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 ―………

 「や、やめてくれる?寂しくなるからさぁ…」

 ―独り言だと言うからだな

 「…うん。ごめんなさい」

 ―まったく、調子に乗るなよ、未熟者が。まだ終わってないぞ

大きな独り言を話しながら歩を進めるバスクを、林の中から見ていたオークたち。その姿が見え隠れするようになったのを、バスクも確認していた。

「めんどくさいなぁ」

―おい。また、怒られるぞ?

思わず口が出る。彼がやろうとしている事が、ブラッドにも分かってしまった。

「わかってるけど。…なんか嫌な感じするし」

嫌な感じ、という点にはブラッドも同意していた。林の中に居る合計七体のオーク。その数と位置はブラッド自身の感知能力でわかっている。バスクには分からない事まで感覚で知り得ているのだ。だから、林の奥に危険な何か―巨大と言えるだけの大きさの物体が鎮座しているのも分かっていた。

―どうしてそう思う?

直後、問いただす様になったのをブラッドは後悔した。

 「んー?なんとなくかな」

 ブラッドの問い掛けに曖昧な返事を返したものの、バスクは確信に至っていた。今の問い掛けは明らかに何かある。そこから数歩進んで、バスクは立ち止まる。

 「ブラッド」

 呼び掛けに溜息が出る。完全に自分の失態であることが分かっている。そして、彼が今からやろうとしている事も。

バスクにとっては当初の予定通り、ブラッドにとっては一度制止したはずの行動をとる為にお互いが準備を始める。今度は大きく息を吸い込み、―ふっ、と息が漏れるほどに力を入れる。バスクの周囲に発生した熱気は音を立て、熱波となって草花を焦がしていく。一方のブラッドは竜装「赤尾」の中に空気を取り込み、自身を超高温へと上昇させる。同時に己の能力を生かす為に、魔力を練り上げて行く。これにより、ドラゴンは個々の能力を有効に使うことができるのである。魔力が練り上がり、超高温となった竜装「赤尾」に宿るブラッドからの合図が挙がる。

―いいぞ。バスク

小さく笑ったバスクは、その場で右回りに回転しながら、追随して回る超高温にたぎる竜の尾を、横に一振り薙ぎ払った。

 ―竜装「赤尾」遠方攻撃術参型 レッドライン


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