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2代目天狐と鬼天狗  作者: 涼井 菜千
新たな標的
56/76

55 【クリスマス】

 あの告白から2週間、陽翔は黎羽に呼び出されていた。


「あの、黎羽様。何か……?」

「おぬし、悠依に言ったのか?」

「――いえ、まだ」

「早く言ったほうがいい。ただでさえおぬしの命は限られているのだ。その体が動くうちに、言葉を発することが出来るうちに、伝えておいた方がいい」


 黎羽は祈るような表情で陽翔の手を握り、そして離れた。


「まあ言うか言わないかはおぬし次第だ。藜も私もおぬしの味方だ」

「ありがとうございます……」



 一方そのころ悠依と遥季はとあるカフェで陽翔を待っていた。


「遅いなぁ兄貴は」

「――本当に尊敬するよ」

「は?」

「犬榧のカモフラージュりょく。遥季にしか見えないもん」

「そりゃ本人だからだろ?」

「そうじゃなくて、口調とかも!」

「あぁ、ひたすら陽翔にしごかれたからな」


 遥季は懐かしむように視線を動かした。


「あ、兄貴!」

「遅れてごめんね?」

「大丈夫ですよ!」

「ったく遅せえよ!」

「ごめんごめん」


 陽翔は眉を下げ謝る。


「全然大丈夫ですよ! 遥季の言うことなんて気にしないでください」

「なっ! 悠依、お前なー!」

「なによ、陽翔さんだって用事があったんだから仕方ないでしょ!?」


 そんな2人の会話に陽翔はクスクスと笑っていた。


「何笑ってるんですか!」

「いや、仲良いなって思ってね」

「もう! 早く買い物いきましょ! 今日はクリスマスですよ! 今日は私が作ります」

「まじか!」

「ありがとう、悠依ちゃん。僕も手伝うよ」

「ありがとうございます! ケーキは作ろうと思ってるんですが、ほかに何か食べたいものはありますか?」

「唐揚げとチャーハン!」


 爛々と目を輝かせている陽翔に悠依はついクスッと笑ってしまう。


「わかりました!」

「じゃあ行くか!」

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