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93日目 惚れ薬の調合方法

「お兄ちゃんを取られないために、あのヒトミの中の暗殺者をお兄ちゃんから遠ざけなきゃ……。お姉ちゃんが学校に乗り込んでくる」

 先ほどまで理科室にいたアカリは今度は家庭科室にいる。

「あの名前を忘れたけど、泥みたいな女を他に惚れさせちゃえばいいって考えに至ったのは私賢い!」

 偽者のマサヤを作って、そっちとくっつけようとしたのだが作戦は失敗した。

「私はもっと賢い案を思いついた。あのパチモノキラ様も一緒に葬れる完璧な作戦」

 作り方はすでにネットで検索してある。

「まずワルプルギスの夜を適量……どこにあるの? って適量ってなに?」

 深く考えず、冷蔵庫の中に残っていた萎びたネギを投入。

「次はアトランティスの秘宝を一欠けら……栗林さんのCDを入れられるわけないじゃん!」

「それはランティスって会社名だよ!」

「あ、お兄ちゃん、また来たの?」

「僕は本気で学校でのアカリが心配なんだよ」

「私をこうしたのは魔のせいよ」

「なにその中二病の登校拒否理由!?」

「邪魔するなら出て行ってよ。次はジンオウガの逆鱗と碧玉」

「それなら持ってるよ。ほら」

 当たり前のようにPSPを出して見せる。

「よく99個ずつ集めたね」

「アカリと一緒にやったからね」

 見知らぬ誰かとはできなくとも、見知ったアカリとならいつだって気楽に楽しめる。

「アカリがいるから僕はゲームも楽しいんだよ」

「そうだよね。うん! じゃあ、お兄ちゃん、これあげる」

「なにこのラムネ」

「惚れ薬だから食べてね」

 今日のアカリはちょっとかわいかった。

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