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4 【来訪】

 次の日の朝、悠依はいつも通り弁当を作りながら制服に着替えていた。

 そのとき、滅多になることのない悠依の家の呼び鈴が鳴った。

 (誰だろ、こんな時間に)

 不思議に思いながらも悠依は扉をあけた。


「どうしたの?遥季」


 呼び鈴を鳴らしたのは遥季だった。


「いや、一緒に行こうかなって思って……何か美味そうな匂いがするんだけど、朝ごはん?」

「朝ごはん兼お弁当作ってたんだ。とりあえずあがって?」

「じゃ、おじゃましまーす!」


 遥季を家にいれ悠依はお弁当作りに戻ったのだが――全く離れる雰囲気のない遥季。


「あの……遥季? ちょっと近くない?」

「近い? ……顔赤くなってきたな」

「だから離れてほしいんだけど……」

「だーめ」

「お弁当作れないんだけど!」

「じゃあ、俺のも作って?」

「え、いいよ? 同じおかずで良い?」

「もちろん!」

「じゃあ、お弁当作ってあげるから離れて?」

「やだ。悠依の反応面白いんだもん」

「作りづらいー!」


 そんな会話をしつつ何とか登校したのだった。


 そして今はお昼休み。

 昨日と同じく悠依達が屋上へ行くと当たり前のように遥季もいた。

 しかし、昨日とは違うことが2つ。梨緒はすぐに気づいた。

 1つ目は遥季のお弁当と悠依のお弁当が同じおかずだということ。

 2つ目は遥季と悠依の距離がかなり近く、もはや遥季に抱きしめられながら悠依が食べている感じになっているということ。


「遥季くん……暑苦しい」


 梨緒は冷たく言い放った。

 (そこなの!?)と思わず悠依は心の中で小さくツッコミを入れてしまった。


「そうか?」

「そうだよ! 今夏だよ? 真っ盛り! 8月だよ?」

「わかってるよ?」

「なら悠依から離れろ!!」

「やだ」


 そこでチャイムが鳴りお昼休みも終わり、授業も終わり、時間は放課後となった。


 そう、あの“悪夢のような放課後”に......

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