41日目 丸裸
「アカリ、見てみて、携帯機種変更した」
「ついにお姉ちゃんもスマフォデビューなんだ。でも、なんで今さら?」
「……それには話せば長くなる話があるんだけど、聞きたい?」
「聞きたくないって言っても喋るつもりでしょ? だからちょっと待ってて」
「え? なに? 僕は自分の部屋でアカリには内緒のことをしていたんだけど」
「大丈夫。お兄ちゃんがなにをしていても、たぶん全部筒抜けだから」
アカリはマサヤを連れてリビングへと戻って来た。
「話していいよ」
「うん、アカリは優しいね。マサヤまでわざわざ連れて来てくれるなんて」
マサヤは部屋にこもってこっそり訪問者が自分を含めて三人しかいないブログの更新をしようと思っていたのだ。
「なんの話?」
「お姉ちゃんの携帯が壊れた話」
「期待されても大したことはないんだけど、今日の朝方バイトから帰って来て真っ先にマサヤの部屋に行ったんだけど」
「なんで僕の部屋? あ、もしかしてゲーム?」
「そ、そうよ。ゲームを借りようと思ったの」
「……隠しカメラの……まあいいや」
アカリは深くは語らない。
「で、マサヤの部屋に行った時に、バイト先のバカ――じゃなくて店長から電話がかかってきて、マナーモードにしてなかった携帯が鳴り出したから、こう」
テーブルの上に置かれる、曲げてはいけない方向に曲げられて回線が露出した携帯電話の残骸。ちなみにマサヤと同じ型の色違い。
「姉ちゃん、僕の眠りを妨げないために、そんなことまでしてくれなくてよかったのに!」
「私はマサヤが大事だもん!」
「そうじゃないんだけど……お兄ちゃんのバカ」




