4日目 野球をしよう
空は快晴。
こんな日は、仲間を募って野球をしよう。
「アカリ、野球をしよう!」
白球を突き出す。
「カーブの持ち方はこうだよ」
指を直された。
「改めて、野球をしよう!」
「ごめん、今忙しい」
「ソファーに寝転がって雑誌を見ているようにしか見えないんだけど」
「あのさ……お兄ちゃん、ちょっといい?」
ソファーの上に座りなおしたアカリ。
「私がお兄ちゃんのために割く時間は基本的にないの。わかる?」
「わかりたくないけどわかる」
「アニメ見た影響だろうけど、妹は野球はやらないの」
「なでしこジャパンとか流行だよ!」
「それサッカーだから」
「そうか……」
部屋に戻ってボールを置いて、グローブだけを手にしてもう一度アカリの前に戻る。
「アカリ、野球をしよう」
「それ、貸して」
「やる気になったか」
手につけていたグローブを渡す。
「私の邪魔をしないで!」
渾身の右ストレートが打ちぬかれた。
「なぜ……グローブで殴るんだ」
「お兄ちゃんがボケるのをやめないから」
「ごめんなさい。野球なんて別にしたくありません。僕はリア充じゃないので、あと七人の仲間も見つかりません」
「わかってんじゃん」
だから二人でもできるグローブを用意したのだが、今度はキャッチャーのつける防具を用意しよう。