7日目 鳴けよウグイス
鳴らない電話に突然、メールが届いた。
「チェーンメール?」
「なぜそう真っ先に決め付ける」
「お兄ちゃんにメールを送る人なんて限られてるし、私ここにいるし」
アカリはソファーに座ってスマブラでドンキーコングを滅多打ちにしながら、ポッキーに手を伸ばす。
「まあ、アカリからのメールは基本、なにかを買ってきてとかの催促メールだけどさ」
「それは私だけじゃなくてお母さんからの伝言も入ってるじゃん。あ、そうだ」
「なにか思い出した? 買い物なら行かないよ、外は雨だから」
「チェーンメールって友達がいないとそもそも来なかったね、ごめんなさい」
「なんでそういう時だけ素直に謝るの! 事実だけど、余計に辛いよ」
「私、人間できてるから」
「僕が駄目みたいに言わないでくれよ。そのうち未来から猫型ロボットが助けに来てくれるよ」
「助け甲斐のない人は助けないと思うよ」
そう言いながらドンキーコングを乱獲するアカリ。
「メールの中身は……姉ちゃんだ」
「なんて?」
用はないけどマサヤの顔を見に近々帰ります。
「帰ってくるって。そのうち」
「未来からじゃないけど助けてくれる人がいるじゃん。飛ぶ鳥を落として焼き鳥にするお姉ちゃんが」
実に楽しそうで嬉しそうなアカリである。