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54日目 ブランコが相棒
「開けていいのかしら」
「それよりトイレ開けてあげれば?」
「お姉ちゃんとして、中身を知る権利はあると思うの!」
「あ、聞いてない」
「この牝豚が私のマサヤに手を出そうなんて、どう焼き豚にしてくれようか」
「女とは限らないんじゃない?」
「え?」
「お兄ちゃんには一応ホモ説があるから、その手紙の相手は男という可能性も」
「ないわね」
「……ちょっと悪ふざけがすぎた」
ヒカリの一睨みでアカリは小さくなってしまう。その目は本気だ。
「これは我が家始まって以来のピンチよ。家族崩壊どころか明日にアルマゲドンが起こるわね」
「世界規模!?」
「ま、開けてみましょう。……アカリ、開けてくれない?」
「いやだよ。私、そんな責任負いたくないもん」
「だ、だって……これに、マサヤのことを好きだなんて書かれてたら、ローンを30年抱えたサラリーマンが突然リストラされたみたいになにをしでかすかわからないわよ!」
「鬼気迫るものがあるね……。じゃあ、開けようか――ってまだ続くの?」
続きます。




