95日目 炎の魔術師にジョブチェンジ
「今日の理科の実験でさ、アルコールランプ使ったんだけど、なんであの白衣の薄汚いオヤジはマッチを使わせるの?」
「ああ、理科の先生ね。薄汚いって!」
「今の時代、マッチなんて場末のスナックでも行かなきゃもらえないじゃない」
「そもそも場末のスナックがないし、行かないけど、なんでアカリは知ってるの?」
「昔、クレヨンしんちゃんで見た」
「僕と同じ知識の入手先だ! ところで、マッチといえばさ」
「ものまねしたら燃やすよ、チャッカマンで」
「すみません。やりません」
「でもさ、マッチはファイア、ライターはファイラ、チャッカマンはファイガってイメージだよね」
「FFは僕も好きだよ! 1人でできるから」
「お兄ちゃんのことは聞いてないんだけど、マッチの方がさ、熱いし危ないし、あんなの使えても将来役に立たないよね」
「キャンプする時になきゃ困るよ! キャンプする予定ないけど」
「人類はなんで昔から火を使うんだろうね。どうせならブリザドとか使える方がかっこいいのに」
「違う、違うよ、アカリ! 炎はね男のロマンなんだよ!」
「私男じゃないし」
ぱちっ、と国家錬金術師の真似事をして指を鳴らそうとするが鳴らない。
「みんな、あの手袋のイケメンを見て指パッチンを練習したんだからお兄ちゃんもがんばって。イケメンになりたかったら」
すか、すか。
「私の恋の炎は聖火よりも強いわよ!」
「姉ちゃん、僕の指から火が出ない」




