ふ・ざ・け・る・な!」
この一件は聖女様の顔に免じてと、➁がとりなして事なきを得たが・・聖女の顔を潰すなとか、余計な事をして手間を増やすなとか・・詩乃の評判は主に上層部中心に悪くなった・・別に構わないけど。
虎さんは、その後もかなりしつこく怒っていて、詩乃の顔を見るたびに呟くのだった。
「・・とんでもねぇ小娘だ・・」
・・誉め言葉だよね?それって。
大昔のプロレス、鉄の爪さんとか、人間山脈さんとか、16文キックさんとか、4の字固めさんとか・・皆様儚くなられて・・婆寂しい(@_@。
昭和は遠くなりにけり、いや・・流石に小学生の時にTVで見た思い出ですよ。
昔はTVが映らなくなるとブン殴ったものでしたが、機械を叩くのも昭和の人間の特徴ですかね。




