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69日目 なう

「人質なう、ってツイートしたいんだけど」

 強盗犯に一睨みされてマサヤはすごすご下がった。

 リビングのカーテンは不自然に閉められ、マサヤとアカリは縛られたりはしていないものの、大人しくしているように一つの部屋に集められている。

「どうするよ、アカリ。あの強盗、拳銃じゃなくて包丁持ってるよ、包丁」

「ね。普通はサバイバルナイフとかだよね。100均の包丁って」

 二人とも子供なので大人しくしていれば危害は加えないとは言っているが、緊張感はほとんどなかった。

「ところでお兄ちゃんのツイッターのフォロワー、鍵かけてないのに1人だけだから呟いても意味ないよ」

「うん、ツイート0件で、なんか英語のプロフィールの人だけ。僕の見てるの?」

「見てないし」

 フォローせずともIDを覚えていれば携帯から直接入力でマサヤを探せる。

 表にパトカーが通りかかる度に、男は神経質なまでに体を強張らせるが、その時玄関の鍵が外から開いた。

 静かな足音が近づいてきてリビングに入ってくるなり、強盗犯に対して躊躇なく右ストレートを放ち、仰け反ったところへ膝蹴りを叩き込んだのは、期待に違わずヒカリだ。

「私のマサヤになにをしたー!」

「姉ちゃん、つえー!」

「なんとなくこういうオチわかってたんだよね」

 だからアカリは恐れることを知らなかった。

 その後、強盗犯は泣きながら自主したと言う。

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